2023年京王杯スプリングカップ過去データと予想分析

第68回　京王杯スプリングカップ（Ｇ２）

2023年5月13日（土）東京競馬場　芝1400ｍ

安田記念の前哨戦、京王杯ＳＣ。１着馬には安田記念の優先出走権が与えられる。距離が1400ｍのためマイラーとスプリンターの双方が参戦し、安田記念の叩き台としてレースに臨む馬、高松宮記念で全力を出した後の馬などがいるため、波乱の結果になることが多い。過去10年では、17年の９着馬サトノアラジンが安田記念を優勝している。昨年はメイケイエールが１番人気に応えて勝利した。今年はどんなレースになるだろうか。過去のデータからレースの傾向を探る。

京王杯スプリングカップ過去10年間配当金

京王杯スプリングカップ過去10年間結果

京王杯スプリングカップ過去10年間結果前走レース

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種牡馬別過去データ

単勝オッズ４倍台が強いが、それ以下は不振

平均配当は馬連が5195円、３連単は７万2181円。１番人気【4.0.0.6】で勝つか馬券圏外の両極端。２番人気【2.3.3.2】は複勝率が80％と好調。１～３番人気のいずれかは馬券に絡んでいる。

単勝オッズ別の成績は、3.9倍以下【2.0.0.5】は馬券圏外に敗れるケースが目立つ。単勝オッズの低い人気馬は、むしろ買わないほうがいい。４倍台【4.3.3.2】は複勝率83.3％と高い。４倍を切っているかどうかで判断するのも面白い。

人気薄の高齢馬が狙い目

年齢別では４歳【4.0.5.33】と５歳【3.4.3.39】が複勝率20％強で安定している。７歳以上の高齢馬【2.3.0.22】は連対率が18.5％で最も高い。馬券に絡んだ５頭の人気は５、10、５、７、11なので穴で狙いたい。牝馬は【1.2.0.20】と良くないが、昨年はワンツーを決めている。

前走高松宮記念で、今回２～５番人気だと好走確率が高い

ステップレースは高松宮記念、東京新聞杯、ダービー卿ＣＴが中心だ。高松宮記念組【6.2.2.19】は、このレースで１番人気に支持されると【2.0.0.4】イマイチで、２～５番人気【3.1.2.3】は複勝率66.6％と好調。東京新聞杯組【1.3.1.1】は複勝率が83.3％と好調。出走してきたら注目したい。

距離短縮組が好成績

前走の距離別成績では、1600ｍ【4.6.7.56】を使っていた馬が中心で、複勝率23.3％で好走確率もまずまず高い。1200ｍ【6.2.2.41】の距離延長組は複勝率19.6％とあまり成績が良くない。同距離の1400ｍ【0.2.1.24】は未勝利と今ひとつ。

栗東坂路組でラスト１ハロンの遅い馬

追い切りのコース別成績を調べたところ、栗東坂路組【2.7.5.48】が好走馬を多く出しており、複勝率22.6%とまずまずだった。栗東ＣＷ組【3.0.0.20】や美浦南坂路組【1.0.0.10】は成績がよくなかった。

もっとも馬券に多く絡んでいた栗東坂路組のラスト１ハロンのタイム別成績は、12秒５以下【1.3.2.30】だと複勝率16.7％と今ひとつで、12秒６以上【1.4.3.18】は複勝率30.8％と好成績だった。栗東坂路でラスト１ハロンの遅い馬が狙い目といえる。

【追い切りコース別の成績（過去10年）】

場所 コース 成績 勝率 連対率 複勝率
栗東 坂路 2-7-5-48 3.2% 14.5% 22.6%
ＣＷ 3-0-0-20 13.0% 13.0% 13.0%
美浦 南坂路 1-0-0-10 9.1% 9.1% 9.1%
南Ｗ 2-3-4-42 3.9% 9.8% 17.6%
芝 2-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
その他 0-0-1-3 0.0% 0.0% 25.0%

【栗東坂路組のラスト１ハロンのタイム別の成績（過去10年）】

タイム 成績 勝率 連対率 複勝率
～12秒5 1-3-2-30 2.8% 11.1% 16.7%
12秒6～ 1-4-3-18 3.8% 19.2% 30.8%

2023年京王杯スプリングＣ（Ｇ２）調教状態＆コメント

アヴェラーレ　Ｃ．ルメール

調教状態

１週前が抜群の伸びを見せて好時計。これでガス抜きが完了。直前は切れのある動きを見せた。気配は良好。

厩舎コメント

(体質強化)太田助手――体質が強くなって中間はより一層ハードな調教を課していますし、馬もへこたれることなくきています。ポテンシャル的にはこのステージにいる馬で、久々の1400ｍでも走れると思います。

ウインマーベル　松山弘平

調教状態

ゴール前で仕掛けた程度で同入。１週前より随分と反応が良化。動きもしっかりとしている。態勢は整った。

厩舎コメント

(1400ｍの方が)深山師――前走は馬場が悪過ぎたし、スタートも悪かった。特に近走のゲートの感じから、今なら1400ｍの方が流れに乗れると思う。調教は動かないタイプ。力差はないので。

カルリーノ　田辺裕信

調教状態

やれば動く馬で前走時と同様に今回も終いは切れた。四肢がよく伸びており、フットワークもいい。好気配。

グラスミヤラビ　柴田善臣

調教状態

攻めを緩めた時期があるが、直前は好時計で先着。脚捌きもスムーズ。太め感も見られず、力は出せる態勢。

ゾンニッヒ　Ｄ．レーン

調教状態

今回は左へ流れる面も見せず、集中してしっかり伸びた。馬体も大きく見せて、引き続きいい雰囲気。

厩舎コメント

(1400ｍでも)兼武助手――初めての重賞で枠も大外。小出しに脚を使わされながら頑張ってくれたと思います。この中間も好調を維持できていますし、1400ｍでもうまく脚を温存できれば。

タイムトゥヘヴン　大野拓弥

調教状態

先頭に立つと少しフワッとしたが、こういう気性。力強いフットワークは目を引いた。最近攻めは常にいい。

ダディーズビビッド　浜中俊

調教状態

馬場の荒れた時間帯で外を回って単走。しかし、実に軽快に動いていた。ただ、東京1400ｍは長いかも。

ダノンスコーピオン　川田将雅

調教状態

乗り込まれて仕上がり良好。動きも俊敏。ただ、中間は右に行こうとする面が目立つのが気になる。

厩舎コメント

(いい形で)安田助手――普段からリラックスしていることが何より。坂路では右に張るところがありますが、弾みがあって具合はいいですよ。それに左回りの方がバランス良く走れそう。いい形で始動できればと思います。

トゥラヴェスーラ　丹内祐次

調教状態

８歳とは思えぬほど元気一杯で、切れのある動きからも衰えは感じない。馬体も太め感なく仕上がっている。

厩舎コメント

(左回り得意)西岡助手――いつも通りの調整パターンで状態はいいですよ。高松宮記念は見せ場十分の３着。やはり左回りが得意です。このレースも２年前に惜しい２着ですからね。雨が降って馬場が渋れば尚いいでしょう。

ピクシーナイト　戸崎圭太

調教状態

３頭併せの外。反応はそう悪くはないし、終いは11秒１。ただ、胴体を丸く見せている。輸送で絞れるなら。

厩舎コメント

(上積み十分)田中助手――前走は長期休養明け、しかも、道悪と厳しい競馬に。まずは無事にレースを終えることができて良かったです。放牧を挟みましたが、順調にこられましたし、息遣いが良くなって、前回を使った上積みは十分です。もともと攻め駆けするとはいえ、稽古もよく動いています。変わり身を期待したいですね。

ベレヌス　西村淳也

調教状態

力むくらいの行きっぷりで登坂。しばらく結果が出ていないが、体の張りが良く、フットワークも力強い。

ホープフルサイン　北村宏司

調教状態

重心が高く、歩様も硬め。ただ、この馬はいつもこんな感じ。活気は感じられるし、状態は悪くなさそう。

ミッキーブリランテ　菅原明良

調教状態

時計も地味だし、伸びも案外。良化ムードはない。

ラウダシオン　岩田康誠

調教状態

微妙に右にモタれるような感じで、１ハロン11秒８の印象ほどは切れなかった。このひと追いでどこまで。

レイモンドバローズ　横山武史

調教状態

若干遅れはしたが、いい時の張りやフォームが戻っている。太く見せるのは体形。今回は走りそう。

レッドモンレーヴ　横山和生

調教状態

前に馬を置き、折り合い重視の稽古。我慢は利いていた。好馬体でダイナミックな動きは目立つ。気配抜群。

厩舎コメント

(能力は上位)津曲助手――前走は駐立が悪くてスタートのタイミングが合わなかったんです。この中間はそこを確認しながら調整しましたし、本来は出脚がいい馬ですからね。今回は1400ｍなので、速い馬を行かせてそれらの後ろで運べればと思います。

ロードマックス　団野大成

調教状態

いつもの姿でいつもの動き。少しレース間は開いたが、アウトラインはできている。この馬なりの仕上がり。

ヴィクティファルス　石川裕紀人

調教状態

先週一杯に追った効果で今週は躍動感アップ。調教快走型で過信は禁物だが、雰囲気は決して悪くない。

2023年京王杯スプリングＣ予想

過去10年で高松宮記念組が６勝だが、高松宮記念の延長線上という感じはしない。また、近年では安田記念の前哨戦のイメージもない。とは言え、阪神Ｃのように芝1400メートルのスペシャリストが勝つことも少なく、位置付けが難しい重賞と言える。別定戦なので、基本的には実績重視で考えていいだろう。

管理人の予想印

◎ ダノンスコーピオン
○ レッドモンレーヴ
▲ ピクシーナイト
◇ ウインマーベル
△１ ゾンニッヒ
△２ アヴェラーレ
△３ トゥラヴェスーラ

買い目

◎ダノンスコーピオン

昨年のＮＨＫマイルＣはタイム的にも優秀で、東京でのパフォーマンスと記録を支持したい。前２走は案外だったが、体調の問題もあったと思われ、改めてマイルＧⅠ馬の地力を見直す。

○レッドモンレーヴ

前走はゲートがすべて。ペースが落ち着いて、成す術がなかったが、ダービー卿史上屈指の上がり600メートルをマーク。そうでなくとも、再三、上がり600メートル33秒台前半を記録している瞬発力は、ここでは最右翼と言ってもいい。

▲ピクシーナイト

３歳時にスプリンターズＳを完勝。香港でのアクシデントがなければ、今のスプリント界を担っていた逸材で、長休明け２戦目の今回は結果の言い訳はできない。復活劇を期待したい。

◇ウインマーベル

昨年のスプリンターズＳ２着馬だが、今年はスタートが遅くて流れに乗っていけない。今なら1400メートルの方がレースがしやすいかもしれない。地味だが地力はある。

単勝/複勝

１

馬連

軸１、12
相手１、４、８、９、10、12、16