2023年レパードステークス過去データと予想分析

第15回 レパードＳ（Ｇ３）

2023年8月6日（日）　新潟競馬場　ダート1800ｍ

３歳馬同士で争われるダート重賞・レパードＳ。中央競馬で行われる３歳限定のダート重賞はほかにユニコーンＳしかなく、このレースの後は古馬との戦いが続くことになる。トランセンドやホッコータルマエなどが優勝した創設当初に比べると最近の優勝馬は小粒になってきている印象もあったが、来年からは「ジャパンダートクラシック」のステップレースとして生まれ変わることになっており、その性格も異なったものになるだろう。現状の位置づけとしては最後となる今年のレパードＳ。このレースの過去の傾向を見てみたい。

レパードステークス過去10年間配当金

レパードステークス過去10年間結果

レパードステークス過去10年間結果前走レース

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１番人気馬が安定も、波乱の可能性十分あり

過去10年、１番人気は【4.3.1.2】の好成績だが、優勝馬４頭中３頭は2013～15年に出ており、ここ７年は【1.3.1.2】と勝ち切れていない感が強い。２番人気は【1.1.2.6】複勝率40.0％とまずまずで、３番人気以下は好走馬が広く分散。２桁人気馬でも【2.3.2.51】と７頭が馬券に絡んでいる。ここ６年は７番人気以下の馬が連対する年が続いており、今年も穴馬の激走には注意したい。

連対候補は４～５枠、８枠に注目

枠番別では中ほどに好走馬が多く、４、５枠だけで【4.5.2.29】の９連対。３着が２回のため複勝率はさほど高くならないが、連対率は22.5％を記録する。残る１～３枠と６～８枠を合計は【6.5.8.89】で連対率10.2％と、その差は明らかだ。その４～５枠以外では８枠が４連対をマークし２連勝中。逆に内の１～３枠は計４連対とやや苦しい印象だ。

前走地方競馬組が優勢

前走別の成績を見ると、地方競馬のレースに出走していた馬が【2.3.6.17】複勝率39.3％で、出走数の少ない３勝クラスや海外組を除けば断トツ。連対した６頭とすべてと３着馬６頭中４頭は前走ジャパンダートダービー出走馬だった。そのジャパンダートダービーでの成績を見ると、2017年には同レース1.6秒差８着だったローズプリンスダムが大きく巻き返して優勝、20年は2.1秒差５着だったミヤジコクオウが２着に入るなど、掲示板外に敗れていた馬や、勝ち馬から１秒以上の差をつけられていたような馬でも軽視はできない。

また、中央の重賞に出走していた馬は【4.0.0.21】で2020年はケンシンコウが優勝したが、勝てなければ馬券圏外。この組の優勝馬４頭はすべてユニコーンＳに出走していた。２勝クラス組は前走が古馬相手のダート1600～2000ｍだったことが共通点だ。

【前走ジャパンダートダービーからの好走馬（過去10年）】

年 馬名 人気 着順 前走人気 前走着順 前走タイム差
2013 ケイアイレオーネ 2 3 5 3 1.3秒
2014 ランウェイワルツ 9 3 3 5 0.2秒
2015 クロスクリーガー 1 1 1 2 0.5秒
2016 ケイティブレイブ 1 2 3 2 0.9秒
2017 ローズプリンスダム 11 1 6 8 1.6秒
2019 デルマルーヴル 1 2 4 2 0.6秒
トイガー 11 3 8 6 1.2秒 2020 ミヤジコクオウ 2 2 2 5 2.1秒 2022 ハピ 2 3 2 4 0.3秒

美浦、栗東とも坂路組が好成績

美浦、栗東ともに坂路追い切り馬の好走確率が高かった。美浦は南坂路が複勝率44.4％に対し、南Ｗが同12.8％。栗東は坂路が複勝率25.5％に対し、ＣＷが15.6％となっている。なお、該当馬が少ないコースでは美浦南Ｐ追い切り馬が２、３着各１回、栗東Ｐと新潟ダが１勝ずつを挙げている。

【主な追い切りコース別成績（過去10年）】

コース 成績 勝率 連対率 複勝率
美浦南Ｗ 2-0-3-34 5.1% 5.1% 12.8%
美浦南坂 3-1-0-5 33.3% 44.4% 44.4%
栗東ＣＷ 1-2-2-27 3.1% 9.4% 15.6%
栗東坂路 2-6-4-35 4.3% 17.0% 25.5%

2023年レパードＳ（Ｇ３）調教状態＆コメント

エクロジャイト　北村友一

調教状態

少し間隔が開いたが、大型馬らしくなく、キチッと仕上がった。この馬としては落ち着きもある。タイムはそう強調できるものではないが、力は出せそう。

厩舎コメント

(リズム良く)安田助手――前走はゲート練習の成果がありました。そのあとはここ目標で順調にこられて、暑い時季でも変わらずにいい状態。砂さえ被らなかったら、どこからでもレースはできると思います。リズムを乱さずに運べれば、上位争いでしょう。

オメガギネス　戸崎圭太

調教状態

全身を大きく使った力強さ満点のフットワーク。手前もスムーズで、好時計を楽々マーク。久々も態勢万全。

厩舎コメント

(重賞でも楽しみ)大和田師――挫跖やトモの違和感で春の東京開催は見送りましたが、その後はここを目標に。直前のひと追いで態勢は整ったと思います。レースが上手なので、初コースでも心配はありません。重賞でも楽しみ。

クールミラボー　松山弘平

調教状態

併せ馬の内。回転力十分の走りで内から抜く感じで先着。折り合いがスムーズだったし、一戦ごとに馬が大人になっている。あとはレースで出遅れないことか。

厩舎コメント

(左回りで更に)寺島師――右手前での走りがいいので、左回りの方がよりいいと思います。うまく流れが噛み合えば。

クレメダンジュ　和田竜二

調教状態

先週しっかり追っているので、今週は上がり重点。重心の低い走りに安定感を感じる。前走同様の好状態。

ソッコータルマカ　坂井瑠星

調教状態

切れはないが、四肢の可動域が大きく安定したフットワーク。ただ、一瞬フワッとする感じはあった。それでも馬体が締まってきて、スキルアップしている。

厩舎コメント

(素軽くなり)四位師――揉まれる形は良くなくて、注文がつくが、自分で動ける位置で運べれば大崩れはなさそう。放牧を挟んで、ここを目標に。大分、体が締まって、素軽さが出てきたよ。

ツウカイリアル　幸英明

調教状態

馬場の中ほどを軽快に。毛ヅヤがピカピカだし、前進気勢が強い。あとは折り合いがポイント。

ハッスルダンク　杉原誠人

調教状態

気持ちを前面に出して、最後までしっかりとした伸び脚。少し見劣ったが、雰囲気は相変わらずいい。

パクスオトマニカ　田辺裕信

調教状態

弾むようなフットワークで、最後まで手綱は持ったまま。集中力抜群で、バランスもいい。力は出せる状態。

厩舎コメント

(適性未知)池内助手――帰厩当初こそ緩さが目立ちましたが、ここまでは順調に調教メニューを消化しています。ダート適性やキックバックはやってみないと分かりませんが、芝と同じくらいのパフォーマンスを発揮できれば見劣らないと思います。

ベンダバリラビア　石橋脩

調教状態

先行してラストは少し見劣ったが、騎手と助手の差もあるし、回ったところの差もある。自身は腰がしっかりしてきた。少し太く見せるが、長距離輸送で絞れてくるだろう。ブリンカー着用で集中力が増すなら。

マオノアラシ　菱田裕二

調教状態

少し反応は遅れたが、ゴール前は重心を下げて力強い伸び脚。動きも柔らかく、体調はすこぶる良さそう。

マテンロウガイ　角田大和

調教状態

前２週はコースで、当週は坂路でビシッと。少し太く見せるが、これで良くなるはず。前向きさも出てきた。

ミスティックロア　川田将雅

調教状態

１週前のＣＷで意欲的に追われて自己ベストを大きく更新した。当週は坂路で単走だったが、毛ヅヤが冴えて、馬体も絞れてきて好気配。実戦で集中して走れば。

厩舎コメント

(遜色はない)安藤助手――先週に負荷をかけたのでもう軽めですが、リズム良く走れていましたし、いい状態で出せそうです。能力だけならここでも遜色ありませんから初めての長距離輸送が鍵でしょう。前日に入厩できることで平常心で臨めればと思います。

ライオットガール　岩田望来

調教状態

馬場のいい時間帯とはいえ、軽快なフットワークで馬体の輪郭もくっきり。依然好気配が漂っている。

リバートゥルー　吉田豊

調教状態

暑い時期だけに直前はややセーブ気味。それでも素軽さ十分で、推進力も感じさせた。気配は上々。

厩舎コメント

(条件が鍵)池内助手――更に距離が延びて、初めてのコーナー４つに対応できるかが鍵です。ためた方が良さが生きますし、前走同様の競馬でどれだけの脚を使えるかでしょう。

ルクスフロンティア　秋山真一郎

調教状態

攻めは目立つタイプでないので、これで十分。むしろ前回より硬さがなく、身のこなしはスムーズ。好調。

厩舎コメント

(良化)松永幹師――１角まで出していく形でしたが、番手から抜け出してくれました。追い切りでの反応も良く、暑い時季でも思った以上に良くなってきています。伏竜Ｓの時は外へ張っていましたが、左回りなら違うはずですから、スタートを決めたいですね。

2023年レパードＳ予想

前走ユニコーンＳ組、ＪＤダービー組は不在。２勝クラスのダートを勝って臨戦する馬はライオットガールだけ。例年とは様相が違い、波乱含みの要素はあるものの、ポテンシャルの高低差を見抜いて、記録重視の視点から絞り込んでいくことは可能だ。

管理人の予想印

◎ ミスティックロア
○ クールミラボー
▲ エクロジャイト
◇ オメガギネス
△１ ライオットガール
△２ クレメダンジュ
△３ パクスオトマニカ
△４ マオノアラシ

◎ミスティックロア

３戦２勝。いずれも１番人気に支持されており、イコール能力のバロメーターと言えないこともない。すべて上がり600メートルは最速で、２勝のタイムは水準以上。コントレイルの出た母系で活力もある。

○クールミラボー

前２走ともにほぼ水準タイムで走破。前走は直線右手前のままで、その点から左回りに替わるのはプラスだが、コーナーで加速できるタイプではない。コーナーのきつい新潟への対応が鍵。

▲エクロジャイト

２勝はいずれも平凡なタイム。鳳雛Ｓもタイム的には評価しづらいが、加速ラップで逃げ切り勝ちは優秀で、相手も揃っていた。同型との兼ね合いでいかにスムーズなレースができるかが鍵。揉まれると不安もある。

◇オメガギネス

新馬は平凡だったが、前走のタイムは出色で、着差以上の強さだった。上がり600メートルは最速タイ、最速。その後、順調さを欠いたのは誤算だが、ポテンシャルでカバーできる可能性を秘める。穴馬で牝馬２頭をマーク。

買い目

単勝/複勝

９

馬連

軸９、14
相手３、４、５、６、９、10、13、14