2024年スプリングステークス過去データと予想分析

第73回 スプリングＳ（Ｇ２）

2024年3月17日（日）　中山競馬場　芝1800ｍ

皐月賞を目前に控えた前哨戦・スプリングＳ。古くからトライアル競走に指定されており、現在は３着以内馬に皐月賞への優先出走権が与えられる。過去10年の優勝馬から皐月賞馬は出ていないが、2015年のキタサンブラックは秋に菊花賞を、そして18年のステルヴィオはマイルＣＳを制している。

また本競走で２着以下だった馬では、18年２着のエポカドーロが本番の皐月賞を制し、続く日本ダービーでも２着に好走。翌19年には本競走では２番人気７着に終わったロジャーバローズが、京都新聞杯２着を挟みダービーの栄冠を手にした。皐月賞はもちろん、後のＧ１へ向けても重要なこの一戦を制するのはどの馬か。過去の傾向を見てみよう。

スプリングステークス過去10年間配当金

スプリングステークス過去10年間結果

スプリングステークス過去10年間結果前走レース

１、２番人気はやや勝ち切れず

過去10年の１番人気は【1.4.2.3】、２番人気は【1.2.2.5】で好走馬は少なくないものの、少々勝ち切れない成績。ただ１番人気でも単勝３倍未満の馬は【1.3.2.0】と馬券圏内を外していない。

この１、２番人気が人気の割にはやや物足りない一方で、馬券に絡んだ30頭中28頭は７番人気以内。10番人気のエメラルファイトが優勝した2019年こそ波乱になったが、他の年は３連単５万円台以下と、大きく荒れる可能性は低いレースだ。

連対候補は内枠がやや優勢か

枠番別成績では１枠から８枠まですべて連対馬を出している。ただ、連対率は１枠33.3％が抜けており、次いで３枠18.8％となっている。１～４枠の合計で連対率19.6％、５～８枠は同11.8％。３着馬が外中心のため複勝率は差がなくなるが、連対候補は内めの枠を中心に選びたい。

480キロ以上が好成績も、１着には中型馬も

馬体重別では490キロ台が【1.4.0.12】複勝率29.4％、500キロ以上が【3.3.4.18】同35.7％など大型馬が優勢。特に480キロ以上の馬が上位人気に推された際は安定した走りを見せている。ただ、2016～19年に460キロ前後の馬が連勝するなど、１着候補に関してはあまり馬体重を気にする必要はない。

前走１勝クラス組に妙味あり

過去10年の前走クラス別成績をみると、１勝クラス（旧500万条件）に出走していた馬が【7.5.3.37】で複勝率28.8％。ＪＲＡのオープン・重賞に出走していた馬の合計は【3.5.6.46】同23.3％にとどまっている。１勝クラス組の方が好走確率が高い上、重賞組が人気になりやすいだけに、配当妙味のある１勝クラス組への注目は欠かせない。

その１勝クラス組の好走馬を見ると、前走1600～2000ｍで連対してきた馬が大半で、2020～21年は2200ｍ以上で馬券圏外だった馬が巻き返しをみせている。前走連対馬を中心にしつつ、400ｍ以上の距離短縮馬も警戒したい。一昨年はこの組から好走馬が出なかったが、該当馬が２頭と例年に比べかなり少なかった。８頭が出走した昨年は１～３着を独占した。

【前走１勝クラス・500万条件からの好走馬（過去10年）】

年 馬名 人気 着順 前走 コース 前走人気 前走着順
14 ロサギガンティア 3 1 500万平場 芝18 2 1
クラリティシチー 4 3 セントポーリア賞 芝20 1 2
15 キタサンブラック 5 1 500万平場 芝20 9 1
16 マウントロブソン 4 1 あすなろ賞 芝20 2 1
マイネルハニー 5 2 フリージア賞 芝20 3 1
17 ウインブライト 5 1 若竹賞 芝18 1 1
アウトライアーズ 2 2 ひいらぎ賞 芝16 1 1
18 エポカドーロ 3 2 あすなろ賞 芝20 1 1
マイネルファンロン 6 3 フリージア賞 芝20 4 2
19 エメラルファイト 10 1 白梅賞 芝16 3 1
20 ガロアクリーク 6 1 水仙賞 芝22 6 4
21 アサマノイタズラ 7 2 水仙賞 芝22 1 4
23 ベラジオオペラ 2 1 セントポーリア賞 芝18 1 1
ホウオウビスケッツ 1 2 フリージア賞 芝20 7 1
メタルスピード 8 3 １勝クラス平場 芝16 1 1

東西ともＷコース・同入に注目

東西の所属別成績は、関東馬が【6.6.8.61】複勝率24.7％、関西馬は【4.4.2.38】同20.8％と関東馬がやや優勢。追い切りコース別の成績を調べると、美浦の南Ｗコースで追い切られた馬が【6.5.8.50】と好走馬の約2/3を占めている。中でも併せ馬で先着または同入だった馬の勝率が高く、複勝率では同入だった馬がかなり優秀だ。栗東ＣＷ組も数は少ないが併せ馬で同入した馬は【2.0.0.1】と好結果を残している。

【主な追い切りコース別成績（過去10年）】

コース 併せ 成績 勝率 連対率 複勝率
美浦南Ｗ 全 6-5-8-50 8.7% 15.9% 27.5%
先着 3-0-2-15 15.0% 15.0% 25.0%
同入 3-3-3-17 11.5% 23.1% 34.6%
遅れ 0-0-0-4 0.0% 0.0% 0.0%
単走 0-2-3-14 0.0% 10.5% 26.3%
美浦南坂 全 0-1-0-7 0.0% 12.5% 12.5%
美浦南Ｐ 全 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%
栗東CW 全 2-1-2-13 11.1% 16.7% 27.8%
栗東坂 全 2-3-0-25 6.7% 16.7% 16.0%

馬ランドの過去データ表の見方

当サイトの表の読み方をご説明します。
下記のように●●●ステークス人気別過去データの欄があるとします。

●●●ステークス
人気別過去データ

人気	着別度数	勝率	連対率	複勝率
１番人気	0-1-0-2/3	0.0%	33.3%	33.3%
２番人気	0-0-2-1/3	0.0%	0.0%	66.7%

スプリングＳ
人気別過去データ

スプリングＳ
前走レース名別過去データ

スプリングＳ
前走着順別過去データ

スプリングＳ
前走コース別過去データ

スプリングＳ
単勝オッズ別過去データ

スプリングＳ
騎手別過去データ

スプリングＳ
枠番別過去データ

スプリングＳ
前走上り3F別過去データ

スプリングＳ
前走人気別過去データ

スプリングＳ
前走クラス別過去データ

スプリングＳ
前走場所別過去データ

スプリングＳ
前走距離別過去データ

スプリングＳ
脚質別過去データ

スプリングＳ
年齢別過去データ

スプリングＳ
馬体重過去データ

スプリングＳ
ハンデ別過去データ

スプリングＳ
種牡馬別過去データ

2023年スプリングＳ（Ｇ２）調教状態＆コメント

アレグロブリランテ　横山和生

調教状態

１週前にしっかり追って、直前は馬なり。体を大きく使って、非常に滑らかな脚捌き。態勢はほぼ万全か。

ウォーターリヒト　幸英明

調教状態

月に約１走とコンスタントに出走しているが、とにかく元気一杯で中間の調整も意欲的。首を使ってリズム良く走れている。毛ヅヤも明るくなって、いかにも好調。

厩舎コメント

(順調)黒田助手――先週にコースでしっかりとやっていますから、追い日はこれで十分でしょう。順調ですよ。コーナー４回の競馬は経験しています。あとは輸送をクリアできれば。

コスモブッドレア　石川裕紀人

調教状態

大きなフットワークで、脚力が違うといった感じで先着。時計も優秀で、ひと息入るもほぼ万全だろう。

厩舎コメント

(距離歓迎)小野次師――直前は少し速過ぎたが、最終追い切りとしては満足のいくもの。馬体はデビューから約20キロ増と逞しくなって成長している。1800メートルの方が器用さを生かせるし、今回も積極策で期待したい。

シックスペンス　Ｃ．ルメール

調教状態

パワフルな走りを見せて、内で闘争心を剥き出し。仕掛けて右手前に替えると、鋭く伸びて突き放した。

厩舎コメント

(前走以上)国枝師――１週前にＷコースでやってあるので今週は坂路で追ったが、動きは良かったし、馬体も前走より絞れている。体つきに伸びが出てきたので距離は延びても問題なさそう。皐月賞はともかく今後のために賞金を加算したいね。

ジュンゴールド　坂井瑠星

調教状態

今週の遅れは無理しなかっただけ。ひと追い毎に上向き、先週に比べると気合乗りが良くなり、動きも素軽くなった。乗り込まれて馬体もほぼ仕上がっている。

厩舎コメント

(前回イレ込み)友道師――前回は初めての中山ということもあってか、装鞍所からイレ込みました。実戦タイプで、動きはこの馬なり。使ってガス抜きはできていると思います。２回目の中山ですし、1800メートルも良さそうなので。

スティンガーグラス　戸崎圭太

調教状態

少し口向きの悪さは見せたが、最後はしっかりハミを取って相手をアオるくらいの伸び。推進力は十分。

厩舎コメント

(１段上昇)太田助手――初戦は展開に恵まれました。まだ成長段階でポテンシャルを使い切れていません。もっと体が動くようになるといいですが、１段ベースは上がっています。

チャンネルトンネル　松岡正海

調教状態

体を大きく使ったフットワークで、加速も実に滑らか。疲れなどはなく、上積みも見込めそうだ。

厩舎コメント

(いい状態)堀内師――前走の競馬ぶりから中山なら1800メートルでも保ちそうだったのでここへ。追い切りの動きは良く、状態はいいですね。力は出せるので、あとは重賞での力関係だけ。

ペッレグリーニ　岩田康誠

調教状態

基本ズブくて動かないタイプ。今回も遅れたが、大きく追走して意欲的には追えている。力は出せるはず。

厩舎コメント

(中山向きそう)手塚師――放牧明けでも順調にきている。もともと稽古は地味なタイプで併せて劣勢でも実戦に行けば動けるからね。競馬ではガッツがあるので展開に注文がつかないし、中山1800メートルも合っている気がする。

ルカランフィースト　横山武史

調教状態

前脚を高く上げ、以前より躍動感が出た。馬体が逞しくなって、推進力も増したか。成長著しい。

厩舎コメント

(楽しみ)鹿戸雄師――テンはなかなか進んでいかなかったけど、エンジンがかかってから凄い脚を使ってくれた。直前はジョッキーが騎乗して、余力十分に先着。引き続きいい状態で挑めそう。メンバーは揃うけど楽しみ。

ログラール　北村友一

調教状態

１週前にビシッと追って直前は終い重点。やや頭の高いフォームでも伸びやかなフットワークでゴール前はなかなか勢いがあった。体つきも良く、デキは安定。

2023年スプリングＳ予想

過去10年をざっと振り返って見ると、菊花賞馬キタサンブラックが優勝し、皐月賞馬エポカドーロが２着しているが、他の馬はほとんどクラシックと直結していない。位置づけに悩まされる重賞で、基本的には、現時点での能力比較とコース＆距離適性を重視するべきだろう。

◎シックスペンス

共同通信杯のジャスティンミラノ、クイーンＣのクイーンズウォークと同じキズナ産駒。２連勝の記録は地味だが、好センスで着差以上の強さ。配合の肝は母のクリプトクリアランス４×３とダンチヒ４×４。瞬発力と底力を付与する強い個性がある。

○ウォーターリヒト

クラシック戦線の中で、記録的に評価できるのは、現時点では、弥生賞ディープインパクト記念ときさらぎ賞の２つ。経験を積みながら、瞬発力勝負型に変わったが、中山向きの機動力も兼備。

▲ジュンゴールド

京成杯の敗因は、テンションが高く引っ掛かったこと。当時、１番人気に支持された評価（私も本命だった）を１戦で下げるわけにはいかない。落ち着いて臨戦できれば。

◇ペッレグリーニ

東京芝1800メートルで２連勝。安定した取り口で、好位から速い上がりを繰り出せる。ツーターンは初めてだが、一瞬の脚が身上とすれば、この舞台はマッチする。

管理人の予想印

◎ シックスペンス
○ ウォーターリヒト
▲ ジュンゴールド
◇ ペッレグリーニ
△１ コスモブッドレア
△２ チャンネルトンネル
△３ ルカランフィースト

買い目

単勝/複勝

４

馬連

軸３、４
相手１、２、３、４、５、６、９