2024年エリザベス女王杯過去データと予想分析

第49回 エリザベス女王杯（Ｇ１）

2024年11月10日（日）　京都競馬場　芝2200ｍ

秋の女王決定戦・エリザベス女王杯。以前は現在の秋華賞に相当するレースだったが、1996年に古馬に開放され、今や古馬と３歳馬の激突が見られる一戦としてすっかり定着した。過去には外国馬・スノーフェアリーの連覇もあったが、ここ10年では外国馬の出走は１頭のみで日本馬同士の争い。マリアライト（15年）やクイーンズリング（16年）、リスグラシュー（18年）、そして19～20年連覇のラッキーライラックと、牡馬相手のＧ１でも好勝負を演じるような実力馬が勝利を飾ってきた。今年、牝馬の頂点に立つのはどの馬か、過去の傾向を見てみよう。

エリザベス女王杯過去10年間配当金

エリザベス女王杯過去10年間結果

エリザベス女王杯過去10年間結果前走レース

馬ランドの過去データ表の見方

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下記のように●●●ステークス人気別過去データの欄があるとします。

●●●ステークス
人気別過去データ

人気	着別度数	勝率	連対率	複勝率
１番人気	0-1-0-2/3	0.0%	33.3%	33.3%
２番人気	0-0-2-1/3	0.0%	0.0%	66.7%

エリザベス女王杯
人気別過去データ

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前走レース名別過去データ

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前走着順別過去データ

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前走コース別過去データ

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単勝オッズ別過去データ

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騎手別過去データ

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脚質別過去データ

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年齢別過去データ

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馬体重過去データ

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ハンデ別過去データ

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種牡馬別過去データ

穴馬の激走に注意

過去10年、１番人気は２勝止まり。３番人気が最多の４勝を挙げ、優勝馬10頭中９頭は６番人気以内だ。ただ穴馬の激走も少なくはなく、９番人気以下で【1.4.1.86】。３歳馬限定時代からときに大波乱のあるレースで、近年では2021年が10→７→９番人気で３連単339万馬券になった。一方で昨年は３連単１万円を割り込んでおり、年によって波乱度に大きな差がついている。

４歳馬を中心に

過去10年の年齢別出走数は、３歳が34頭、４歳が60頭、５歳が61頭。しかし３歳馬が８頭、４歳馬が16頭を馬券圏内に送り込んでいるのに対し、５歳馬は５頭のみ。そのため好走確率では３、４歳馬に大きく水を空けられている。また、好走確率は悪くない３歳馬も該当馬があまり多くないため、毎年のように好走するというには至らない。３歳馬を割り引くほどではないものの、中心には４歳馬を据えたいレースだ。

秋華賞組ならＧ１好走かＯＰ勝ち馬

３歳の好走馬８頭中６頭は秋華賞組。ただ、この秋華賞組は好走しても各年１頭までで、２頭以上の好走はあまり期待できない。その６頭を見ると秋華賞での着順や今回の人気はまちまち。そこで実績面をみると、Ｇ１で好走した経験があったのは半数の３頭と、同世代同士のＧ１で馬券に絡んだ経験のない馬でも古馬相手に通用するケースはある。ただ、タッチングスピーチはローズＳ、ステラリアは忘れな草賞、ライラックはフェアリーＳと、オープン・重賞勝ちくらいは必要だ。

【前走秋華賞からの好走馬（過去10年）】

年 馬名 人気 着順 前走人気 前走着順 主なＧ１実績
14 ヌーヴォレコルト 1 2 1 2 オークス
15 タッチングスピーチ 4 3 2 6 （秋華賞６着）
17 モズカッチャン 5 1 5 3 オークス２着、秋華賞３着
21 ステラリア 7 2 9 6 （秋華賞６着）
22 ライラック 12 2 6 10 （秋華賞10着）
23 ハーパー 3 3 2 3 オークス２着、秋華賞３着

秋華賞以外ならＧ２組

前走秋華賞以外からの好走馬は該当数が多いため、過去５年の傾向で見てみたい。好走馬は計12頭で、札幌記念や府中牝馬ＳなどＧ２組が中心だ。また、前走掲示板外から巻き返した馬は2021年のアカイイト１頭しかおらず、５着以内が目安になる。なお、前走Ｇ３組は【0.0.1.14】、オープン特別組は【0.0.0.19】、条件戦組は【0.0.0.20】（いずれも過去10年）と、Ｇ３以下に出走していた馬は苦しい。

【前走秋華賞以外からの好走馬（過去５年）】

年 馬名 人気 着順 前走 前走人気 前走着順 19 ラッキーライラック 3 1 府中牝馬Ｓ 2 3
クロコスミア 7 2 府中牝馬Ｓ 3 5
ラヴズオンリーユー 1 3 オークス 1 1
20 ラッキーライラック 1 1 札幌記念 1 3
サラキア 5 2 府中牝馬Ｓ 7 1
ラヴズオンリーユー 3 3 府中牝馬Ｓ 1 5
21 アカイイト 10 1 府中牝馬Ｓ 12 7
クラヴェル 9 3 新潟記念 2 3
22 ジェラルディーナ 4 1 オールカマー 5 1
ウインマリリン 5 2 札幌記念 5 3
23 ブレイディヴェーグ 1 1 ローズＳ 1 2
ルージュエヴァイユ 5 2 府中牝馬Ｓ 4 2

「馬ナリ」調整馬を中心に

過去10年の出走馬の追い切りを分析すると、優勝馬10頭中８頭は「馬ナリ」で調整された馬だった。牝馬ながら「一杯」（叩一杯等も含む、以下同）で追われた馬も多いが、連対率は6.1％止まり。「強目」も同9.8％とやや劣勢だ。 　そんな中「強目」以上で追われた好走馬を見ると、10頭中８頭が５番人気以内。上位人気に推された馬が、勝ち切れずに２～３着というパターンが多めになっている。また「強目」以上で勝った２頭は阪神で代替された2020年と21年。京都ではたとえ好走しても２着以下になる可能性が高そうだ。

【追い切り強目～一杯の好走馬（過去10年）】

年 馬名 年齢 人気 着順 コース 馬場 追い切り時計 位置 脚色 併せ

14 ヌーヴォレコルト 3 1 2 美南Ｗ 重 81.5-65.3-50.8-37.4-12.7 8 一杯
15 ヌーヴォレコルト 4 1 2 美南Ｗ 重 70.0-53.6-38.5-12.3 6 強目
タッチングスピーチ 3 4 3 栗東坂 重 1回 52.2-38.4-25.3-12.7 一杯 0.1秒遅れ
16 ミッキークイーン 4 2 3 栗東坂 稍 1回 52.0-38.0-24.5-11.9 末強目 0.5秒先着
17 ミッキークイーン 5 3 3 栗東坂 良 1回 52.0-37.6-24.4-12.1 強目 クビ先着
18 モズカッチャン 4 1 3 栗東坂 良 1回 54.4-39.9-25.8-12.5 末強目 0.5秒先着
19 クロコスミア 6 7 2 栗東坂 良 1回 55.0-39.9-26.0-12.8 強目
20 ラッキーライラック 5 1 1 栗東CW 良 80.8-66.2-51.6-38.0-12.3 6 末強目 0.2秒先着
21 アカイイト 4 10 1 栗東坂 稍 1回 51.6-37.8-24.9-12.7 稍一杯
22 ウインマリリン 5 5 2 栗東CW 良 83.2-67.8-52.5-37.1-11.0 5 強目

2024年エリザベス女王杯（Ｇ１）調教状態＆コメント

エリカヴィータ　藤岡佑介

調教状態

先行にしても軽く促した程度でアオッてきた。前向きで動きもパワフル。いい頃の活気が戻ってきたか。

キミノナハマリア　鮫島克駿

調教状態

（山元トレセンから10月24日に帰厩）馬場の荒れた時間帯だがピッチの利いた走り。多少の硬さは感じたが、アウトラインはできている。道悪なら面白い。

コスタボニータ　松山弘平

調教状態

ピッチの利いた走りで推進力は十分。芦毛で目立たないが、馬体の張り艶もいい。詰まった間隔でもいいデキを維持できている。走法からコースと距離が鍵になる。

コンクシェル　岩田望来

調教状態

先週馬なりで好時計をマークし、エンジンは確か。先週見せた若さを見せなかったし、馬っぷりがいい。京都2200ｍはどうかも、体調そのものは良さそう。

ゴールドエクリプス　田口貫太

調教状態

（チャンピオンヒルズから10月26日に帰厩）道中折り合いに注意したが、前進気勢が強く先行する馬の真後ろにつける。それでもラストの動きはしっかり。攻め量は少し足りないが、肌艶はピカピカ。悪くはない。

サリエラ　Ｒ．ムーア

調教状態

年齢を重ねてズブさは出てきたが、内でしっかりと負荷をかけると、差を詰めての好時計だから問題はない。

厩舎コメント

(好仕上がり)国枝師――前走が案外な内容だったが、放牧を挟み仕上がりはいい。血統面から期待していたほどの成長はないが、昨年も健闘したレースでこの馬の良さを生かせれば。

シンティレーション　Ｔ．マーカンド

調教状態

バランスのいいフットワークで、仕掛ければ一気に伸びそうな勢い。集中力満点で心身ともに充実している。

厩舎コメント

(充実して)池上和師――前走後は10日ほど短期放牧を挟んで調整。前走の疲れはなく、帰厩後すぐに時計も出せて順当にきている。距離はやってみないと分からないが、充実してきたのは確か。簡単ではないがＧⅠのメンバー相手にどこまでやれるか。

シンリョクカ　木幡初也

調教状態

先週好時計をマーク。先行したのはオーバーワークを避けるためかも。気合抜群で全身を使って力強さもある。本格化を思わせる雰囲気になってきた。

厩舎コメント

(充実している)竹内師――前走は落ち着きが出ていたというよりは、暑さの影響で元気がなかったんでしょうね。その後は、覇気が出てきていますし、動きがピリッとしてきました。充実してきた感がありますよ。

スタニングローズ　Ｃ．デムーロ

調教状態

（ノーザンＦしがらきから10月11日に帰厩）乗り込み量はいつもより多め。最近のこの厩舎にしては全体時計も詰めてきた。ここ２週は自ら進んで速い時計で伸び脚もシャープ。調整パターンを替え、復活の兆しあり。

厩舎コメント

(順調)小川陽助手――順調に本数をこなしてきました。今週の追い切りをつけたジョッキーは「グッドコンディション」と満足そうな表情。闘争心が競馬に向かっていると思います。

ハーパー　武豊

調教状態

１週前はブリンカーで集中力を喚起。しっかり動けていた。今週は坂路で伸びのある走り。前走で緩さを感じたトモの動きが良くなってきた。叩いた上積みは感じる。

ピースオブザライフ　団野大成

調教状態

近走はダートで結果を出しているが、フォルムは芝の長距離系。落ち着きが出て、なかなか走りのリズムがいい。雨が降って時計を要せば面白いかも。

ホールネス　坂井瑠星

調教状態

芝で単走でややセーブ。結構ストライドは大きく広いコースは合いそう。ただ切れはなかった。体はいいが。

厩舎コメント

(条件いい)藤原英師――前走は勝ちにいく競馬で、ジョッキーもしっかり責任を果たしてくれた。予定通りにきているし、条件もいいので楽しみだね。

モリアーナ　岩田康誠

調教状態

それなりに周りに馬のいる時間帯だったが、折り合いはスムーズ。集中力出てパワフル。気配は上向きでは。

厩舎コメント

(距離克服を)武藤師――府中の1800ｍは合うと見て期待した前走も結局力んでしまい位置を取り切れなかった。難しい馬ですね。ただ牡馬相手だった2200ｍのＡＪＣＣで上がり最速の脚を使っているし、工夫の余地がありそうな京都外回りコースで見直したい。

ライラック　石川裕紀人

調教状態

鞍上をグイグイ引っ張るくらいの勢いで、最後まで抑え切れない手応え。馬体もいい。前走以上の状態か。

ラヴェル　川田将雅

調教状態

行き出しに多少ハミを噛み、頭が高くなったが、馬体は確かにパワーアップしている。叩いた効果はあるはずで、元気もいいが、やはりポイントは折り合いになる。

ルージュリナージュ　池添謙一

調教状態

動く相手に勢いは見劣ったが、全身を使って力強さは満点。馬体の張りも良く、体調面の不安はない。

レガレイラ　Ｃ．ルメール

調教状態

最後は少し促す感じで相手を圧倒。力強さ溢れるフットワークで、馬体も引き締まった。態勢は万全。

厩舎コメント

(態勢整う)太田助手――ローズＳは位置取りの差が響きましたが、次につながる内容でした。短期放牧を挟んでいい状態で戻ってきましたし、中間は踏み込んだ調教を行い、走れる準備はできています。今回はある程度のポジションを取れると思います。あとは輸送をこなしてくれれば。

2024年エリザベス女王杯ステップレース

ステップレース１　アイルランドＴ府中牝馬Ｓ（Ｇ２）

2024年 10月 14日(月) 東京11Ｒ アイルランドＴ府中牝馬Ｓ（Ｇ２） 15頭 芝 1800m

着順 馬番 馬名 性齢 負担重量 騎手名 タイム 着差 単勝人気
1 5 ブレイディヴェーグ 牝4 57 C.ルメール 01:44.7 2
2 10 シンティレーション 牝5 55 戸崎 圭太 01:44.9 1 1/4 10
3 6 マスクトディーヴァ 牝4 56 川田 将雅 01:45.0 1/2 1
4 7 フィアスプライド 牝6 55 M.デムーロ 01:45.1 3/4 4
5 15 ルージュリナージュ 牝5 55 横山 和生 01:45.2 3/4 11

レース回顧

コンクシェルが先手を奪い、1000ｍ通過58秒７のペースで逃げる。直線に入りマスクトディーヴァが内から先頭に立ったところ、ブレイディヴェーグが豪快に差し切った。後方からレースを進めたシンティレーションが、最後に伸びて２着を確保。しぶとく粘ったマスクトディーヴァが３着。後方からジワジワ伸びたルージュリナージュが５着。

ステップレース２　ローズＳ（Ｇ２）

2024年 9月 15日(日) 中京11Ｒ ローズＳ 15頭 芝 2000m

着順 馬番 馬名 性齢 負担重量 騎手名 タイム 着差 単勝人気
1 2 クイーンズウォーク 牝3 55 川田 将雅 01:59.9 2
2 4 チェレスタ 牝3 55 西村 淳也 02:00.1 1 1/2 7
3 10 セキトバイースト 牝3 55 藤岡 佑介 02:00.1 アタマ 11
4 5 タガノエルピーダ 牝3 55 幸 英明 02:00.2 1/2 4
5 15 レガレイラ 牝3 55 C.ルメール 02:00.3 クビ 1

レース回顧

セキトバイーストが他馬を引き離し、前半1000ｍ60秒３のペースで逃げる。直線に入っても６馬身ほどリード。 好位追走のチェレスタが迫ったところ、中団待機のクイーンズウォークが一気に差し切った。１馬身半差の２着はチェレスタ。１番人気のレガレイラはいつも通りスタートが悪く、後方からレースを進め、直線ではいい伸びを見せたが５着まで。叩いた次走は変わりそうだ。

ステップレース３　新潟記念（Ｇ１）

2024年 9月 1日(日) 新潟11Ｒ 新潟記念 11頭 芝 2000m

着順 馬番 馬名 性齢 負担重量 騎手名 タイム 着差 単勝人気
1 4 シンリョクカ 牝4 54 木幡 初也 01:58.0 8
2 7 セレシオン 牡5 56 荻野 極 01:58.0 ハナ 3
3 9 キングズパレス 牡5 57 松岡 正海 01:58.1 1/2 1
4 1 ゴールドプリンセス 牝4 53 菊沢 一樹 01:58.2 クビ 7
5 12 レッドラディエンス 牡5 58.5 戸崎 圭太 01:58.3 1/2 2

レース回顧

アリスヴェリテが逃げる展開。1000ｍ通過は58秒９。好スタートを切ったシンリョクカは離れた２番手を追走。直線残り300ｍで先頭に立つと、後続の追撃をギリギリ粘り切った。新馬以来となる勝利を重賞初制覇でやってのけた。セレシオンは出遅れて後方からのレースとなり、上がり最速で猛追したがハナ差届かず２着。キングズパレスは中団で脚を温存し、差し切るかと思われたがゴール直前で止まってしまい３着だった。

2024エリザベス女王杯予想

◎ レガレイラ
○ シンリョクカ
▲ ホールネス
◇ シンティレーション
△１ スタニングローズ
△２ モリアーナ
△３ サリエラ

◎レガレイラ

古馬相手でも限定戦のこのメンバーなら実力上位。トモが甘くてテンに行けないのが弱点だが、コース形態的に京都の外回りならそれを補えそう。今度は差し切り可能。

○シンリョクカ

前走は牡馬相手に重賞勝ち。一時の不振を完全に脱し、デキは更に上向き。レースも上手。ここでも上位を狙える。

▲ホールネス

ここまで大事に使われながら６戦４勝。まだ力負けしたことはなく、素質はヒケを取らない。距離適性の高さも魅力。

◇シンティレーション

着実に力をつけて決め手にも磨きがかかってきた。初距離でも我慢させて末脚を引き出せれば食い込み可能。

あとは、
スタニングローズ、モリアーナ、サリエラ
に注意。