2021年ホープフルステークス過去データと予想分析

第38回 ホープフルＳ（Ｇ１）

2021年12月28日（火）　中山競馬場　芝2000ｍ

皐月賞と同じ中山芝2000ｍで行われる２歳Ｇ１・ホープフルＳ。レース名は2013年まで中山で行われていたオープン特別と同じだが、「第38回」の回次は13年までの「ラジオNIKKEI杯２歳Ｓ（Ｇ３・阪神）」から引き継がれたもの。従来のオープン特別を廃止し、ラジオNIKKEI杯２歳Ｓを改名して中山に移動したという形をとっている。14～16年はＧ２、そして17年からはＧ１競走となった。

そのラジオNIKKEI杯２歳Ｓは素質馬が多く出走していたレースで、過去10年（３回）の優勝馬だけでもダービー馬・ワンアンドオンリー、菊花賞馬エピファネイアが翌年のクラシックで勝利を飾っている。中山のホープフルＳになってからは、16年のレイデオロが日本ダービー、18年のサートゥルナーリアが皐月賞を制し、19年のコントレイルは無敗でクラシック三冠を達成した。翌春のクラシックに向け羽ばたくのはどの馬か。「ラジオNIKKEI杯２歳Ｓ」の11～13年と、14年以降の「ホープフルＳ」を合わせた10年の傾向を見てみたい。

ホープフルステークス過去10年間配当金

ホープフルステークス過去10年間結果

ホープフルステークス人気別過去データ

ホープフルステークス前走レース名別過去データ

ホープフルステークス前走着順別過去データ

ホープフルステークス単勝オッズ別過去データ

ホープフルステークス騎手別過去データ

ホープフルステークス枠番別過去データ

ホープフルステークス前走上り3F別過去データ

ホープフルステークス脚質別過去データ

ホープフルステークス馬体重過去データ

ホープフルステークスハンデ別過去データ

ホープフルステークス種牡馬別過去データ

ホープフルＳの過去データポイント

１～２番人気は安定、中位人気は不振

過去10年、１、２番人気はそれぞれ複勝率80.0％、70.0％と安定した成績。中山のホープフルＳになった過去７回にかぎっても、それぞれ複勝率85.7％、71.4％と人気馬が強い傾向に変わりはない。３番人気も中山過去７年【1.2.1.3】と上々、４番人気も同【0.1.1.5】と悪くはない。

しかし、これに続く５～７番人気は過去10年【1.1.0.28】、過去７年【0.0.0.21】と、特に中山に移動してからはまったくの不振だ。８～９番人気の好走馬５頭中４頭は中山に移動してからのもので、10番人気以下は過去10年好走なし。穴なら８～９番人気馬を狙いたい。

【上位馬の人気と主な配当（過去10年）】

年 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
コース 阪神（ラジオNIKKEI杯2歳S・G3） 中山（ホープフルS・G2） 中山（ホープフルS・G1）
１着人気 4 1 7 2 3 1 1 1 1 1
２着人気 3 5 8 8 1 8 4 2 3 3
３着人気 2 2 1 9 2 2 8 3 2 4
単勝 1,000円 190円 1,370円 450円 740円 150円 420円 180円 200円 210円
馬連 3,100円 2,170円 10,460円 9,330円 1,220円 2,380円 1,440円 640円 810円 680円
馬単 6,590円 3,080円 25,580円 15,000円 2,850円 2,670円 2,960円 840円 1,170円 910円
３連複 3,010円 1,230円 10,830円 76,660円 840円 3,600円 10,920円 1,130円 580円 1,900円
３連単 30,970円 8,710円 97,270円 345,220円 7,790円 15,250円 52,380円 3,650円 2,760円 5,560円

中山では中枠が好成績

中山の「ホープフルＳ」として行われた過去７回の枠番別成績を見ると、２枠と４枠、そして５枠が各２勝。また、６枠は昨年のダノンザキッドが優勝し、連対率トップタイなど好走確率も高い。この２～６枠で計【7.4.5.46】複勝率25.8％。この中では３枠が不振だが、好走の多い４番人気以内に支持された馬が皆無だった影響が大きい。１、７、８枠は計【0.3.2.34】同12.8％に終わっており、中めの枠が優勢の傾向だ。

【枠番別成績（過去７年・中山）】

枠 成績 勝率 連対率 複勝率 １～４番人気
1枠 0-1-1-7 0.0% 11.1% 22.2% 0-1-1-2
2枠 2-0-1-7 20.0% 20.0% 30.0% 2-0-1-2
3枠 0-1-0-10 0.0% 9.1% 9.1% 該当なし
4枠 2-1-2-9 14.3% 21.4% 35.7% 2-1-1-1
5枠 2-0-1-10 15.4% 15.4% 23.1% 2-0-1-2
6枠 1-2-1-10 7.1% 21.4% 28.6% 1-2-1-1
7枠 0-1-1-12 0.0% 7.1% 14.3% 0-0-0-1
8枠 0-1-0-15 0.0% 6.3% 6.3% 0-1-0-2

前走１番人気１着馬が優勢

表は、前走距離や前走での人気、着順について「ラジオNIKKEI杯２歳Ｓ」時代も含め集計したものだ。前走１番人気馬や１着馬の好走が多く、１番人気で勝ってきた馬は【6.5.6.19】複勝率47.2％と安定している。

前走距離では1800ｍ以上だった馬の好走が多く、特に芝2000ｍ戦出走馬が７勝を挙げている。ただ、複勝率は1600～1800ｍ組のほうが高いことには注意したい。

【前走距離、着順、人気別成績（過去10年）】

前走 成績 勝率 連対率 複勝率
1400m 0-0-0-3 0.0% 0.0% 0.0%
1600m 0-3-0-10 0.0% 23.1% 23.1%
1800m 4-5-7-43 6.8% 15.3% 27.1%
2000m 6-2-3-53 9.4% 12.5% 17.2%
1着 8-7-9-60 9.5% 17.9% 28.6%
2着以下 2-3-1-50 3.6% 8.9% 10.7%
1番人気 7-5-7-26 15.6% 26.7% 42.2%
2番人気 2-2-1-16 9.5% 19.0% 23.8%
3番人気以下 1-3-2-68 1.4% 5.4% 8.1%

美浦、栗東とも坂路組が優勢

中山開催過去７回の出走馬の追い切りを分析すると、栗東坂路で追い切られた馬が過半数の４勝をマークし、２着も３回。美浦南坂路組も４連対を記録しており、連対率は両坂路組が20％以上。対して美浦南Ｗ、栗東ＣＷ組は連対率ひと桁に終わっている。昨年はそのＷコース追い切り馬が１～３着を独占したが、栗東坂路組が１頭しかおらず、美浦南坂路組も３頭で、この４頭はいずれも人気薄だった。

【主な追い切りコース別成績（過去７年・中山）】

コース 成績 勝率 連対率 複勝率
美浦南坂 1-3-1-12 5.9% 23.5% 29.4%
美浦南Ｗ 1-1-2-25 3.4% 6.9% 13.8%
栗東坂 4-3-1-24 12.5% 21.9% 25.0%
栗東ＣＷ 1-0-3-12 6.3% 6.3% 25.0%

2021年ホープフルＳ（Ｇ１）調教状態＆コメント

アケルナルスター　柴田大知

調教状態

相手の反応が良かった分もあるかもしれないが、先行しながら手応えは劣勢だった。この時季としては馬体の張りは悪くないものの、雰囲気はもうひとつに映る。

アスクワイルドモア　武豊

調教状態

（山元ＴＣから11月23日に帰厩）ＣＷ主体で乗り込んで、最終調整は坂路。柔らかみのあるフットワークで軽やかに駆け抜けた。まだ腰回りの甘さはあるが、休養前よりもパンとして映る。いい仕上がりで臨めるはず。

オニャンコポン　菅原明良

調教状態

柔らかい身のこなしで、体を余すところなく使えている。直線で少し促されると鋭く反応して豪快な伸び脚。馬体も引き締まって、仕上がりは申し分なし。

厩舎コメント

(力試し)小島茂師――放牧先から帰厩後に熱発しましたが、急ピッチに乗り込み力を出せる態勢だし、以前より馬も大分垢抜けて良くなってきた印象です。前走は府中でも結果を残しましたが、ＧⅠの好メンバー相手に持ち味を生かすのは中山コースの方がいいのかも。現状のこの馬の力でどこまで通用するか楽しみです。

キラーアビリティ　横山武史

調教状態

新コンビの横山武騎手を背にスムーズに折り合い、息の合った稽古。16日に負荷をかけており、息を確かめる調整内容。ラストは11秒５。仕上がりは万全。

厩舎コメント

(折り合えば)斉藤崇師――前走は道中でずっと力みがありましたが、よく食い下がって後続を離した２着。能力を示せたと思います。体調面は良好。それにワンターンより、コーナー４回の中山2000メートルの方がレースはしやすそう。あとはスムーズに折り合えば。

クラウンドマジック　岩田康誠

調教状態

外にモタれ気味で鋭さは感じないが、ラップを大きく落とさず走り切れた。まだ馬体が太く映って幼さも残るが、ビシッと追われたことで上向くはず。

グランドライン　三浦皇成

調教状態

先行したにしてもアナザートゥルースをアオッて好時計をマーク。体を大きく使って迫力は満点。毛ヅヤもピカピカで、疲れどころか前走よりいい雰囲気か。

コマンドライン　Ｃ．ルメール

調教状態

（ノーザンＦ天栄から12月３日に帰厩）１週前も意欲的だったが、今週はハヤヤッコなどを大きく追いかけて、気合もつけての同入。反応はやや鈍いが、ゴール前は上々。これで体も気合も変わりそう。態勢は整ったか。

厩舎コメント

(先週より良化)国枝師――１週前の稽古では終いの伸びが物足りなかったが、今週は手前を替えてからの伸びが良かった。馬体は増えていても太くはないし、相変わらず落ち着きがあるのがいい。長く脚を使うので距離延長はいいし、相手強化にも対応できる。

サトノヘリオス　岩田望来

調教状態

同厩舎のフィデルと同じく23日に軽く息を整える感じの稽古。中１週で長距離輸送があり、これで十分かも。やや頭が高いが、バネが利いて柔軟さはキープ。

厩舎コメント

(中山でも)友道師――中１週でも疲れはなく、むしろ上積みの方が大きいです。競馬に行って前向きさがあり、前回は馬群を割っての差し切り。口向きは良化。小回りにも対応できると思うので、ここでも楽しみです。

シェルビーズアイ　松田大作

調教状態

コーナーワークがスムーズだったし、体幹の強そうな馬。コースで実戦並みの併せ馬。元気一杯。

ジャスティンパレス　Ｃ．デムーロ

調教状態

３頭併せの中で推進力のある走りで自己ベストをマーク。この馬としては、まっすぐ走って操作性がアップ。馬体もふっくらしていいこと尽くめ。前走以上か。

厩舎コメント

(体力つき)杉山晴師――レースを使いながら体力がついてきています。追い日からレースまで時間はありますが、長距離輸送がありますからね。ここ２走は少頭数。多頭数のＧⅠで流れも違ってくると思うので、それに対応できるかどうか。ポテンシャルは高いので、どんな競馬ができるか。

タイラーテソーロ　内田博幸

調教状態

追走してやや劣勢だったが、脚取りはしっかり。体の張りは良く、集中力も感じさせた。力は出せる状態。

フィデル　川田将雅

調教状態

23日に軽く15―15。やや立派な感じはあるが、ピカピカの肌艶で迫力ある姿。長距離輸送で絞れるなら。

厩舎コメント

(ヒケは取らない)友道師――帰厩時から太めで、テンションも高く、前走時はやっと間に合ったといった仕上がり。本来はあそこからひと伸びする馬ですからね。今回は落ち着きが窺え、普段の調教でも折り合いがスムーズ。夏場の状態に戻っています。小回りにも対応。ヒケは取らないと思います。

ボーンディスウェイ　石橋脩

調教状態

追走して最後まで手応えは楽。それでもグイグイ前に出ていく感じで、楽走に近い感じで先着を果たしてきた。体が引き締まって、心身ともに充実している。

厩舎コメント

(操縦性〇)牧師――前走は開幕週でハナを切った鞍上の好判断もありましたが、どんな競馬もできるように操縦性の高さが強みですね。相手は揃いますが、２勝を挙げたこの舞台なら。

マテンロウレオ　横山典弘

調教状態

横山典騎手を背に併せ馬の内。大きく追走して自己ベストをマークして突き放す。ラストは右手前だったが、とにかく、よく四肢が伸びていた。腹回りも締まる。

ラーグルフ　丸田恭介

調教状態

（松風馬事センターから11月25日に帰厩）体を大きく使って、弾むようなフットワーク。軽く促した程度で、大きく先行した相手を突き放してきた。体も引き締まって太め感なし。態勢はきっちり整った。

厩舎コメント

(落ち着きが出て)宗像師――16日の動きが良く、22日の追い切りでほぼ仕上がったと思います。放牧を挟んで落ち着きが出て、運動場でも普通に歩けています。相手が強くなってどうかですが、その分の上乗せ分を見込みたいです。

2021年ホープフルＳ予想

サートゥルナーリア、コントレイル、ダノンザキッド。このレースを上がり600ｍ最速で勝ったものの、いずれも最速タイでしかなかった。３頭の共通点は好位差しという点、今年もスローペースになる点から見て、好位で折り合って速い脚を繰り出せるかどうかの勝負になる。そして、将来性も問われる。

◎コマンドライン

スケールは大きい。ただ、サウジアラビアＲＣを見る限り、本質はマイラーではなく、1600ｍではもうパフォーマンスが上がらない気がする。朝日杯ＦＳなら危険視できたが、2000ｍでこそ本領を発揮する。ダービーの有力候補。

○ジャスティンパレス

２戦２勝。いずれもスローで記録は平凡だが、まったく危なげのない勝利で、この好センスは、このレースでは大きな武器になる。先行して速い脚も駆使できる。

▲オニャンコポン

熱発明けでなかったら、本命も考えていたほどで、地味な血統とは裏腹に大人びたレースぶりと瞬発力、フットワークには大物感がある。この時期の父を彷彿とさせる。

◇キラーアビリティ

小倉の未勝利勝ちが凄い。平均ペースで11秒８→10秒８の加速ラップは驚異的。ただ、このレースで要求される資質とは別物。スローで折り合って、速い脚を繰り出せるかどうか。

管理人の予想印

◎ コマンドライン
○ ジャスティンパレス
▲ オニャンコポン
◇ キラーアビリティ
△１ フィデル
△２ サトノヘリオス
△３ ラーグルフ
△４ ボーンディスウェイ

買い目

単勝/複勝

６

馬連

軸６、８
相手３、５、６、７、８、９、12、13

ホープフルステークス過去記事