2023年東京新聞杯過去データと予想分析

第73回 東京新聞杯（Ｇ３）

2023年２月５日（日）東京競馬場　芝1600ｍ

安田記念やヴィクトリアマイルと同じ東京競馬場の芝1600ｍで行われるため、毎年、実力派のマイラーが数多く出走する東京新聞杯。このレースの勝ち馬は、その後Ｇ１タイトルを手にすることが多い。最近では18年のリスグラシュー、19年のインディチャンプが、その後Ｇ１を複数勝利している。昨年はイルーシヴパンサーが勝った。今年はどの馬に凱歌が上がるか？　過去の傾向からレースの傾向を探る。

東京新聞杯過去10年間配当金

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５番人気が好調で、勝ち馬は３～５番人気が多い

平均配当は馬連が7023円、３連単は10万8485円と荒れている。１番人気【1.1.2.6】は複勝率も40％と今ひとつ。５番人気【2.3.2.3】が複勝率70％と好調。３～５番人気で計７勝しており、このあたりが中心。７番人気以下が馬券圏内30頭中４頭で、下位人気はやや苦戦。

牝馬の好走確率が高い

牡・セン馬は、４歳【4.3.3.23】は最多４勝を挙げ複勝率もは30.3％と高く、５歳【1.2.4.22】が複勝率24.1％とまずまず。６歳以上になると、好走確率が一気に下がる。牝馬は全体で【4.3.1.12】で複勝率40％と強く、数は少ないが４歳の好走確率が抜群に高い。牡・セン馬【6.7.9.105】は複勝率17.3％とやや低調。

ほどよい人気のマイルＣＳ組or３勝クラス組

ステップレースは、エリザベス女王杯組【3.0.1.1】は出走数は少ないが、複勝率80％。阪神カップ組【1.0.3.8】は複勝率33.3％と好走確率が高い。京都金杯組【1.2.3.24】は複勝率20％と平均的。マイルＣＳ【1.0.1.11】からの直行組は今ひとつで、東京新聞杯で１～３番人気に支持されると【0.0.0.4】全滅で、４～５番人気【1.0.1.1】は複勝率66.7％。クラス別では３勝クラス組【4.1.0.7】が連対率41.7％と好成績。

外枠の人気馬は危険！

枠番別成績では、１～６枠が全10勝で、７枠より外は未勝利。複勝率では４枠と６枠が31.6％と好調で、８枠が5.3％と不振。７～８枠で１番人気に支持されたのは５頭【0.0.1.4】いたが、３着に１頭入ったのみ。外枠の１番人気が消えるパターンが目立つ。

栗東坂路でラスト３ハロンの速い馬

過去10年の追い切りコース別の成績を検証した。好走馬が圧倒的に多いのは栗東坂路組【6.4.4.40】で、複勝率は25.9％とまずまずだった。次に好走馬の数が多いのは美浦南Ｗ【2.5.2.39】だが、複勝率は18.8％と今ひとつ。

栗東坂路組の傾向は、ラスト４ハロンのタイムが37秒７以下【3.0.1.3】だと複勝率57.1％と抜群で、39秒１以上【2.3.2.9】も複勝率43.8％と好成績だったのに対して、37秒８～39秒０【1.1.1.28】は複勝率9.7％と成績が悪かった。栗東坂路でラスト３ハロンの速い馬か遅い馬を狙おう。

【追い切りコース別の成績（過去10年）】

場所 コース 成績 勝率 連対率 複勝率
栗東 坂路 6-4-4-40 11.1% 18.5% 25.9%
ＣＷ 0-1-1-18 0.0% 5.0% 10.0%
美浦 南坂路 2-0-3-15 10.0% 10.0% 25.0%
南Ｗ 2-5-2-39 4.2% 14.6% 18.8%
その他 0-0-0-6 0.0% 0.0% 0.0%

【栗東坂路組のラスト3ハロンのタイム別の成績（過去10年）】

タイム 成績 勝率 連対率 複勝率
～37秒7 3-0-1-3 42.9% 42.9% 57.1%
37秒8～39秒0 1-1-1-28 3.2% 6.5% 9.7%
39秒1～ 2-3-2-9 12.5% 31.3% 43.8%

2023年東京新聞杯（Ｇ３）調教状態＆コメント

インダストリア　戸崎圭太

調教状態

道中はやや掛かり気味。それでも最後までしっかり伸びてきた。気性面に不安はあるが、動き自体は迫力十分。

厩舎コメント

(ここでも)宮田師――前走は強い勝ち方をしてくれましたが、今回の方がいい意味でガス抜きができています。中山での強さが目立ちますが、東京でも問題ありませんし、３勝クラスをすぐに卒業したように素質は高いのでここでも楽しみはあります。

ウインカーネリアン　三浦皇成

調教状態

ゲート再審査などありながら、熱心な調整。ここ２週はホライゾネットを着けて反応も抜群。立ち直った。

厩舎コメント

(態勢整う)鹿戸雄師――ホライゾネットを着けて、再審査は２回目でクリア。レースでも着用予定。寒い時季で絞りづらい面はあるが、プール併用で乗り込んで、直前のひと追いで態勢は整った。ゲートを無事にクリアなら。

エアロロノア　武豊

調教状態

同じ相手に２週続けて手応えで見劣ったが、調教はいつもこんな感じなのでまったく心配なし。ブレのないフォームで安定感のある走り。心身ともに充実している。

厩舎コメント

(決め手生かし)笹田師――週末にコースで追えなかった（ＣＷ閉鎖）分、直前は強めに。これで態勢は整った。前走はスタートを決めて、いい位置で運べたことが収穫。ただ、本来は外をのびのびと走らせて、勢いをつけた方が良さそう。決め手を生かしたいね。

カイザーミノル　藤岡康太

調教状態

相変わらず頭の位置が高いが、脚の回転が速くてスッと加速できている。一変まではないが、デキは安定。

サクラトゥジュール　田辺裕信

調教状態

先週よりは気難しさを出す感じに。動き自体は力強いのだが、大きな進境とまでは言い難いかも。

シュリ　津村明秀

調教状態

自分でハミを取って力感に溢れるフォームで登坂。７歳でも馬体は若々しい。いつも通り調教の気配は上々。

ショウナンマグマ　Ｍ．デムーロ

調教状態

ムキになる感じで道中から飛ばし気味。自然と時計も速くなり、集中力も切れなかった。好気配を保つ。

ジャスティンカフェ　福永祐一

調教状態

折り合いを確かめるように相手の真うしろを進む。結局馬なりで先着。とにかく馬体充実し、操作性もアップしている。時計も悪くはない。非常にいい状態。

厩舎コメント

(順調)安田翔師――ここまで雪の影響を受けず、思い通りのトレーニングを課してこられました。いい体つきをしていますよ。あとはレースで折り合って、直線まで上手に走れれば。

タイムトゥヘヴン　大野拓弥

調教状態

しっかりハミを取ってバランスのいいフットワーク。動きも滑らかで、馬体の張りもいい。気配は上向きか。

ナミュール　横山武史

調教状態

中間は遅い時計でも併せ馬で追い切られ、闘志を喚起。今週は適度な行きっぷりが折り合いがつき、この馬らしい俊敏な走りで駆け抜けた。馬体も成長し、好気配。

厩舎コメント

(東京合いそう)高野師――ＧＩで力を見せてきた馬ですから、目一杯というより、整えておけばいいという意識で進めてきました。いい仕上がりですよ。東京は合いそう。期待しています。

ピースワンパラディ　菅原明良

調教状態

追走して少し促す場面はあったが、最後は楽だった。四肢の動きは素軽く、馬体も目立つ。体調はいい。

ピンハイ　坂井瑠星

調教状態

遅い時計ばかりだが、この調整で仕上がる馬。馬体をふっくら見せ、成長を感じさせる。手先が軽く、息遣いもいい。ピッチの利いた走りから、距離短縮もプラスに。

厩舎コメント

(レースしやすい)杉浦助手――前回は厳しい条件が重なりましたね。ただ、いい経験はできたと思うので、今後に生きるはずです。その点、今回は直線の長い東京ですし、条件もワンターンに替わってレースはしやすいはずです。今後につながるいい走りを期待。

ファルコニア　吉田隼人

調教状態

前走と同様ゴールが近づくにつれ頭が上がり、舌も出していた。気配はパッとしないが、仕上がりは及第点。

プリンスリターン　横山和生

調教状態

体を小さく見せるし、時計もアクションも地味。馬場の荒れた時間帯に追われたにしても、やはり長欠明け。

プレサージュリフト　Ｃ．ルメール

調教状態

少し促すと内外の２頭を圧倒するほどの勢い。体を大きく使って、推進力も文句なし。気配は文句なし。

厩舎コメント

(好調持続)太田助手――上積みこそありませんが、冬場が合っていて引き続きいい状態をキープしています。実績のある東京に替わる点はプラスですし、ポジションを取りにいった前走の競馬が今回につながれば。

マテンロウオリオン　横山典弘

調教状態

先週は自己ベストをマークしているが、少しモタモタ。ただ、今週は折り合いがスムーズでラストは11秒３。とにかくよく伸びた。今回は復活傾向か。

厩舎コメント

(力出せば)昆師――前走はゲート内で顔をぶつけて外傷もあり、脳震盪のような感じになっていたかも。いつもなら、仕掛けるとすぐに反応する馬が、まったく反応がなかったようだからね。前走は度外視。中間は落ち着いていい雰囲気。前走の影響がどう出るかだが、まともに力を出してくれればチャンスはあると思う。

2023年東京新聞杯予想

スローペース見込みだが、前半600メートル36秒以下なら脚質不問の瞬発力勝負に、36秒以上と遅くなれば先行馬の前残りがあり得る。東京新聞杯は前者のケースが多く、一流マイラーの瞬発力比べになりやすい。

管理人の予想印

◎ ナミュール
○ プレサージュリフト
▲ ジャスティンカフェ
◇ インダストリア
△１ ウインカーネリアン
△２ エアロロノア
△３ ピンハイ
△４ マテンロウオリオン

◎ナミュール

３歳牝馬三冠はポテンシャルの勝負で、距離適性は度外視されてしまう。明け４歳になれば、本来の距離適性に合ったレースを目指すものだ。芝1600メートル３勝の戦績が示す通り、本質はマイラーに近い。

○プレサージュリフト

ナミュールと同じタイプで互角の評価。クイーンＣ優勝時はまだ体も緩く、完成途上だったが、今季は大幅に馬体良化。前走は結果論だが、脚がたまらず仕掛けが早かった。

▲ジャスティンカフェ

毎日王冠２着。誰しもが勝ったと思ったレースで、トンビに油揚げを攫われるとは、まさにこのこと。勝ったサリオスが強かった。マイルＣＳは力負けではなく、Ｇ３のここは本命候補。

◇インダストリア

ＮＨＫマイルＣでセリフォスとクビ差で、Ｇ３は優に通用する。前走は着差以上に楽で強かった。ウインカーネリアンは58キロが鍵、一方でエアロロノアの57キロは有利。

買い目

単勝/複勝

15

馬連

軸15、16
相手２、３、４、５、６、14、15、16