2023年NHKマイルカップ過去データと予想分析

第28回 ＮＨＫマイルＣ（Ｇ１）

2023年5月7日（日）　東京競馬場　芝1600ｍ

３歳マイル王決定戦・ＮＨＫマイルＣ。1996年の創設以来、数多くの名馬を輩出している一戦だ。優勝馬にはエルコンドルパサーやクロフネ、キングカメハメハと現役時代にＧ１タイトルを獲得し、現役引退後は種牡馬としても活躍馬を多数送り出した名馬が見られる。近年では2014年の優勝馬・ミッキーアイルが後にマイルＣＳを制し、2019年のアドマイヤマーズは同年の香港マイルで海外Ｇ１制覇を飾っている。また、ここでは敗戦を喫した馬からも、ジャスタウェイ（12年６着）やレインボーライン（16年３着）、グランアレグリア（19年５着降着）、ソングライン（21年２着）など、さまざまな路線での活躍馬が出現している。今年はどの馬がまず３歳マイル王の座に就くのか、過去の傾向を見てみよう。

３～５番人気の不振が際立つ

NHKマイルカップ過去10年間配当金

NHKマイルカップ過去10年間結果

NHKマイルカップ過去10年間結果前走レース

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人気別過去データ

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前走レース名別過去データ

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前走着順別過去データ

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前走コース別過去データ

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単勝オッズ別過去データ

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騎手別過去データ

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脚質別過去データ

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年齢別過去データ

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馬体重過去データ

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ハンデ別過去データ

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種牡馬別過去データ

過去10年、１～２番人気は計【5.3.2.10】でまずまずの成績。しかし３～５番人気は計【2.2.0.26】複勝率13.3％。昨年こそ１、２着を占めたものの、過去10年全体としては人気ほどの活躍が見せられていない印象だ。その分、６番人気以下からの好走馬も多く、２桁人気馬も10年で７頭が馬券に絡んでいる。昨年は３着に18番人気カワキタレブリーが激走して３連単153万馬券。全体を通しても、昨年ほど極端な例は少ないにせよなかなか荒れており、波乱前提で穴馬を多く拾っていきたいレースだ。

馬番５～12番あたりが軸に

馬番別の成績では、内の１～４番は３着以内馬１～２頭ずつで計【1.3.1.35】複勝率12.5％とひと息。これが中よりの５番～12番になると、多くの馬番で２頭以上の好走馬を出して、合計では【5.4.5.56】複勝率20.0％になる。ここより外の13～16番は【2.1.0.37】同7.5％と内枠よりもさらに苦しいが、大外17～18番は【2.2.2.14】同30.0％の好成績になる。中の５～12番、外の17～18番あたりが狙いだ。

【馬番別成績（過去10年）】

馬番 成績 勝率 連対率 複勝率
1～4 1-3-1-35 2.5% 10.0% 12.5%
5～12 5-4-5-56 7.1% 12.9% 20.0%
13～16 2-1-0-37 5.0% 7.5% 7.5%
17～18 2-2-2-14 10.0% 20.0% 30.0%

前走Ｇ１組なら今回上位人気馬か前走大敗馬

前走クラス別の成績では、Ｇ１に出走していた馬が【4.3.1.24】複勝率25.0％で他をややリードしている。好走した８頭はいずれも桜花賞か皐月賞に出走していた。 　この８頭のうち６頭はＮＨＫマイルＣ３番人気以内。この前走Ｇ１かつ今回３番人気以内に該当する馬は【4.2.0.4】連対率60.0％を記録している。このレース全体の１～３番人気の連対率は33.3％のため、前走Ｇ１組の人気馬はその他の人気馬より信頼性はかなり高いことがわかる。残る２頭、キングズオブザサンとソングラインは皐月賞や桜花賞で15着に大敗しており、こういったタイプの穴馬にも注意したい。

【前走Ｇ１からの好走馬（過去10年）】

年 馬名 人気 着順 前走 前走人気 前走着順
2014 キングズオブザサン 12 3 皐月賞 11 15
2015 クラリティスカイ 3 1 皐月賞 10 5
2016 メジャーエンブレム 1 1 桜花賞 1 4
ロードクエスト 2 2 皐月賞 5 8
2017 アエロリット 2 1 桜花賞 6 5
2019 アドマイヤマーズ 2 1 皐月賞 2 4
2020 レシステンシア 1 2 桜花賞 1 2
2021 ソングライン 7 2 桜花賞 7 15

Ｇ１組以外なら前走２～４着馬

前走Ｇ２以下からの好走馬は数が多いため、表には2018年以降の５年分を掲載した。この５年間、この組の好走馬の前走着順は２～４着だった馬がかなり多い。以前は前走１着か５着以下の馬しか好走していなかったこともあったのだが、近年は傾向に変化が出た。全体としては前走を勝っていない分さほど人気にはならなかった馬も多く、配当妙味がありそうなグループだ。

【前走Ｇ２以下からの好走馬（過去５年）】

年 馬名 人気 着順 前走 前走人気 前走着順
2018 ケイアイノーテック 6 1 ニュージーランドT 1 2
ギベオン 2 2 毎日杯 2 2
レッドヴェイロン 9 3 アーリントンC 4 3
2019 ケイデンスコール 14 2 毎日杯 7 4
カテドラル 7 3 アーリントンC 7 2
2020 ラウダシオン 9 1 ファルコンS 1 2
ギルデッドミラー 6 3 アーリントンC 4 2
2021 シュネルマイスター 2 1 弥生賞 2 2
グレナディアガーズ 1 3 ファルコンS 1 2
2022 ダノンスコーピオン 4 1 アーリントンC 1 1
マテンロウオリオン 3 2 ニュージーランドT 1 2
カワキタレブリー 18 3 アーリントンC 12 11

坂路追いで目立たなかった馬に注目か

好走馬の追い切りは坂路組が中心になる。過去10年の出走馬の追い切りを分析すると、栗東坂路が【5.4.7.56】複勝率22.2％、美浦南坂路が【2.1.0.13】同18.8％。合わせて【7.5.7.73】と、３着以内馬の３分の２近くを占めている。 　まず栗東坂路組の好走を見ると800ｍの時計を要した馬が多いことがわかる。800ｍ53秒５以下だった馬は【1.0.1.24】だったのに対し、53秒６以上を要すると【4.4.6.32】だ。一方の美浦の坂路組は、好走した３頭すべての脚色が「馬ナリ」だった。

【坂路コースで追い切った好走馬（過去10年）】

コース 年 馬名 人気 着順 調教馬場 追い切り時計 脚色 併せ
美南坂 13 マイネルホウオウ 10 1 良 １回 51.7-37.3-24.0-12.0 馬ナリ 同入
インパルスヒーロー 6 2 良 １回 51.1-37.4-24.7-12.4 馬ナリ 同入
17 アエロリット 2 1 良 １回 53.5-38.8-25.0-12.1 馬ナリ
栗東坂 14 ミッキーアイル 1 1 稍 １回 50.6-37.8-25.4-13.0 一杯
タガノブルグ 17 2 良 １回 54.3-39.6-25.7-13.1 馬ナリ
15 クラリティスカイ 3 1 良 １回 53.6-38.9-25.6-13.1 強目 先着
16 レインボーライン 12 3 良 １回 55.6-40.5-26.2-13.2 馬ナリ
17 ボンセルヴィーソ 6 3 良 １回 55.4-40.6-26.5-13.0 馬ナリ
18 ケイアイノーテック 6 1 良 １回 53.9-39.3-25.1-12.2 一杯 先着
レッドヴェイロン 9 3 良 １回 53.9-39.7-25.7-12.7 一杯 遅れ
19 アドマイヤマーズ 2 1 不 １回 56.6-41.3-26.8-12.9 馬ナリ
ケイデンスコール 14 2 重 １回 55.3-39.8-25.2-12.5 一杯
カテドラル 7 3 重 １回 57.2-40.6-26.3-12.5 馬ナリ
20 レシステンシア 1 2 良 １回 56.5-40.5-27.0-13.7 馬ナリ
ギルデッドミラー 6 3 良 １回 53.3-38.7-24.8-12.1 馬ナリ
21 グレナディアガーズ 1 3 良 １回 54.9-39.3-25.3-12.2 馬ナリ 同入
22 ダノンスコーピオン 4 1 良 １回 54.2-39.6-25.6-12.5 馬ナリ
マテンロウオリオン 3 2 良 １回 53.9-40.1-26.8-13.6 馬ナリ
カワキタレブリー 18 3 良 １回 54.8-40.3-26.4-13.2 馬ナリ 先着

2023年ＮＨＫマイルＣ（Ｇ１）調教状態＆コメント

ウンブライル　横山武史

調教状態

先週も今週もセーブ気味だが、今週は３頭併せの真ん中でしっかりプレッシャーをかける追い切り。ゴール前は素晴らしい集中力でバランスもいい。不安なし。

厩舎コメント

(能力高い)太田助手――まだ嫌々していましたが、ブリンカーの効果も多少はあって、能力を再確認できました。その後は短期放牧を挟みましたが、前走時よりいい雰囲気ですし、直前の追い切りでは最後までファイトしていて非常に良かったです。上位争いできるポテンシャルは持っているので、強い気持ちで走れれば。

エエヤン　戸崎圭太

調教状態

１週前をセーブして、今週は直線でしっかり伸ばしてくる追い切り。時計も優秀だが、それ以上に全身をしならせたフットワークが際立った。更に体調は上向きか。

厩舎コメント

(態勢は整う)伊藤大師――今週は単走で予定通り。負荷をかけ過ぎないように調整し、出走態勢を整えました。競馬を覚えながら一戦一戦強さを身につけて前走はニュージーランドＴを完勝。ＧⅠのここも楽しみです。

オールパルフェ　大野拓弥

調教状態

先週も良かったが、今週は馬体が締まってきた感じで切れが出てきた。ゴール前はハミを取って圧巻の勢い。十分に乗り込まれて、万全の態勢だろう。

オオバンブルマイ　武豊

調教状態

相変わらず抜群の行きっぷり。これは前走時も同様でレースでは問題ないだろう。ＧＯサインを出せばしっかり伸びて先着。細身の馬体でもキビキビ動いて好気配。

厩舎コメント

(楽しみ)吉村師――前走は雨馬場、それに1600ｍで結果を出して収穫がありました。小柄ですが、普段から食いが旺盛なタイプ。使ったあとも順調にこられましたよ。期待しています。

カルロヴェローチェ　Ｄ．レーン

調教状態

先週はまったく伸びなかったが、今週は馬場の荒れた時間帯で、ラスト10秒台で先着。相当な切れを見せた。実戦で掛かるので前の馬の真後ろにつけていた。毛ヅヤは冴えて、今回も距離延長で折り合いがポイントになる。

厩舎コメント

(整った)須貝尚師――先週は雨降りの荒れたチップを気にした分、突っ張って遅れたけど、今週は終いを伸ばしてしっかりと動けたよ。前走はマイルのここを見据えて、我慢するレースをしたから、今回に生きてくれば。

クルゼイロドスル　Ｍ．デムーロ

調教状態

（栄進牧場久世育成センターから３月22日に帰厩）１週前にＣＷで好時計。今週は坂路で動き軽快。角馬場では落ち着いて歩けていた。久々でも力を出せる仕上がり。

厩舎コメント

(成長して)高橋忠師――成長を促すために前走後は放牧に出しました。ぶっつけになりますが、思惑通りに成長して、ここまで調整もしっかりできましたからね。デビュー時から素質を感じていましたし、距離もこなせると思って、マイルに使ってきました。ＧⅠレースですが、どんな競馬もできるのが強みだと思っています。

シャンパンカラー　内田博幸

調教状態

内めを通って大トビでゆったりとした走りだったので、スピードは感じなかったが、それでこの時計が出るから驚いた。いい汗をかいて今のデキの良さが窺える。

ショーモン　鮫島克駿

調教状態

持ったままで手応えは抜群。途中で一瞬、気を抜く場面があったが、集中し直してからの伸びは上々。馬体の張りも良く、好調をキープしている。

シングザットソング　吉田隼人

調教状態

今年４戦目で上積みは少ないが、小柄な馬だけに順調に乗れているのはプラス。精神面の課題はまだあるが、以前に比べればマシに。走りにもやはり能力は感じる。

セッション　団野大成

調教状態

黒光りする毛ヅヤと馬体の良さが目につく。動きは非常にスムーズ。終いはスッと反応して抜群の伸びで先着した。間隔が詰まるが、使う毎に良化していて疲れは感じさせない。寸詰まりの体形でマイルは合っている。

タマモブラックタイ　幸英明

調教状態

500キロオーバーとは思えないスレンダーなボディでピカピカの肌艶。逆手前のシーンもあったが、重心の低いフォームでなかなか推進力のある走り。

ダノンタッチダウン　川田将雅

調教状態

大型でゴツゴツした見た目でも重苦しさは感じさせない。中２週になるので馬なり調整だが、２週続けて力強さは満点。前走のダメージはなく、上積み十分。

厩舎コメント

(天気が鍵)安田助手――まだ緩さがあるうえベタ爪ですから、皐月賞では道悪が応えました。今回のマイルへ向かうにあたって、使ったことで気合乗りは良くなりましたよ。あとは当日の天気が鍵でしょう。稍重までなら。

ドルチェモア　三浦皇成

調教状態

１週前のＣＷでは好時計こそ出たが、動きに物足りなさを感じた。今週もスイッチが入るまでにやや時間を要する感じで、好調時に比べると若干、見劣る。

厩舎コメント

(叩いて上向く)須貝尚師――先週にコースでしっかりとやって、今週はテンションと輸送を考慮した調整。いいフォームで雰囲気は良かったよ。前哨戦を使ったことで型通りに上向いてきた。東京1600ｍはサウジアラビアＲＣで強いレースをした舞台。改めて。

ナヴォーナ　田辺裕信

調教状態

３頭併せの中でしっかり先着。心配されるコズミもないし、切れこそないが、まっすぐ伸びていた。品のある良血馬で、ここ目標に馬体も締めてきている。

フロムダスク　横山和生

調教状態

（チャンピオンヒルズから３月29日に帰厩）乗り込みは入念。１週前にビシッとやって好時計。もともと稽古は動くタイプだが、今週も前向きさがあって、終いまで伸びは上々。久々でもデキは良さそう。

ミシシッピテソーロ　柴田大知

調教状態

道中はしっかり我慢が利いて、直線に向くと素晴らしい切れ味を披露。気合も乗り、雰囲気は申し分なし。

モリアーナ　横山典弘

調教状態

内めだけに時計はこんなものだが、回転が非常に速くて数字以上の切れ味。馬体の張りは明らかに前走以上。あらゆる面で上積みがありそうだ。

厩舎コメント

(最適条件で)武藤師――前走は中山のマイル戦の外枠で終始外を回るロスが響いたもの。稽古は動く馬とはいえ、中間の動きも抜群にいい。ベスト条件の東京のマイル戦ならＧⅠでも期待を持てると思います。

ユリーシャ　松山弘平

調教状態

間隔が詰まるので終い重点。最後まで集中して軽快なフットワーク。大敗後でも活気十分で好気配キープ。

ステップレース１　ニュージーランドＴ（Ｇ２）

2023年 4月 8日(土) 中山11Ｒ ニュージーランドＴ 16頭 芝 1600m

着順 馬番 馬名 性齢 負担重量 騎手名 タイム 着差 単勝人気 1 5 エエヤン 牡3 56 M.デムーロ 01:33.7 2 2 15 ウンブライル 牝3 54 C.ルメール 01:33.9 1 1/4 5 3 6 シャンパンカラー 牡3 56 内田 博幸 01:34.0 クビ 7 4 14 モリアーナ 牝3 54 武藤 雅 01:34.0 アタマ 3 5 11 ミシシッピテソーロ 牝3 54 柴田 大知 01:34.2 1 1/4 14

レース回顧

朝日杯２歳Ｓの覇者ドルチェモアが掛かり気味に逃げる展開。1000ｍ通過は57秒７。好位追走のエエヤンが直線で力強く伸びて快勝した。追い込んだウンブライルがゴール手前で２着に浮上。逃げたドルチェモアは早めに来られる厳しい展開が響いたのか７着に敗れた。

ステップレース２　アーリントンＣ（Ｇ３）

2023年 4月 15日(土) 阪神11Ｒ アーリントンＣ 18頭 芝 1600m

着順 馬番 馬名 性齢 負担重量 騎手名 タイム 着差 単勝人気 1 6 オオバンブルマイ 牡3 56 武 豊 01:33.9 5 2 4 セッション 牡3 56 団野 大成 01:33.9 アタマ 4 3 1 ショーモン 牡3 56 鮫島 克駿 01:34.0 クビ 2 4 3 シルヴァーデューク 牡3 56 池添 謙一 01:34.1 3/4 12 4 7 トーホウガレオン 牡3 56 岩田 康誠 01:34.1 同着 10

レース回顧

ユリーシャがハナを奪い、1000ｍ通過57秒７のハイペースで飛ばす。残り200ｍでセッションが先頭に立つ。そこにショーモン、シルヴァーデュークが襲い掛かるところ、ゴール直前で追い込んだオオバンブルマイが一気に差し切った。アタマ差の２着だったセッションは、なかなか強い競馬だった。

ステップレース３　ファルコンＳ（Ｇ３）

2023年 3月 18日(土) 中京11Ｒ ファルコンＳ 14頭 芝 1400m

着順 馬番 馬名 性齢 負担重量 騎手名 タイム 着差 単勝人気 1 6 タマモブラックタイ 牡3 56 幸 英明 01:22.6 8 2 2 カルロヴェローチェ 牡3 56 武 豊 01:22.6 ハナ 1 3 4 サウザンサニー 牡3 56 松若 風馬 01:23.1 3 14 4 10 ミルトクレイモー 牡3 56 鮫島 克駿 01:23.2 1/2 7 5 9 アームズレイン 牡3 56 北村 友一 01:23.2 ハナ 12

レース回顧

ウメムスビとアームズレインが主導権を争う展開。残り200ｍで最内にもぐりこんだタマモブラックタイが抜け出す。好位追走のカルロヴェローチェが伸びてくる。ほぼ同時にゴールしたが、ハナ差でタマモブラックタイがしのぎ切った。３馬身差の３着は未勝利のダートを勝ったばかりのサウザンサニー。

2023年ＮＨＫマイルＣ（Ｇ１）調教状態＆コメント

ウンブライル　横山武史

調教状態

先週も今週もセーブ気味だが、今週は３頭併せの真ん中でしっかりプレッシャーをかける追い切り。ゴール前は素晴らしい集中力でバランスもいい。不安なし。

厩舎コメント

(能力高い)太田助手――まだ嫌々していましたが、ブリンカーの効果も多少はあって、能力を再確認できました。その後は短期放牧を挟みましたが、前走時よりいい雰囲気ですし、直前の追い切りでは最後までファイトしていて非常に良かったです。上位争いできるポテンシャルは持っているので、強い気持ちで走れれば。

エエヤン　戸崎圭太

調教状態

１週前をセーブして、今週は直線でしっかり伸ばしてくる追い切り。時計も優秀だが、それ以上に全身をしならせたフットワークが際立った。更に体調は上向きか。

厩舎コメント

(態勢は整う)伊藤大師――今週は単走で予定通り。負荷をかけ過ぎないように調整し、出走態勢を整えました。競馬を覚えながら一戦一戦強さを身につけて前走はニュージーランドＴを完勝。ＧⅠのここも楽しみです。

オールパルフェ　大野拓弥

調教状態

先週も良かったが、今週は馬体が締まってきた感じで切れが出てきた。ゴール前はハミを取って圧巻の勢い。十分に乗り込まれて、万全の態勢だろう。

オオバンブルマイ　武豊

調教状態

相変わらず抜群の行きっぷり。これは前走時も同様でレースでは問題ないだろう。ＧＯサインを出せばしっかり伸びて先着。細身の馬体でもキビキビ動いて好気配。

厩舎コメント

(楽しみ)吉村師――前走は雨馬場、それに1600メートルで結果を出して収穫がありました。小柄ですが、普段から食いが旺盛なタイプ。使ったあとも順調にこられましたよ。期待しています。

カルロヴェローチェ　Ｄ．レーン

調教状態

先週はまったく伸びなかったが、今週は馬場の荒れた時間帯で、ラスト10秒台で先着。相当な切れを見せた。実戦で掛かるので前の馬の真後ろにつけていた。毛ヅヤは冴えて、今回も距離延長で折り合いがポイントになる。

厩舎コメント

(整った)須貝尚師――先週は雨降りの荒れたチップを気にした分、突っ張って遅れたけど、今週は終いを伸ばしてしっかりと動けたよ。前走はマイルのここを見据えて、我慢するレースをしたから、今回に生きてくれば。

クルゼイロドスル　Ｍ．デムーロ

調教状態

（栄進牧場久世育成センターから３月22日に帰厩）１週前にＣＷで好時計。今週は坂路で動き軽快。角馬場では落ち着いて歩けていた。久々でも力を出せる仕上がり。

厩舎コメント

(成長して)高橋忠師――成長を促すために前走後は放牧に出しました。ぶっつけになりますが、思惑通りに成長して、ここまで調整もしっかりできましたからね。デビュー時から素質を感じていましたし、距離もこなせると思って、マイルに使ってきました。ＧⅠレースですが、どんな競馬もできるのが強みだと思っています。

シャンパンカラー　内田博幸

調教状態

内めを通って大トビでゆったりとした走りだったので、スピードは感じなかったが、それでこの時計が出るから驚いた。いい汗をかいて今のデキの良さが窺える。

ショーモン　鮫島克駿

調教状態

持ったままで手応えは抜群。途中で一瞬、気を抜く場面があったが、集中し直してからの伸びは上々。馬体の張りも良く、好調をキープしている。

シングザットソング　吉田隼人

調教状態

今年４戦目で上積みは少ないが、小柄な馬だけに順調に乗れているのはプラス。精神面の課題はまだあるが、以前に比べればマシに。走りにもやはり能力は感じる。

セッション　団野大成

調教状態

黒光りする毛ヅヤと馬体の良さが目につく。動きは非常にスムーズ。終いはスッと反応して抜群の伸びで先着した。間隔が詰まるが、使う毎に良化していて疲れは感じさせない。寸詰まりの体形でマイルは合っている。

タマモブラックタイ　幸英明

調教状態

500キロオーバーとは思えないスレンダーなボディでピカピカの肌艶。逆手前のシーンもあったが、重心の低いフォームでなかなか推進力のある走り。

ダノンタッチダウン　川田将雅

調教状態

大型でゴツゴツした見た目でも重苦しさは感じさせない。中２週になるので馬なり調整だが、２週続けて力強さは満点。前走のダメージはなく、上積み十分。

厩舎コメント

(天気が鍵)安田助手――まだ緩さがあるうえベタ爪ですから、皐月賞では道悪が応えました。今回のマイルへ向かうにあたって、使ったことで気合乗りは良くなりましたよ。あとは当日の天気が鍵でしょう。稍重までなら。

ドルチェモア　三浦皇成

調教状態

１週前のＣＷでは好時計こそ出たが、動きに物足りなさを感じた。今週もスイッチが入るまでにやや時間を要する感じで、好調時に比べると若干、見劣る。

厩舎コメント

(叩いて上向く)須貝尚師――先週にコースでしっかりとやって、今週はテンションと輸送を考慮した調整。いいフォームで雰囲気は良かったよ。前哨戦を使ったことで型通りに上向いてきた。東京1600メートルはサウジアラビアＲＣで強いレースをした舞台。改めて。

ナヴォーナ　田辺裕信

調教状態

３頭併せの中でしっかり先着。心配されるコズミもないし、切れこそないが、まっすぐ伸びていた。品のある良血馬で、ここ目標に馬体も締めてきている。

フロムダスク　横山和生

調教状態

（チャンピオンヒルズから３月29日に帰厩）乗り込みは入念。１週前にビシッとやって好時計。もともと稽古は動くタイプだが、今週も前向きさがあって、終いまで伸びは上々。久々でもデキは良さそう。

ミシシッピテソーロ　柴田大知

調教状態

道中はしっかり我慢が利いて、直線に向くと素晴らしい切れ味を披露。気合も乗り、雰囲気は申し分なし。

モリアーナ　横山典弘

調教状態

内めだけに時計はこんなものだが、回転が非常に速くて数字以上の切れ味。馬体の張りは明らかに前走以上。あらゆる面で上積みがありそうだ。

厩舎コメント

(最適条件で)武藤師――前走は中山のマイル戦の外枠で終始外を回るロスが響いたもの。稽古は動く馬とはいえ、中間の動きも抜群にいい。ベスト条件の東京のマイル戦ならＧⅠでも期待を持てると思います。

ユリーシャ　松山弘平

調教状態

間隔が詰まるので終い重点。最後まで集中して軽快なフットワーク。大敗後でも活気十分で好気配キープ。

2023年ＮＨＫマイルＣ予想

実力伯仲戦。優劣がつけられず、どんな結末になっても驚かない。昨年は18番人気が３着。07年３着のムラマサノヨートーも18番人気で３着。そもそも荒れる要素があるＧⅠで、今年は逃げ馬を特定しづらく、雨の影響も多少は受ける。波乱の余地は十二分にある。一応、実績重視で予想を組立ててみたが……。

◎ドルチェモア

２歳時３戦３勝、芝1600メートルで重賞２勝の実績を評価した。ハイペースを先行して押し切った朝日杯ＦＳは強い内容で、サウジアラビアＲＣのラップ構成から、控えても速い脚を繰り出せるタイプ。不測の事態に対処できそうな（今回は逃げては駄目だが）点で一歩リード。

○エエヤン

ニュージーランドＴは稍重でタイムは地味だが、レースレベルは決して低くなく、そこで正攻法のレースで勝った。1600メートルでも引っ掛かるので、そこに強さと脆さがあるが、ＧⅠの急流はプラスに働くのではないか。

▲ダノンタッチダウン

皐月賞の敗因は体調、距離、馬場など複合的に考える必要があるが、仮に一桁着順なら、優に本命候補になっていたはずだ。いずれにしても参考外で、２歳時の戦績をそっくり見直したい。

◇カルロヴェローチェ

前走は直線インで追い出しを待たされたが、却って脚がたまった可能性があるし、折り合い面では内枠も幸いした。1600メートルの外枠だとレースプランが難しいが、要は折り合いひとつ。

管理人の予想印

◎ ドルチェモア
○ エエヤン
▲ ダノンタッチダウン
◇ カルロヴェローチェ
△１ オオバンブルマイ
△２ ウンブライル
△３ モリアーナ
△４ シャンパンカラー

買い目

単勝/複勝

13

馬連

軸６、13　相手２、３、６、10、11、13、15、18