2023年ヴィクトリアマイル過去結果分析

第18回 ヴィクトリアマイル（Ｇ１）

2023年5月14日（日）　東京競馬場　芝1600ｍ

古牝馬にとっての春の大目標となる一戦・ヴィクトリアマイル。2006年・第１回のダンスインザムード以来、ウオッカやブエナビスタ、アパパネ、ストレイトガールといった名牝がこのレースを制してきた。一時はアドマイヤリード、ジュールポレール、そしてノームコアとＧ１競走初制覇が続いたが、ここ３年はアーモンドアイ、グランアレグリア、ソダシと実績馬が勝利を飾っている。今年も実力馬が多く登録しているが、この中からタイトルを手にするのはどの馬か、過去の傾向を見てみよう。

ヴィクトリアマイル過去10年間配当金

ヴィクトリアマイル過去10年間結果

ヴィクトリアマイル過去10年間結果前走レース

ヴィクトリアマイル
人気別過去データ

ヴィクトリアマイル
前走レース名別過去データ

ヴィクトリアマイル
前走着順別過去データ

ヴィクトリアマイル
前走コース別過去データ

ヴィクトリアマイル
単勝オッズ別過去データ

ヴィクトリアマイル
騎手別過去データ

ヴィクトリアマイル
枠番別過去データ

ヴィクトリアマイル
前走上り3F別過去データ

ヴィクトリアマイル
前走人気別過去データ

ヴィクトリアマイル
前走クラス別過去データ

ヴィクトリアマイル
前走場所別過去データ

ヴィクトリアマイル
前走距離別過去データ

ヴィクトリアマイル
脚質別過去データ

ヴィクトリアマイル
年齢別過去データ

ヴィクトリアマイル
馬体重過去データ

ヴィクトリアマイル
ハンデ別過去データ

ヴィクトリアマイル
種牡馬別過去データ

人気馬の信頼性はひと息

過去10年、１番人気は【3.2.0.5】とまずまずといった程度で、２～３番人気は【0.2.1.17】と不振。上位人気全体の信頼性は高くない。一方で２桁人気馬が2014年優勝のヴィルシーナなど７頭が好走。同年の３連単は40万馬券、そして翌年には200万馬券、17年にも91万馬券と波乱が多い。一昨年は断然人気のアーモンドアイが優勝したにもかかわらず、３連単は２万円台後半だった。2020年のように平穏な年もあるが、穴を狙っていったほうが楽しめそうなレースだ。

連対候補は４歳中心

４歳馬が連対馬20頭中10頭を占め、連対率は７歳（出走６頭のみ）に次ぐ２位の13.7％。３着がさほど多くないため複勝率では５歳馬に逆転されているが、連対候補としてはまず４歳が中心だ。その４歳の３着以内馬12頭中10頭は重賞勝ち馬。５歳以上に比べキャリアがさほど多くない中でも重賞を既に勝っているくらいの力は必要だ。また、ここ５年は４～５歳が好走馬15頭中14頭と、以前に比べると６歳以上の馬は苦しくなっている。

前走阪神牝馬Ｓ好走馬を中心に

前哨戦の阪神牝馬Ｓが、本番と同距離になったのは2016年。以降の好走馬を見ると３着以内馬21頭のうち10頭を、その阪神牝馬Ｓ組が占めている。このうち９頭は同レースの５着以内で、残る１頭は前年から連覇を達成した2016年のストレイトガール（阪神牝馬Ｓ９着）だった。他のレースをステップにした馬も含め、前走がＧ１以外なら５着あたりまでには入っていることが好走条件になる。ほかに、過去のＧ１で５着以内に入るくらいの実績を持つのが理想だ。

【好走馬の前走（過去７年）】

年 馬名 人気 着順 前走 前走人気 前走着順 主なＧ１実績
16 ストレイトガール 7 1 阪神牝馬Ｓ 3 9 ヴィクトリアＭ１着
ミッキークイーン 1 2 阪神牝馬Ｓ 1 2 オークス１着
ショウナンパンドラ 2 3 大阪杯 4 3 ジャパンＣ１着
17 アドマイヤリード 6 1 阪神牝馬Ｓ 3 2 （桜花賞５着）
デンコウアンジュ 11 2 福島牝馬Ｓ 8 4 （阪神ＪＦ７着）
ジュールポレール 7 3 阪神牝馬Ｓ 4 3 （未経験）
18 ジュールポレール 8 1 阪神牝馬Ｓ 5 5 前年３着
リスグラシュー 1 2 阪神牝馬Ｓ 1 3 桜花賞２着
レッドアヴァンセ 7 3 阪神牝馬Ｓ 11 2 （秋華賞５着）
19 ノームコア 5 1 中山牝馬Ｓ 1 7 （女王杯５着）
プリモシーン 4 2 ダービー卿ＣＴ 3 2 （ＮＨＫマイル５着）
クロコスミア 11 3 阪神牝馬Ｓ 6 5 女王杯２着
20 アーモンドアイ 1 1 有馬記念 1 9 ジャパンＣ１着
サウンドキアラ 4 2 阪神牝馬Ｓ 2 1 （ヴィクトリアＭ７着）
ノームコア 5 3 高松宮記念 8 15 ヴィクトリアＭ１着
21 グランアレグリア 1 1 大阪杯 2 4 安田記念１着
ランブリングアレー 10 2 中山牝馬Ｓ 7 1 （未経験）
マジックキャッスル 5 3 阪神牝馬Ｓ 2 2 秋華賞２着
22 ソダシ 4 1 フェブラリーＳ 4 3 桜花賞１着
ファインルージュ 3 2 東京新聞杯 1 2 秋華賞２着
レシステンシア 6 3 高松宮記念 1 6 阪神ＪＦ１着

東西ともＷコース追い切り馬に注目

過去10年の出走馬の追い切りを分析すると、栗東ＣＷ組が【3.3.1.26】複勝率21.2％、美浦南Ｗ組が【3.2.4.38】同19.1％と３勝ずつを挙げている。勝利数がもっとも多いのまは栗東坂路組の【4.3.5.53】だが、複勝率は16.0％。美浦南坂路組も【0.2.0.12】で同14.3％と、東西とも坂路組はＷコース追い切り馬に比べ複勝率は低かった。

【追い切りコース別成績（過去10年）】

追い切りコース 成績 勝率 連対率 複勝率
栗東 坂路 4-3-5-63 5.3% 9.3% 16.0%
CW 3-3-1-26 9.1% 18.2% 21.2%
Ｐ 0-0-0-3 0.0% 0.0% 0.0%
芝 0-0-0-3 0.0% 0.0% 0.0%
美浦 南坂路 0-2-0-12 0.0% 14.3% 14.3%
南Ｗ 3-2-4-38 6.4% 10.6% 19.1%
南Ｐ 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%
南芝 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%

2023年ヴィクトリアマイル（Ｇ１）調教状態＆コメント

アンドヴァラナウト　吉田隼人

調教状態

２年連続同じローテーションでの臨戦だが、調教が軽かった昨年に比べると今年は随分意欲的。馬体が細い感じはせず、フットワークも軽快。雰囲気はいい。

厩舎コメント

(体が成長)池添学師――体が成長して、やっても減りにくくなっています。硬さの出やすい馬ですが、問題ない範囲ですよ。前走は出遅れて行きっぷりも良くないなかで、ラストにいい脚。あのレースが東京で生きてくれば。

イズジョーノキセキ　岩田康誠

調教状態

出走間隔を考えれば前走より乗り込みは意欲的。坂路で派手に動く馬ではないが、最後まで踏ん張って脚を使っている。ひと叩きされた上積みは大きいはず。

クリノプレミアム　松岡正海

調教状態

単走で外を回りながら楽々と好時計。体を大きく使って、躍動感も十分。疲れはなく、まさに元気一杯。

サウンドビバーチェ　松山弘平

調教状態

１週前のＣＷの時計が速かったが、今週はその反動もなくスムーズに登坂。馬体の充実ぶりも目につく。力みの程度も許容範囲なので、このまま落ち着いて臨めれば。

厩舎コメント

(距離合う)友道助手――前々走はレース勘が戻っていなかったのか走りがバラバラでした。前走が本来の姿だと思います。現状はリズム重視で運べるこの距離が合っていますね。ＧⅠで相手が揃うけど、どこまでやれますか。

サブライムアンセム　三浦皇成

調教状態

この馬なりに体は大きくなった。ただ、いつものようにやや行きたがる。ラスト11秒０は素晴らしいタイムだが、もともと稽古はかなり動くだけに……。

スターズオンアース　Ｃ．ルメール

調教状態

今回も馬なり中心の調整ではあるが、スムーズに手前を替えて加速は抜群。スピード感に溢れて、馬体の張りも際立つほど。状態面に一切、不安はない。

厩舎コメント

(東京向く)高柳瑞師――脚部不安明けの前走もいい仕上がりでしたが、勝った馬が強く、もう少し流れに乗れればという内容でした。短期放牧を挟みましたが、今週も追ってからの反応は良かったです。久々のマイル戦ですが、広くて直線の長い東京はいいので力を出し切ればと思っています。

スタニングローズ　坂井瑠星

調教状態

（ノーザンＦしがらきから４月21日に帰厩）牝馬でもビシッと追うこの厩舎にしてはややソフトな調整だが、身のこなしがスムーズで体に太め感もない。態勢整う。

厩舎コメント

(存分に)高野師――ボリューム感を増して帰厩。戻ったあとは元気にゲートインができるよう、コンディション重視で進めてきました。今回はマイルですが、底力を問われる東京コースなら対応できそう。ＧＩホース。臆することなく、存分な走りを。

ステラリア　団野大成

調教状態

少し間隔が詰まっており、全体にセーブしたが、行きっぷりが良かった。馬体もふっくら。悪くはない。

ソダシ　Ｄ．レーン

調教状態

（ノーザンＦしがらきから３月９日に帰厩）在厩期間を長くとって丹念に乗り込まれてきた。ハードな調教を１週前に済ませ、今週は坂路で単走。促される程度でスムーズに勢いがつき、軽々とフィニッシュ。年齢を重ねて精神的にも落ち着きが出ている。仕上がり上々。

厩舎コメント

(ソダシらしい走りを)須貝尚師――先週、コースで速い時計を出しておいたから、追い日は坂路で単走。文句なしだったよ。落ち着きがあって、お嬢さんから大人の女性になった。それにワンターンの東京1600ｍは存分に力を出せる舞台。ソダシらしい走りができれば。

ソングライン　戸崎圭太

調教状態

（ノーザンＦ天栄から４月14日に帰厩）１週前は少しモタついたが、今週は反応も鋭くなり、力強さ溢れる伸び脚。馬体が引き締まって、態勢はきっちり整った。

厩舎コメント

(巻き返しを期待)林師――中間は日曜日にもコース追いを取り入れて、これまで以上に踏み込んだ攻め馬を消化。戸崎ジョッキーにもいい感触を掴んでいただきました。ここ２走の競馬を含めて、何とか結果を残さなくてはならない気持ちは強いです。巻き返しを期待。

ディヴィーナ　Ｍ．デムーロ

調教状態

小柄な馬で比較的間隔も詰まっているが、乗り込み量は実に豊富。馬体細化がないのが何よりで、動きも弾んでいる。相手関係はともかく、調子はとても良さそう。

ナミュール　横山武史

調教状態

（ノーザンＦしがらきから４月21日に帰厩）コンパクトにまとまった体形で仕上がり早や。ピッチの利いた走りをするので、引き続きマイルに使われるのは歓迎材料。

厩舎コメント

(いい競馬を)高野師――前走はスタートを決めて、道中は折り合って追走。直線ではしっかりと反応できました。内容は良かったと思います。戻ったあとはいい筋肉がついて、華奢な印象があった３歳春と比べて随分と逞しくなっていますよ。期待しています。

ナムラクレア　浜中俊

調教状態

いつも動くが、今回もスピード感満点で一気に駆け上がってくる。寸の詰まり気味の体形でベストは1200ｍだろうが、それでも評価にせざるを得ない動き。

厩舎コメント

(今なら違うはず)長谷川師――コース調教を取り入れて今は硬さがないですし、無駄な力みも少なくなりました。今の雰囲気なら２、３歳時に使っていたマイル戦とはまた違うと思います。多種多様で凄いメンバーが揃い、楽ではないでしょうが、秋に向けて選択肢が広がるような競馬を期待します。

ララクリスティーヌ　菅原明良

調教状態

（チャンピオンヒルズから４月18日に帰厩）馬場の荒れた時間帯で余力を持って回転力抜群のフォーム。ピカピカの肌艶で上げ潮に乗っている。好調維持。

ルージュスティリア　川田将雅

調教状態

１週前が本追い切り。今週は力むのをがっちり抑え込んで、余力を残した調整内容。大トビで、力強く動いている。馬っぷりの良さはここでも上位だろう。

ロータスランド　横山典弘

調教状態

一歩一歩地面をしっかり捉え、走りのバランスがいい。毛ヅヤが冴えて、体も充実している。好気配。

2023年ヴィクトリアマイルステップレース

ステップレース１　大阪杯（Ｇ１）

2023年 4月 2日(日) 阪神11Ｒ 大阪杯 16頭 芝 2000m

着順 馬番 馬名 性齢 負担重量 騎手名 タイム 着差 単勝人気
1 9 ジャックドール 牡5 58 武 豊 01:57.4 2
2 11 スターズオンアース 牝4 56 C.ルメール 01:57.4 ハナ 1
3 13 ダノンザキッド 牡5 58 横山 和生 01:57.4 クビ 10
4 7 マテンロウレオ 牡4 58 横山 典弘 01:57.8 2 8
5 2 マリアエレーナ 牝5 56 浜中 俊 01:57.9 3/4 6

レース回顧

ジャックドールが逃げる展開で、1000ｍ通過は59秒９。後半11秒台のラップを刻んで後続に脚を使わせる戦法。直線で好位追走のダノンザキットが迫るが、なかなか差は縮まらず、先頭でゴールを駆け抜けた。１番人気のスターズオンアースは＋12キロの馬体重。スタートで出遅れ、後ろからの競馬。直線では馬群をこじあけて鋭く伸びたが、ハナ差届かなかった。叩いた次走はよくなりそうだ。

ステップレース２　高松宮記念（Ｇ１）

2023年 3月 26日(日) 中京11Ｒ 高松宮記念Ｃ 18頭 芝 1200m

着順 馬番 馬名 性齢 負担重量 騎手名 タイム 着差 単勝人気
1 13 ファストフォース 牡7 58 団野 大成 01:11.5 12
2 15 ナムラクレア 牝4 56 浜中 俊 01:11.6 1 2
3 1 トゥラヴェスーラ 牡8 58 丹内 祐次 01:11.7 1/2 13
4 6 ナランフレグ 牡7 58 丸田 恭介 01:11.8 1/2 9
5 16 グレナディアガーズ 牡5 58 岩田 望来 01:12.0 3/4 10

レース回顧

不良馬場で行われ、キルロードが逃げる展開。直線では、馬場の良い外を中心に追い比べとなる。早めに先頭に立ったファストフォースに、ナムラクレアが迫るが、最後にファストフォースが突き放して勝利。１馬身差の２着にナムラクレア。直線で最内を突いたトゥラヴェスーラが３着を確保。12→２→13人気の決着で、３連単は66万円の大波乱。１番人気のメイケイエールは道悪が応え、いいところがなく12着に大敗。

ステップレース３　秋華賞（Ｇ１）

2022年 10月 16日(日) 阪神11Ｒ 秋華賞 16頭 芝 2000m

着順 馬番 馬名 性齢 負担重量 騎手名 タイム 着差 単勝人気
1 7 スタニングローズ 牝3 55 坂井 瑠星 01:58.6 3
2 8 ナミュール 牝3 55 横山 武史 01:58.7 1/2 2
3 9 スターズオンアース 牝3 55 C.ルメール 01:58.7 ハナ 1
4 6 メモリーレゾン 牝3 55 古川 吉洋 01:59.0 2 13
5 10 アートハウス 牝3 55 川田 将雅 01:59.0 ハナ 4

レース回顧

ブライトオンベイスが逃げる展開。直線に入ると好位追走のサウンドビバーチェとアートハウスが先頭に立つ。その後ろで競馬を進めていたスタニングローズが、残り１ハロン棒過ぎあたりで先頭に立つと、そのまま後続を振り切って勝利した。中団待機のナミュールが最後に鋭く伸びて２着を確保。三冠を狙ったスターズオンアースは行き脚がつかず、後方からの競馬となり、最後は追い込んだが３着まで。

2023年ヴィクトリアマイル予想

３年前はアーモンドアイ、一昨年はグランアレグリア、昨年はソダシが優勝。いずれも桜花賞馬だが、同世代の最強牝馬と言っても過言ではなく、４、４、２馬身差と圧倒的な強さを誇示した。今年はスターズオンアースが該当する。また、リピーターの多いレースなので、昨年１着ソダシ、５着ソングラインも上位候補に加えたい。

管理人の予想印

◎ スターズオンアース
○ ナミュール
▲ ソダシ
◇ ソングライン
△１ アンドヴァラナウト
△２ サウンドビバーチェ
△３ スタニングローズ
△４ ナムラクレア

◎スターズオンアース

昨年の桜花賞馬。秋華賞の惜敗を思えば、準三冠馬の評価も可能だ。昨年オークスは近年ではアーモンドアイに次ぐインパクトの強さ。そもそも、今年のメンバーで大阪杯で勝ち負けできる馬はいまい。1600メートルでも中心は不動。

○ナミュール

本質は瞬発力で勝負するマイラーと思っているが、オークス以降の３戦で、距離万能型の一面も垣間見ることができる。この手のタイプは東京芝1600メートル向き。一瞬の切れで逆転があるか。

▲ソダシ

一昨年の桜花賞馬で、昨年の優勝馬。札幌記念で距離適性が明白になったが、基本的には平均～ハイペースを先行して押し切るタイプ。ペースが落ち着きそうな今年は、脚をため過ぎると危険な人気馬になり得る。

◇ソングライン

昨年５着は致命的な不利があり、安田記念で本来のポテンシャルを発揮した。負かした相手はシュネルマイスター。前２走は度外視して、昨年安田記念、３歳時のＮＨＫマイルＣ２着を見直す必要がある。

買い目

単勝/複勝

２

馬連

軸２、11
相手２、３、４、５、６、11、12、16