2023年阪神ジュベナイルフィリーズ過去データと予想分析

第75回 阪神ジュベナイルフィリーズ（Ｇ１）

2023年12月10日（日）　阪神競馬場　芝1600ｍ

２歳女王決定戦・阪神ＪＦ。以前は牡牝混合の阪神３歳Ｓとして行われており、古くはテンポイントなど多くの名馬を輩出。牝馬限定戦になった91年以降も、96年のメジロドーベル、06年のウオッカなど、歴史に名を残す名牝が数多くここでＧ１初制覇を飾っている。近年もソダシ（桜花賞ほか）、リバティアイランド（牝馬三冠）が優勝。２歳女王決定戦であると同時に、翌春以降に向けても注目の欠かせない一戦だ。今年はどの馬が栄冠を手にするのか、過去の傾向を見てみよう。

阪神ジュベナイルフィリーズ過去10年間配当金

阪神ジュベナイルフィリーズ過去10年間結果

阪神ジュベナイルフィリーズ過去10年間結果前走レース

阪神ジュベナイルフィリーズ
人気別過去データ

阪神ジュベナイルフィリーズ
前走レース名別過去データ

阪神ジュベナイルフィリーズ
前走着順別過去データ

阪神ジュベナイルフィリーズ
前走コース別過去データ

阪神ジュベナイルフィリーズ
単勝オッズ別過去データ

阪神ジュベナイルフィリーズ
騎手別過去データ

阪神ジュベナイルフィリーズ
枠番別過去データ

阪神ジュベナイルフィリーズ
前走上り3F別過去データ

阪神ジュベナイルフィリーズ
前走人気別過去データ

阪神ジュベナイルフィリーズ
前走クラス別過去データ

阪神ジュベナイルフィリーズ
前走場所別過去データ

阪神ジュベナイルフィリーズ
前走距離別過去データ

阪神ジュベナイルフィリーズ
脚質別過去データ

阪神ジュベナイルフィリーズ
年齢別過去データ

阪神ジュベナイルフィリーズ
馬体重過去データ

阪神ジュベナイルフィリーズ
ハンデ別過去データ

阪神ジュベナイルフィリーズ
種牡馬別過去データ

ここ２年は波乱の決着

過去10年の優勝馬はすべて５番人気以内から。このうち１番人気は【5.1.0.4】勝率50.0％、複勝率60.0％。一昨年のナミュールのように、勝てなければ馬券圏外の可能性もやや高い成績だ。続く２～５番人気は計【5.5.7.23】勝率12.5％、複勝率42.5％と、３連複の軸なら１番人気以外の上位人気から選ぶほうが妙味はある。

一時は平穏な決着が続いたが、ここ２年は３連単11万馬券、17万馬券と荒れ気味。ただ2021年は１、２番人気が消えて３→８→４番人気、昨年は断然人気のリバティアイランドが勝って１→12→10番人気とまったく違う荒れ方をしており、掴みどころがない印象も受ける。

４～６枠に注目

枠番別の成績は１枠と５枠が２勝を挙げ、その他はすべて１勝ずつと勝ち馬の分布を見るとあまり差がないようにも見える。しかし連対率では５枠の25.0％が断トツで、両隣の４、６枠が15.0％で２位。複勝率も５、６枠が30.0％で並んでトップと、この４～６枠あたりが良さそうな傾向だ。特に５、６枠の馬が３番人気以内に推されると馬券圏内を外していない。

一方、苦戦をしているのは外の８枠。２連対だが、勝ち馬は2014年、２着馬も2016年までさかのぼる。また、８枠の１～３番人気が【0.1.0.7】と人気馬が多く該当しながら振るわない点からも割り引いて考えていいだろう。

重賞組なら前走３着以内馬

前走クラス別では、ＪＲＡ重賞組が【8.5.8.70】で３着以内に21頭。表には過去５年の好走馬を掲載したが、前走２着以内馬が中心だ。過去10年でみると、前走３着以内馬が【8.4.7.35】複勝率35.2％、前走４着以下は【0.1.1.35】同5.4％となる。

なお、過去10年の重賞組で前走３着以下から好走した４頭のうちウインファビラス、ブランボヌール、ユーバーレーベンは重賞連対実績馬。一昨年のラブリイユアアイズはオープン勝ちがあり、前走で連対を外した上に２走前以前のオープン・重賞連対実績もないようなタイプは狙えない。

【前走重賞からの好走馬（過去５年）】

年 馬名 人気 着順 前走 前走人気 前走着順
18 ダノンファンタジー 1 1 ファンタジーＳ 1 1
ビーチサンバ 4 3 アルテミスＳ 5 2
19 レシステンシア 4 1 ファンタジーＳ 6 1
クラヴァシュドール 3 3 サウジＲＣ 2 2
20 ソダシ 1 1 アルテミスＳ 1 1
ユーバーレーベン 6 3 アルテミスＳ 4 9
21 サークルオブライフ 3 1 アルテミスＳ 7 1
ラブリイユアアイズ 8 2 京王杯２歳Ｓ 3 3
ウォーターナビレラ 4 3 ファンタジーＳ 2 1
22 リバティアイランド 1 1 アルテミスＳ 1 2
ドゥアイズ 10 3 札幌２歳Ｓ 6 2

前走重賞以外なら２連勝中の馬

前走重賞組以外の好走馬は過去10年で表の９頭がおり、すべて前走１着馬。加えてデビュー以来の連対率は100％だった。このうち敗戦経験のあったショウナンアデラとマルターズディオサは新馬戦２着のあと未勝利戦と１勝クラス（500万条件）を２連勝していた。１勝馬は昨年２着のシンリョクカ（新馬戦のみの１戦１勝）１頭しかいないため、重賞組以外なら基本的に「連対率100％の２連勝馬」狙いでいいだろう。

【前走重賞以外からの好走馬（過去10年）】

年 馬名 人気 着順 前走 前走人気 前走着順 全成績
13 フォーエバーモア 8 3 サフラン賞 4 1 2-0-0-0
14 ショウナンアデラ 5 1 からまつ賞 1 1 2-1-0-0
16 ソウルスターリング 1 1 アイビーＳ 2 1 2-0-0-0
17 リリーノーブル 3 2 白菊賞 1 1 2-0-0-0
マウレア 4 3 赤松賞 1 1 2-0-0-0
18 クロノジェネシス 2 2 アイビーＳ 3 1 2-0-0-0
19 マルターズディオサ 6 2 サフラン賞 4 1 2-1-0-0
20 サトノレイナス 2 2 サフラン賞 1 1 2-0-0-0
22 シンリョクカ 12 2 新馬 4 1 1-0-0-0

１着候補は馬ナリか併せ先着

過去10年の追い切りを分析すると、優勝馬10頭中６頭は馬ナリでの追い切り馬で、残る４頭は併せ馬で先着していた。まずは馬ナリ、馬ナリ以外なら併せ馬先着馬を１着候補として考えたい。

全馬の成績を見ると、併せ馬で先着した馬は【5.6.3.48】複勝率22.6％。同入・遅れは計【1.1.2.28】同12.5％。また、単走は【4.3.5.71】複勝率14.5％。併せ馬先着馬がやや優勢だ。なお、コース別では栗東ＣＷ【2.3.2.34】複勝率17.1％、栗東坂路【4.2.3.67】同11.8％の好走が多い。

【優勝馬の追い切り（過去10年）】

年 馬名 人気 着順 コース 騎乗 追い切り時計 位置 脚色 併せ
13 レッドリヴェール 5 1 栗東坂 助手 1回 53.8-39.0-26.0-13.3 一杯 0.4秒先着
14 ショウナンアデラ 5 1 美南坂 蛯名 1回 54.3-40.0-26.3-13.1 馬ナリ 0.2秒先着
15 メジャーエンブレム 1 1 美南Ｗ 助手 65.8-50.3-37.1-12.8 4 直一杯 0.4秒先着
16 ソウルスターリング 1 1 美南坂 助手 1回 55.1-40.5-25.6-12.4 馬ナリ
17 ラッキーライラック 2 1 栗東CW 助手 82.5-66.5-51.0-37.5-11.9 強目 1.0秒先着
18 ダノンファンタジー 1 1 栗東坂 調教師 1回 53.9-39.1-25.8-12.8 馬ナリ
19 レシステンシア 4 1 栗東坂 助手 1回 52.1-37.0-23.9-11.9 馬ナリ
20 ソダシ 1 1 栗東坂 吉田隼 1回 54.9-40.0-25.9-12.9 馬ナリ
21 サークルオブライフ 3 1 美南Ｗ 助手 68.5-53.3-38.4-12.1 5 馬ナリ 同入
22 リバティアイランド 1 1 栗東CW 助手 82.0-66.5-51.4-36.3-11.5 7 強目 0.1秒先着

2023年阪神ＪＦ（Ｇ１）調教状態＆コメント

アスコリピチェーノ　北村宏司

調教状態

（ノーザンＦ天栄から11月15日に帰厩）11月17日に栗東入りしてから調整を進め、３週続けて併せ馬。キビキビした動きで右回りの走りもまったく問題なし。気合乗りも適度。馬体もすっきりと仕上がっている。

厩舎コメント

(態勢整い)黒岩師――ノーザンＦ天栄から美浦経由で17日に栗東入厩。回復優先で直行の臨戦も、先週長めから負荷をかけ、週末→直前も手控えず調整。いい状態に整いました。ある程度のポジションから、長く力強い脚を使える長所を生かせれば。

カルチャーデイ　酒井学

調教状態

中間は併走追いを２本消化し、体力強化。前走時も動きは目立ったが、内に流れることもなく、のびのびとしたフットワークで活気十分。馬体も大きく見せて好気配。

厩舎コメント

(いい状態)四位師――１週前に併せ馬でしっかりとやっているので、今週は調整程度で十分。ここまで２連勝と味な内容で勝ってきた馬。１ハロンの距離延長、直線の坂、相手強化など課題はあるけれど、頑張ってほしいね。

キャットファイト　大野拓弥

調教状態

（ミッドウェイファームから11月10日に帰厩）朝日杯登録のクリーンエアを追いかけて、最後まで楽な手応えで先着。１週前にしっかり追って負荷は十分。素晴らしい集中力で脚捌きも抜群。現状、言うことなし。

厩舎コメント

(楽しみ)上原博師――デビュー時はひ弱さもあったけど、一走毎にしっかりとして、前走は強い競馬で好時計勝ち。ここは相手も強いですが、この馬もレースが上手だし、どんな競馬を見せてくれるか楽しみにしています。

クイックバイオ　Ｌ．モリス

調教状態

22日に自己ベストを更新し、古馬のオープン馬を相手に質の高い併走追いを消化。当週は格下相手ではあったが、持ったままの手応えで楽に先着。前走より良化。

コスモディナー　松岡正海

調教状態

（ビッグレッドＦ真歌から11月８日に帰厩）４角で少しフワッとなったあたりに若さは窺えたが、気持ちを前面に出して伸びは上々。馬体も引き締まっており、十分に力は出せる状態に仕上がった。

コラソンビート　横山武史

調教状態

抑えたままでも自然と速い時計が出るような感じ。バランスが抜群で、加速も非常に滑らか。これ以上、昂ると心配だが、ギリギリの線で万全の態勢になったか。

厩舎コメント

(動き抜群)伊藤助手――稽古の動きは抜群。この中間もここまで予定通りにきている。気持ちをコントロールできるのはストロングポイントだし、初の阪神への輸送も気にならない。

サフィラ　松山弘平

調教状態

１週前のＣＷで77秒９の好時計をマークして、当週は坂路で単走。馬体が洗練され、毛ヅヤも上々。手足の運びもシャープで時計以上の好感触。まだ上積みあり。

厩舎コメント

(前走以上の感触)池添学師――１週前はジョッキーの感覚以上に速い時計。いい追い切りができたので、残りの時間をケアに充てることができました。前走時にあった硬さもなく、レースに向けて不安な点はありません。まだ成長の余地はありますが、楽しみですよ。

スウィープフィート　永島まなみ

調教状態

中１週になるが、馬体に丸みがあって、毛ヅヤもピカピカ。前向きさがあって気合乗り上々。前肢のたぐりの利いた走りで推進力も十分。疲れなく、好気配。

ステレンボッシュ　Ｃ．ルメール

調教状態

早めに栗東入りして調整。今週はルメール騎手が騎乗。鋭さは感じられなかったが、大きなフォームでしっかりした動き。落ち着きがあり、馬体も維持できている。

厩舎コメント

(条件合う)国枝師――追い切りはややチグハグな形だったが、動きは良かったし、時計的にも問題ない。鞍上の感触も良かったね。広い阪神の外回りコースは合いそうなイメージなので、相手強化でも期待はある。

スプリングノヴァ　和田竜二

調教状態

行きっぷり良く飛ばして51秒９の好時計。上がり１ハロンは要したが小気味のいい走りで久々も好仕上がり。

厩舎コメント

(相手強化で)野田助手――今週は思ったより楽に行けた分、道中が速くなりましたが、無理はしていません。ひと息入れて落ち着きもありますし、動きもしっかりしています。メンバー強化でどれだけやれるかですね。

テリオスルル　古川吉洋

調教状態

少し反抗する場面はあったが、最後は全身を使ってスピード感満点の動き。体調面での不安はない。

ドナベティ　坂井瑠星

調教状態

間隔が詰まるが気負いも見られず、更にデキは上がってきた感じ。モタれる面もなく、前走以上に推進力のある動き。ラストの勢いもなかなかの迫力。あとは距離。

ナナオ　西村淳也

調教状態

１週前にＰコースで好時計をマークし、当週も併走で仕上げてきた点は評価。細手の牝馬だが、これだけ負荷をかけられること自体順調だし、動きも軽快そのもの。

ニュージェネラル　田口貫太

調教状態

直前は３頭併せ。新馬相手とはいえ、余裕のある動きで最先着。しっかり調整できており、馬体もキープ。

プシプシーナ　浜中俊

調教状態

攻めはデビュー前から目立っていたが、前走、今回と更に良くなってきている感じ。騎手との息も合って鋭さ十分に登坂。肌艶も目立つし、かなり完成度は高い。

ミライテーラー　中井裕二

調教状態

ダートで２走したが、馬力型でなく、決して芝は駄目とは思えない。身のこなしは軽快で、デキは良さそう。

ルシフェル　Ｂ．ムルザバエフ

調教状態

今週も古馬オープンのキラーアビリティと併せたが、楽な手応えのままで軽快な動き。しっかりハミを取って集中力もあった。体つきも良く、引き続き好ムード。

厩舎コメント

(初のマイルでも)斉藤崇師――まだ幼くて道中ハミを取ったり、取らなかったりという現状ですが、ここまでポテンシャルの高さを見せてきました。調教では追う毎に上向いて、スムーズな動きをしています。今回は初のマイルになりますが、リズム良く運べれば。

2023年阪神ジュベナイルフィリーズステップレース

ステップレース１　新潟２歳Ｓ（Ｇ３）

2023年 8月 27日(日) 新潟11Ｒ 新潟２歳Ｓ 12頭 芝 1600m

着順 馬番 馬名 性齢 負担重量 騎手名 タイム 着差 単勝人気
1 12 アスコリピチェーノ 牝2 55 北村 宏司 01:33.8 1
2 6 ショウナンマヌエラ 牝2 55 石橋 脩 01:34.0 1 10
3 11 クリーンエア 牡2 55 大野 拓弥 01:34.1 1 4
4 5 ルクスノア 牝2 55 永島 まなみ 01:34.5 2 1/2 7
5 9 シリウスコルト 牡2 55 三浦 皇成 01:34.6 1/2 12

レース回顧

ショウナンマヌエラが1000ｍ通過59秒8逃げる展開。直線に入ってもなかなか脚色は衰えずに、逃げ切り体制に入ったが、最後は差された。１番人気のアスコリピチェーノはやや出負けしたが、中団からのレース。直線に入って脚を伸ばし、ゴール50ｍ地点で逃げ馬をとらえた。

ステップレース２　京王杯２歳Ｓ（Ｇ２）

2023年 11月 4日(土) 東京11Ｒ 京王杯２歳Ｓ 12頭 芝 1400m

着順 馬番 馬名 性齢 負担重量 騎手名 タイム 着差 単勝人気
1 7 コラソンビート 牝2 55 横山 武史 01:20.6 レコード 1
2 2 ロジリオン 牡2 56 北村 宏司 01:20.7 クビ 8
3 3 オーキッドロマンス 牡2 56 内田 博幸 01:20.7 ハナ 9
4 9 バンドシェル 牡2 56 菅原 明良 01:21.2 3 1/2 7
5 8 ミルテンベルク 牡2 56 J.モレイラ 01:21.3 アタマ 2

レース回顧

ジャスパーノワールが1000ｍ通過57秒３と飛ばす展開。直線に入ると残り100ｍ地点で好位追走のオーキッドロマンスが先頭に立つ。中団待機のコラソンビートが一完歩毎に差を詰めて、ゴール直前でとらえて勝利。レコード勝ち。後方待機のロジリオンが鋭く伸びてクビ差２着。オーキッドロマンスは惜しくも３着。

ステップレース３　アルテミスＳ（Ｇ３）

2023年 10月 28日(土) 東京11Ｒ アルテミスＳ 10頭 芝 1600m

着順 馬番 馬名 性齢 負担重量 騎手名 タイム 着差 単勝人気
1 4 チェルヴィニア 牝2 55 C.ルメール 01:33.6 1
2 8 サフィラ 牝2 55 松山 弘平 01:33.9 1 3/4 2
3 9 スティールブルー 牝2 55 荻野 極 01:34.0 1/2 4
4 1 ライトバック 牝2 55 浜中 俊 01:34.2 1 1/4 3
5 2 ショウナンマヌエラ 牝2 55 石橋 脩 01:34.5 2 6

レース回顧

ショウナンマヌエラが1000ｍ通過60秒ちょうどで逃げる。直線に向くと残り200ｍでスティールブルーが先頭に立つ。チェルヴィニアは直線で窮屈になるが、前が開くと一気に伸びてスティールブルーを交わして完勝。サフィラはチェルヴィニアには伸び負けたが、スティールブルーとの２着争いは制した。