2023年京王杯2歳ステークス過去データと予想分析

第59回 京王杯２歳Ｓ（Ｇ２）

2023年11月４日（土）　東京競馬場　芝1400ｍ

２歳世代の各馬にとっては最初のＧ２競走・京王杯２歳Ｓ。朝日杯ＦＳのステップレースで、1997年のグラスワンダーや、2003年のコスモサンビームなどが本競走と朝日杯を連勝した。過去10年の優勝馬ではモンドキャンノ、タイセイビジョンの朝日杯２着が最高だが、タワーオブロンドン（同３着）がその後スプリンターズＳを制するなどの活躍をみせている。昨年優勝のオオバンブルマイは朝日杯こそ７着も、本年のアーリントンＣを制しＮＨＫマイルＣでも３着に好走した。今年もＧ１へ向けて飛躍を遂げる馬が出現するか注目の一戦を、過去の傾向から分析してみよう。

京王杯2歳ステークス過去10年間配当金

京王杯2歳ステークス過去10年間結果

京王杯2歳ステークス過去10年間結果前走レース

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種牡馬別過去データ

少頭数以外なら波乱も

過去10年、１番人気は【2.2.2.4】と悪くないが、ここ３年連続で馬券圏外という点は気がかり。その影響もあり３連単は一時の低配当からは一変、３、２年前の11万馬券に昨年は222万馬券と荒れてきている。この３回は出走頭数が18、14、18頭。対して３連単２万円を割った2016～19年は13頭以下で争われており、出走頭数によってレースの性格が大きく変化する。ただし、表にある11番人気以下の好走２頭はどちらもその11番人気で、12番人気以下や単勝60倍以上の好走はない。

１、２枠の穴馬は期待薄、大穴は３～５枠

枠番別の成績を見ると２勝以上を挙げているのは１、３、８枠。優勝馬は５枠以内、２着は５～８枠が多いなど、全体として好走馬はばらける傾向にある。ただ、６番人気以下の成績をみると１、２枠は計【0.0.0.16】。穴馬を買うなら３枠から外の馬を狙いたい。なお、８番人気以下の好走馬５頭中４頭は３～５枠だったため、大穴狙いなら中枠に注目だ。

前走が重賞なら1200ｍ組の関西馬

前走クラス別の成績を見ると、重賞（ＪＲＡ）組が【5.4.3.20】複勝率37.5％を記録し他を大きくリード。その重賞組の好走馬は、まず12頭中11頭が関西馬で【5.4.2.9】複勝率は55.0％と高く、関東馬は３着１回のみ。また、前走は12頭中11頭が1200ｍ戦に出走しており、計【5.3.3.9】同55.0％になる。小倉・函館の両２歳Ｓを上位人気で好走した馬が中心だ。

オープン特別組は【3.3.2.29】で複勝率19.4％と重賞組には見劣る数字だが、重賞組からここ２年好走馬が出ていないためこちらの侮れない。この組は前走２番人気以内または前走１着のどちらかは必須で、双方を満たす馬が多い。重賞組よりも超えるべきハードルは高そうだ。

【前走オープン・重賞からの好走馬（過去10年）】

前走クラス 年 馬名 所属 人気 着順 前走 前走人気 前走着順
重賞 13 ラブリープラネット 栗東 2 3 小倉２歳Ｓ 3 3
14 セカンドテーブル 11 1 小倉２歳Ｓ 6 7
16 モンドキャンノ 3 1 函館２歳Ｓ 1 2
レーヌミノル 1 2 小倉２歳Ｓ 1 1
17 カシアス 5 2 函館２歳Ｓ 1 1
アサクサゲンキ 4 3 小倉２歳Ｓ 3 1
18 ファンタジスト 2 1 小倉２歳Ｓ 3 1
カルリーノ 美浦 6 3 函館２歳Ｓ 3 3
19 タイセイビジョン 栗東 1 1 函館２歳Ｓ 2 2
ビアンフェ 3 2 函館２歳Ｓ 4 1
20 モントライゼ 1 1 小倉２歳Ｓ 1 2
ロードマックス 3 2 新潟２歳Ｓ 6 7
OP特別 14 サフィロス 美浦 4 2 カンナＳ 1 1
15 シャドウアプローチ 栗東 1 3 ききょうＳ 2 1
17 タワーオブロンドン 美浦 1 1 ききょうＳ 1 1
18 アウィルアウェイ 栗東 1 2 ダリア賞 1 1
21 キングエルメス 栗東 8 1 クローバー賞 1 5
ラブリイユアアイズ 美浦 3 3 クローバー賞 4 1
22 フロムダスク 栗東 11 2 カンナＳ 2 10

１勝クラス以下の組なら前走１～２番人気馬

前走新馬・未勝利・500万（現１勝クラス）からの好走馬は表の11頭。こちらは関東馬、関西馬が入り交じっているが、前走人気は１頭を除き３番人気以内で、11頭中９頭は１～２番人気。そして、新馬・未勝利はもちろん、500万条件組でも前走１着が求められる。オープン特別組と似た傾向だ。

【前走新馬・未勝利・１勝クラスからの好走馬（過去10年）】

年 馬名 所属 人気 着順 前走 前走距離 前走人気 前走着順
13 カラダレジェンド 美浦 5 1 新馬 芝14 2 1
クインズハリジャン 栗東 6 2 未勝利 芝14 1 1
14 ニシノラッシュ 美浦 1 3 くるみ賞 芝14 1 1
15 ボールライトニング 栗東 2 1 新馬 芝14 1 1
アドマイヤモラール 美浦 6 2 未勝利 芝16 1 1
16 ディバインコード 美浦 4 3 アスター賞 芝16 2 1
19 ヴァルナ 栗東 4 3 未勝利 芝16 1 1
20 ユングヴィ 美浦 5 3 未勝利 芝14 3 1
21 トウシンマカオ 美浦 4 2 新馬 芝16 2 1
22 オオバンブルマイ 栗東 10 1 新馬 芝14 5 1
スピードオブライト 美浦 5 3 新馬 芝12 1 1

栗東組優勢、ＣＷ組の好走確率が高い

過去10年の好走馬の追い切りを、栗東は坂路とＣＷ組が好成績。好走馬数が多いのは坂路組だが、好走確率はＣＷ組が非常に高い。 対して美浦組は、関東馬全体の好走確率が低くとどまることもあって低調。一昨年は栗東ＣＷ組が不在、栗東坂路組がすべて８番人気以下だったが、その８番人気だった栗東坂路組のキングエルメスが優勝している。ただ、美浦でも南Ｗ組は７頭が好走しているため、完全に無視してしまうのも危険だ。

【主な追い切りコース別成績（過去10年）】

追い切りコース 成績 勝率 連対率 複勝率
栗東 坂路 4-4-2-23 12.1% 24.2% 30.3%
CW 4-3-2-8 23.5% 41.2% 52.9%
美浦 南坂路 1-1-1-16 5.3% 10.5% 15.8%
南Ｗ 0-2-5-51 0.0% 3.4% 12.1%
南Ｐ 0-0-0-5 0.0% 0.0% 0.0%

2023年京王杯２歳Ｓ（Ｇ２）調教状態＆コメント

アグラード　津村明秀

調教状態

２度使って少しテンションは上がってきたが、何とか折り合いはついていた。力強さに溢れるフットワークで迫力は満点。筋肉質の好馬体も目立つ。雰囲気は上々。

厩舎コメント

(発馬五分で)高柳瑞師――前走もスタートが悪かったけど、最後は鋭い脚を使いました。距離短縮していい勝ち方でした。今回は相手も強くなるので五分に出て流れに乗ってほしいです。

アスクワンタイム　岩田望来

調教状態

コンパクトにまとまった体で久々でも太め感はなし。ピッチの利いた走りで１ハロン延長が鍵だが、態勢は整う。

厩舎コメント

(兄が勝ち)梅田智師――１週前にジョッキー騎乗でビシッとやってスイッチが入ってきた感じ。全兄が勝ったレースでもあるので、頑張ってほしいね。

アンバーニードル　吉田豊

調教状態

首を上手に使えているし、四肢がスッと伸びており、脚捌きも滑らか。心身ともに整っている印象。好態勢。

オーキッドロマンス　内田博幸

調教状態

重心が高めのフォームで、スッと反応する感じではなかったが、終いの伸びはシャープ。馬体の張りも良好。

コラソンビート　横山武史

調教状態

先週が好時計。直前は単走で折り合い重視。ラスト１ハロンは数字以上のスピード感があった。仕上がりは良好。

厩舎コメント

(操縦性高く)伊藤助手――体つきはまだ幼いが、精神的に大人びており、走りにセンスがあって操縦性も高い。これからいい成長を遂げてくれれば、先々が楽しみな馬。初の重賞挑戦になるが、勝ち負けに加わってほしい。

ジャスパーノワール　田辺裕信

調教状態

遠征を控えた中２週で２本速い時計を出して、実に意欲的。柔軟な動きで、パワフルさも十分。上積み大。

厩舎コメント

(1400でも)村上助手――現状はためが利かないので、無理に抑え込まない方が良さそうですが、前回の内容なら1400ｍでも大丈夫でしょう。出てから速いのですが、中でうるさい面があるので中間もゲート練習を。重賞に入ってどんな走りをしてくれますか。

ゼルトザーム　浜中俊

調教状態

久々でも気合乗りが良く、俊敏な身のこなしで登坂。時計の印象以上に切れた。仕上がりも良く、いきなり。

厩舎コメント

(ここが試金石)加用師――休み明けの一戦で、初めての左回りなど、今後に向けての試金石になるのでは。ここ２戦とも、先頭に立つと耳を立てて、真剣に走っていないところがあった。それだけ、馬にも余力があったんだろう。どんな競馬ができるのか楽しみ。

タイガードラゴン　永野猛蔵

調教状態

一度使って少しうるさくなってきたが、迫力が増しており、動きはグンと良化。馬体も細くなってはいない。

タヤスロンドン　江田照男

調教状態

先週、今週とチークピーシズを着用。まだ集中力に欠ける感じ。負荷はかけているが、上昇は今ひとつかも。

バンドシェル　菅原明良

調教状態

鋭く切れる印象はないものの、同じペースで長く脚を使えている。ひと叩きされて落ち着きも出ていい雰囲気。

ミルテンベルク　Ｊ．モレイラ

調教状態

いい時に比べると反応が物足りなかったが、フォームは良く、落ち着きもある。馬体もほぼ仕上がっている。

厩舎コメント

(東京1400でも)武英師――気のいいタイプで、休み明けでも仕上げやすいですね。今回は左回りの東京1400ｍと条件がガラッと替わります。競馬に行って注文はそうつかないので、こなしてくれるのではと思います。

ロジリオン　北村宏司

調教状態

２頭を追走して持ったままの手応えで同入。デビューから稽古はよく動いていたが、中間は更に力強さが増してきた印象。馬体の充実ぶりも目を引く。気配は上々。

厩舎コメント

(前走の勝ち方なら)古賀慎師――直前はジョッキーが騎乗して、３頭で併せ馬を。動きは良かったし、引き続きいい状態で挑める。時計の短縮など課題はまだあるけど、前走の勝ち方なら楽しみ。

2023年京王杯２歳Ｓ予想

メンバー全体をざっと均してみると、抜けた存在もいなければ、能力が大きく見劣る馬もおらず、総じて平均レベルの印象を受ける。従って、ポテンシャルと当舞台への適性重視になるが、そのあたりは予想者の評価と考え方によるところが大きい。

◎ミルテンベルク

小倉２歳Ｓは同日２勝クラスと０秒４差。ギリギリ水準レベルと見て、１、２着馬を上位にピックアップ。新馬戦のパフォーマンスとタイム、血統の配合的な好みから、こちらを上位に取った。

○アスクワンタイム

デビュー３戦、いずれも上がり600メートル最速か最速タイ。レースぶりから距離延長はまったく問題がなく、体は小さいが、全兄ファンタジストに近いタイプのイメージ。スローになれば、こちらが有利。

▲ジャスパーノワール

前走タイムは２歳戦とすればかなり優秀で、前日１勝クラスと０秒１差。このスピードと記録が東京芝1400メートルと線でつなげるかどうかだが、逃げ馬が上がり600メートル最速は掛け値なしに強い。

◇コラソンビート

1600メートルで見せたスピードを距離短縮で瞬発力に転化。早い時期に理想的な脚質転換に成功した。ただ、ダリア賞はメンバー、タイム的に見て、凡戦の感が強い。ここでの力関係が読みづらい。

管理人の予想印

◎ ミルテンベルク
○ アスクワンタイム
▲ ジャスパーノワール
◇ コラソンビート
△１ ゼルトザーム
△２ アグラード
△３ ロジリオン

買い目

単勝/複勝

８

馬連

フォーメーション

軸８、11
相手１、２、６、７、８、11、12