2024年弥生賞過去データと予想分析

第61回 弥生賞（Ｇ２）

2024年3月3日（日）　中山競馬場　芝2000ｍ

牡馬クラシック第一弾の皐月賞と同コースで行われるトライアル競走・弥生賞。2005年のディープインパクトなど３頭の三冠馬を筆頭に、数多くの皐月賞馬を輩出。同馬の功績をたたえ、2020年から正式名称「報知杯弥生賞ディープインパクト記念」として行われている。

その皐月賞との繋がりは近年やや薄くなっており、過去10年の本競走出走馬は皐月賞で優勝がなく、２着５回３着２回。一方で日本ダービーの優勝馬は2023年のタスティエーラ（本競走１着）など５頭を数え、どちらかといえばダービーに繋がるレースになっている。また、菊花賞やＮＨＫマイルＣの好走馬も出しており、皐月賞にかぎらず今後のＧ１へ向けて注目の欠かせない一戦だ。そんな弥生賞の、過去の傾向を見てみたい。

弥生賞過去10年間配当金

弥生賞過去10年間結果

弥生賞過去10年間結果前走レース

馬ランドの過去データ表の見方

当サイトの表の読み方をご説明します。
下記のように●●●ステークス人気別過去データの欄があるとします。

●●●ステークス
人気別過去データ

人気	着別度数	勝率	連対率	複勝率
１番人気	0-1-0-2/3	0.0%	33.3%	33.3%
２番人気	0-0-2-1/3	0.0%	0.0%	66.7%

弥生賞
人気別過去データ

弥生賞
前走レース名別過去データ

弥生賞
前走着順別過去データ

弥生賞
前走コース別過去データ

弥生賞
単勝オッズ別過去データ

弥生賞
騎手別過去データ

弥生賞
枠番別過去データ

弥生賞
前走上り3F別過去データ

弥生賞
前走人気別過去データ

弥生賞
前走クラス別過去データ

弥生賞
前走場所別過去データ

弥生賞
前走距離別過去データ

弥生賞
脚質別過去データ

弥生賞
年齢別過去データ

弥生賞
馬体重過去データ

弥生賞
ハンデ別過去データ

弥生賞
種牡馬別過去データ

少頭数でも穴馬に注意

過去10年、１～２番人気は計【6.6.3.5】で優勝馬６頭、連対率60.0％とまずまず。優勝馬10頭中９頭は４番人気以内から出ている。

ただ、表にも記したように出走頭数がさほど多くならない割には、穴馬の好走も多い印象がある。たとえば2021年のタイトルホルダーは４番人気だったが、１番人気３着のダノンザキッドが単勝1.3倍の圧倒的支持を受けていたため、タイトルホルダーの単勝配当は1790円を記録。一昨年の３番人気・アスクビクターモアも、１番人気ドウデュースとは離れた670円だった。一方2016年のように３連単３桁配当の年もあり、波乱度の見極めがカギになる。

外枠の人気馬が好成績

馬番別成績で高複勝率を記録するのは、４、10、11番。全体としては、このレースとしては外めの枠を引いた馬が安定している。特に10～11番の馬が３番人気以内に推されると複勝率100％だ。一方、なかほどの５～７番は【1.3.1.25】で複勝率16.7％止まり。そして内めの１～３番は３連複候補としてなら大きく割り引く必要はないが、連対候補としてはかなり苦しい印象になっている。

オープン・重賞組は前走５番人気以内５着以内

前走でオープン・重賞に出走していた馬が好走馬の大半を占め、近５年では15頭中11頭。特に、暮れに本競走と同コースで行われるＧ１・ホープフルＳからの出走馬が多く好走している。このオープン・重賞組（過去５年）は前走５番人気以内かつ５着以内なら【2.2.4.10】複勝率44.4％。好走馬は全馬が前走５着以内で、前走人気も５番人気以内だった馬が多い。なお、前走がオープン・重賞以外だった馬は、着外経験の少ない距離延長馬の好走が中心だ。

【前走オープン・重賞からの好走馬（過去５年）】

年 馬名 人気 着順 前走 距離 前走人気 前走着順
19 メイショウテンゲン 8 1 きさらぎ賞 1800 5 5
ブレイキングドーン 4 3 ホープフルＳ 2000 4 5
20 ワーケア 1 2 ホープフルＳ 2000 2 3
オーソリティ 3 3 ホープフルＳ 2000 4 5
21 タイトルホルダー 4 1 ホープフルＳ 2000 7 4
ダノンザキッド 1 3 ホープフルＳ 2000 1 1
22 ドウデュース 1 2 朝日杯FS 1600 3 1
ボーンディスウェイ 9 3 ホープフルＳ 2000 10 5
23 タスティエーラ 3 1 共同通信杯 1800 2 4
トップナイフ 1 2 ホープフルＳ 2000 7 2
ワンダイレクト 2 3 若駒Ｓ 2000 3 2

【前走オープン・重賞以外からの好走馬（過去10年）】

年 馬名 人気 着順 前走 距離 前走人気 前走着順 全成績
17 マイスタイル 8 2 こぶし賞 1600 2 1 2-0-1-1
19 シュヴァルツリーゼ 6 2 新馬 1800 2 1 1-0-0-0
20 サトノフラッグ 2 1 1勝クラス 2000 1 1 2-0-0-1
21 シュネルマイスター 2 2 ひいらぎ賞 1600 1 1 2-0-0-0
22 アスクビクターモア 3 1 1勝クラス 2000 1 1 2-0-2-0

穴馬を狙うならコース追い

栗東ＣＷ追い切り馬が複勝率36.7％の好成績。また、該当馬の多い美浦南Ｗコース組は、ラスト１ハロンの時計が12秒６以下だった馬にかぎると栗東ＣＷ全体と互角以上の成績になる。 　また、坂路追いの好走馬は人気馬中心、穴で好走した馬はコース追い、という傾向が見られた。２つ目の表は６番人気以下で好走した６頭で、すべてコース追いだった。坂路組も美浦が【1.0.1.6】、栗東が【2.2.2.16】と好走馬自体は出ているが、いずれも５番人気以内だった。

【主な追い切りコース別成績（過去10年）】

コース ラスト１Ｆ 成績 勝率 連対率 複勝率
美浦南Ｗ 全 4-4-2-31 9.8% 19.5% 24.4%
～12.6秒 3-3-2-14 13.6% 27.3% 36.4%
12.7秒～ 1-1-0-17 5.3% 10.5% 10.5%
美浦南坂 全 1-0-1-6 12.5% 12.5% 25.0%
栗東ＣＷ 全 3-4-4-19 10.0% 23.3% 36.7%
栗東坂 全 2-2-2-16 9.1% 18.2% 27.3%

【６番人気以下の好走馬の追い切り（過去10年）】

年 馬名 人気 着順 コース 馬場 騎乗 追い切り時計 位置 脚色 併せ
13 ミヤジタイガ 10 2 栗東CW 稍 和田竜 81.3-65.6-51.6-38.6-12.4 9 一杯
15 タガノエスプレッソ 10 3 栗東芝 重 菱田 85.0-68.6-53.6-39.6-12.8 2 馬ナリ
17 マイスタイル 8 2 栗東CW 良 西谷 84.4-68.2-53.0-38.8-11.9 5 馬ナリ 0.1秒先着
19 メイショウテンゲン 8 1 栗東CW 良 池添 82.0-66.6-51.9-38.5-12.3 5 一杯 同入
シュヴァルツリーゼ 6 2 美南Ｗ 良 石橋脩 69.8-54.0-39.6-13.6 4 馬ナリ 0.1秒先着
22 ボーンディスウェイ 9 3 美南Ｗ 良 石橋脩 82.2-65.4-50.2-36.3-11.8 6 馬ナリ 0.1秒先着

2023年弥生賞ディープインパクト記念（Ｇ２）調教状態＆コメント

アドミラルシップ　戸崎圭太

調教状態

遅れたが余裕十分で好時計。体を大きく使って、気持ちも前向き。疲れはなく元気一杯。力は出せる。

厩舎コメント

(実績の舞台)相沢師――ゆりかもめ賞の敗因が特定できないが、その後の立ち上げは順調。ここ２週はしっかり動けたし、反応も言うことなし。体調面の不安はないよ。ホープフルＳ４着の舞台で改めて期待。

エコロレイズ　横山和生

調教状態

バネを利かせて弾むようなフットワーク。時計も非常に速く、推進力は満点。気配は前走以上かも。

コスモキュランダ　Ｍ．デムーロ

調教状態

少しムキになっていたが、勢いは感じさせるフットワーク。若さは気になるが、体調自体はいいのではないか。

シュバルツクーゲル　西村淳也

調教状態

今週も頭を上げつつではあったが、我慢が利いている分だけゴール前は鋭い伸び脚。久々でも態勢は整った。

厩舎コメント

(中山合う)鹿戸雄師――最後まで踏ん張って、いい内容だった。前走同様に坂路とポリトラック主体の調整。直前も余力のある走りで、態勢は整った。レースが上手だし、持ち味を生かせる中山は合っている。ここも楽しみ。

シリウスコルト　三浦皇成

調教状態

首を下げて鞍上をグイグイ引っ張るくらいの勢い。最後まで重心を上げずに力強さも満点。成長が感じられる。

厩舎コメント

(適性に期待)宗像師――追い切りは単走で馬なりで流したが、弾んだ動きだった。先週で483キロだったので、前走ぐらいの体で出走できそう。相手は強くなるが、この舞台の適性に期待。

シンエンペラー　川田将雅

調教状態

１週前調教が土曜日にズレ込んだが、乗り込み量は豊富。仕上がりもいい。頭の高い走りではあるが、前走よりも前向きに走れている点がいい。力を出せる状態。

厩舎コメント

(力を出せる)岡助手――早めに抜け出すと遊んでしまったように、前走が力負けだとは思っていません。まだ絶好調とはいえなくても、今週はジョッキーにもいい感触を持ってもらえましたし、力を出せる仕上がりですよ。まだ子供っぽいですが、最後まで前に目標がいれば、また違うでしょう。

ダノンエアズロック　Ｒ．キング

調教状態

バランス良く素軽さも満点。手前はぎこちないが、楽に好時計と推進力は抜群。太めもなく仕上がり良好。

厩舎コメント

(結果を)堀師――追い切りは、スムーズに加速して無理せず速いラップを出せた。ＤＤＳＰの症状もまったく出なかった。皐月賞の前に中山芝2000メートルを経験させるためは２つの選択肢があったが、馬への負担を考えてホープフルＳをパスしてここへ備えた。元気が良くても、キャンターへ下ろせば折り合ってリラックスして走れる点が長所。リズム良く競馬ができれば、結果はついてくるはず。

トロヴァトーレ　Ｃ．ルメール

調教状態

４角は先行馬の後ろに入れて我慢。最後は仕掛けて遅れたが、この時計なら問題はない。及第点以上だろう。

厩舎コメント

(切れ味が凄い)鹿戸雄師――２戦とも余裕のある勝ち方で、一瞬の切れ味は凄いモノがあるね。直前は動くタイプと併せて、いい稽古ができた。メンバーは揃うけど、この馬も能力は相当高い。あとはいい馬場で出走ができれば。

ニシノフィアンス　内田博幸

調教状態

かなりムキになる感じではあったが、最後まで勢いは鈍らなかった。脚力は相当。折り合いが課題なのかも。

ファビュラススター　横山武史

調教状態

道中はしっかり我慢させて、直線で促すと凄い勢いで駆け抜けてきた。馬体も更に充実。デキは文句なし。

厩舎コメント

(重賞でも)萩原師――前走は物見をしたのか抜け出して内にモタれましたが、追い切りでは前の馬を交わしても問題なく走れていました。ここ目標に順調に調整できました。重賞の今回は相手が強くなりますが、ここでいい競馬ができればと思っています。

レッドテリオス　津村明秀

調教状態

時計は平凡でも全身を使って推進力は十分。馬体も引き締まって、この相手でも可能性を感じさせる走り。

2023年弥生賞ディープインパクト記念予想

過去10年で、ここを勝って皐月賞も連勝した馬はいないが、連対馬からは、５頭のダービー馬が出ている。皐月賞と連動しづらいのは、この時期の中山芝2000メートルを走り切ってしまうと、中５週の皐月賞でパフォーマンスが落ちてしまうからだ。いずれにしてもポテンシャルの勝負で、今年の上位人気３頭はクラシックの有力候補。

管理人の予想印

◎ ダノンエアズロック
○ トロヴァトーレ
▲ シンエンペラー
◇ ファビュラススター
△１ シュバルツクーゲル
△２ シリウスコルト
△３ コスモキュランダ

◎ダノンエアズロック

東京芝1800メートルの２歳戦で、前半600メートル38秒０以下＆後半600メートル32秒９以下で走破した馬はイクイノックス、クロノジェネシス、スマートオーディン（重賞４勝）とこの馬しかいない。ポテンシャルの高さは言わずもがな。

○トロヴァトーレ

前走の強さには舌を巻いた。中山芝2000メートル２戦２勝のアドバンテージは大きい。最大の長所は抜け出す脚の速さで、ラスト400メートル11秒３→11秒４を、前々走は11秒４→11秒２を差し切って完勝。一瞬の切れ味は相当。

▲シンエンペラー

京都２歳Ｓは接戦をモノにしたが、ホープフルＳは接戦を落とした。いずれもソラを使ったからで、それが辛勝と惜敗につながっている。まだ全力疾走は一度としてない。もう一段ギアを隠している。

◇ファビュラススター

２戦２勝がいずれも鮮やか。同じ中山芝2000メートルで勝っているアドバンテージがこの馬にもある。前走勝ちは京成杯に匹敵するレベルで、前記３頭との能力比較に尽きる。

買い目

単勝/複勝

９

馬連

軸６、９
相手３、５、６、７、８、９、10