2024年スプリンターズステークス過去結果と予想分析

第58回 スプリンターズＳ（Ｇ１）/h2>

2024年9月29日（日）　中山競馬場　芝1200ｍ

秋のＧ１開幕戦・スプリンターズＳ。短距離馬にとっては、この時期に早くも秋競馬最大の目標がやってくる。夏競馬出走馬や、前走・セントウルＳで復帰した馬、春のＧ１以来の馬、さらに海外組など、さまざまな路線を歩んだ馬の激突が見られるレースだ。また、2012～13年に連覇を飾ったロードカナロアや、2020年のグランアレグリアなど、多くの優勝馬が同年の最優秀短距離馬のタイトルを獲得している。その年を代表するスプリンターを決する一戦の、過去の傾向を見てみよう。

スプリンターズステークス過去10年間配当金

スプリンターズステークス過去10年間結果

スプリンターズステークス過去10年間結果前走レース

馬ランドの過去データ表の見方

当サイトの表の読み方をご説明します。
下記のように●●●ステークス人気別過去データの欄があるとします。

●●●ステークス
人気別過去データ

人気	着別度数	勝率	連対率	複勝率
１番人気	0-1-0-2/3	0.0%	33.3%	33.3%
２番人気	0-0-2-1/3	0.0%	0.0%	66.7%

スプリンターズステークス
人気別過去データ

スプリンターズステークス
前走レース名別過去データ

スプリンターズステークス
前走着順別過去データ

スプリンターズステークス
前走コース別過去データ

スプリンターズステークス
単勝オッズ別過去データ

スプリンターズステークス
騎手別過去データ

スプリンターズステークス
枠番別過去データ

スプリンターズステークス
前走上り3F別過去データ

スプリンターズステークス
前走人気別過去データ

スプリンターズステークス
前走クラス別過去データ

スプリンターズステークス
前走場所別過去データ

スプリンターズステークス
前走距離別過去データ

スプリンターズステークス
脚質別過去データ

スプリンターズステークス
年齢別過去データ

スプリンターズステークス
馬体重過去データ

スプリンターズステークス
ハンデ別過去データ

スプリンターズステークス
種牡馬別過去データ

１着は人気馬多数、穴なら８番人気以下

過去10年、１～３番人気が【8.5.2.15】。残る優勝馬２頭のうち１頭は新潟で代替された2014年のスノードラゴン（13番人気）で、もう１頭は2022年のジャンダルム（８番人気）。優勝馬が出てない４～７番人気は【0.3.3.34】複勝率15.0％止まりで、８番人気以下が計【2.2.5.82】同9.9％と人気を考慮すればかなり健闘している。配当妙味も考えれば穴人気的な馬よりは８番人気以下で高配当を狙ったほうがおもしろい。

優勝馬は牡馬中心、４歳牝馬に要注意

性別では牡・セン馬が【7.5.4.85】、牝馬が【3.5.6.46】。優勝馬10頭中７頭を牡・セン馬が占め、勝率も牝馬（5.0％）よりやや高い6.9％を記録する。ただ２、３着馬は牡馬９頭・牝馬11頭と逆転。出走数に差があるため、連対率や複勝率は牝馬のほうが高くなり、特に複勝率は牡・セン馬15.8％、牝馬23.3％となっている。

年齢もあわせてみると、４歳牝馬の複勝率が47.1％と非常に高く他をかなり引き離している。ほかに特に目立つ性齢はないため、この４歳牝馬への注目は欠かせない。

夏競馬→セントウルＳ組なら連続５着以内

前走レース別では、出走数最多のセントウルＳ組が【4.3.1.44】で複勝率15.4％。最重要ステップレースとしてＧ２に格付けされている割にはこのところ振るわない印象もあるが、ここから駒を進めてくる実力馬も多く軽視は禁物だ。そのセントウルＳ組の好走馬を見ると、同レースが休養明けだった馬と、夏競馬出走馬が半々。セントウルＳが休養明けだった馬なら、今回上位人気馬。夏競馬出走組なら、前走（セントウルＳ）、前々走ともに５着以内が目安になる。

【セントウルＳ組の好走馬（過去10年）】

年 馬名 性齢 人気 着順 前走人気 前走着順 前々走（夏）
15 ストレイトガール 牝6 1 1 3 4 休養
18 ファインニードル 牡5 1 1 1 1 休養
ラブカンプー 牝3 11 2 2 2 北九州記念３着
ラインスピリット 牡7 13 3 9 5 アイビスＳＤ５着
19 タワーオブロンドン 牡4 2 1 1 1 キーンランドＣ２着
20 ダノンスマッシュ 牡5 3 2 1 1 休養
21 ピクシーナイト 牡3 3 1 2 2 ＣＢＣ賞２着
レシステンシア 牝4 2 2 1 1 休養

セントウルＳ組以外なら年内芝1200ｍ実績に注目

近年はセントウルＳ組よりも別路線組の好走が増えている。この別路線組過去５年の好走馬11頭の前走をみると、オープン特別からＧ１までまちまち。前走の人気や着順、今回の人気も問われない印象だ。ポイントになるのは年内芝1200ｍ戦実績。この距離での重賞勝ち馬が中心で、悪くても重賞で３着以内の実績があった。過去の実績があっても年明け以降の実績に欠けるような馬は狙いづらい。別路線組なら年内の1200ｍ重賞好走実績が必須だ。

【前走セントウルＳ以外からの好走馬（過去５年）】

年 馬名 性齢 人気 着順 前走 前走人気 前走着順 主な年内芝12実績
19 モズスーパーフレア 牝4 3 2 北九州記念 2 4 オーシャンＳ１着
ダノンスマッシュ 牡4 1 3 キーンランドＣ 1 1 キーンランドＣ１着
20 グランアレグリア 牝4 1 1 安田記念 3 1 高松宮記念２着
アウィルアウェイ 牝4 10 3 北九州記念 10 3 シルクロードＳ１着
21 シヴァージ 牡6 10 3 パラダイスＳ 1 5 シルクロードＳ１着
22 ジャンダルム 牡7 8 1 北九州記念 9 17 オーシャンＳ１着
ウインマーベル 牡3 7 2 キーンランドＣ 2 2 葵Ｓ１着
ナランフレグ 牡6 5 3 安田記念 12 9 高松宮記念１着
23 ママコチャ 牝4 3 1 北九州記念 1 2 北九州記念２着
マッドクール 牡4 6 2 ＣＢＣ賞 1 9 シルクロードＳ３着
ナムラクレア 牝4 1 3 キーンランドＣ 1 1 シルクロードＳ１着

穴は坂路組か美浦南Ｗ４ハロン追い

８番人気以下の穴馬をいかに見いだすかがポイントとなるスプリンターズＳ。その８番人気以下で好走した馬の追い切りを分析すると、全馬が４ハロンから時計を出していた。

内訳は栗東坂路組６頭、美浦坂路組１頭と、基本４ハロン計時になる坂路組が計７頭を数える。そして、残る２頭は美浦南Ｗ組で、こちらも４ハロンからの計時だった。ただし、美浦南Ｗ組は人気を問わない全体でも【3.2.3.17】複勝率32.0％の好成績を残しているため警戒が必要だ。同じＷコースでも栗東ＣＷはストレイトガール（２回）以外はすべて圏外に敗退している。

【８番人気以下で好走した馬の追い切り（過去10年）】

年 馬名 人気 着順 コース 馬場 追い切り時計 位置 脚色 併せ
2014 スノードラゴン 13 1 美南坂 良 2回 53.1-39.0-25.6-12.6 馬ナリ
2015 サクラゴスペル 11 2 美南Ｗ 良 50.7-37.0-13.0 5 馬ナリ 0.4秒先着
2015 ウキヨノカゼ 9 3 美南Ｗ 良 52.1-38.5-13.0 6 馬ナリ
2016 ソルヴェイグ 9 3 栗東坂 稍 1回 52.5-37.6-24.0-11.9 馬ナリ
2018 ラブカンプー 11 2 栗東坂 良 1回 54.8-39.9-26.0-13.6 一杯 0.7秒遅れ
2018 ラインスピリット 13 3 栗東坂 良 1回 54.1-39.1-25.3-12.7 末強目
2020 アウィルアウェイ 10 3 栗東坂 良 2回 53.7-38.5-25.2-12.8 一杯
2021 シヴァージ 10 3 栗東坂 良 1回 51.6-38.0-24.6-12.3 末強目
2022 ジャンダルム 8 1 栗東坂 稍 1回 52.7-37.9-24.5-12.0 馬ナリ

2024年スプリンターズＳ（Ｇ１）調教状態＆コメント

ウイングレイテスト　松岡正海

調教状態

夏場の疲れもなく、１週前には気合をつけて好時計をマーク。直前は終い重点になったが、抜群の回転の速さで10秒台の切れ味。活気十分で申し分なし。

ウインマーベル　松山弘平

調教状態

（ＫＳトレセンから８月13日に帰厩）道中から力強さに溢れて、直線も余裕十分で追走同入。以前の頼りなさは一切なく、大きな成長を感じさせる動きだった。

厩舎コメント

(満足いく状態)深山師――前哨戦を使わない分、早めに入厩させて満足のいく仕上がりです。1200ｍで負けた時は枠順、馬場などの条件がうまく噛み合わなかっただけで、力負けではありません。あとは天候、枠順に恵まれれば。

エイシンスポッター　Ａ．シュタルケ

調教状態

全身を使ってリズム良く走れているし、後肢の蹴りが力強い。馬体はスプリンターらしくがっちりとした構え。気合も乗って、一連のデキをキープしている。

オオバンブルマイ　武豊

調教状態

行きっぷりが良くて、ピッチの速い脚捌き。前走よりも切れが増し、軽快さも十分。スプリント寄りの走りになってきた。久々を叩いての上積みを感じる。

厩舎コメント

(更に上向く)吉村師――前走は初めての1200ｍでしたが、いい脚を使って選択肢の幅が広がりました。使ったあとは更に上向いていますよ。中山は先週からＣコース使用。馬場傾向がどうかと思いますが、うまく噛み合えば。

サトノレーヴ　Ｄ．レーン

調教状態

前を行く２頭に顔を向けながら闘志を前面に出して叩きつけるようなパワフルな走り。終いの伸びも目立つ。

厩舎コメント

(試金石)堀師――在厩続戦で25日の調教後の馬体重は549キロ。直前はオーバーワークにしたくなかったので、坂路で終い馬なりだが、八分ぐらいの力で、手応えがある分だけ伸びた。不安点は暑さでフレッシュさがないこと。やっとＧⅠを使えるので、ＧⅠで好走してきた馬に敬意を払わなければいけないし、現在のこの馬の立ち位置を冷静に判断すれば、今回が試金石だと言うべきでしょう。

ダノンスコーピオン　戸崎圭太

調教状態

例によって少しモタれる面は見せたが、以前より大分マシ。前肢でグッと掻き込んで、終いまでいい伸び脚。馬体も引き締まって張りツヤ良し。好仕上がり。

トウシンマカオ　菅原明良

調教状態

中２週になるが、前回以上に前向きで動きにも力強さが出てきた。疲れはなく、更に体調を上げてきた印象。

厩舎コメント

(右回りプラス)高柳瑞師――前走は不得意な左回りの中京でいつも通り右に張っていましたが、直線で左手前に替えてからひと伸びしてくれました。暑いなかで走った疲れもないし、右回りの中山はプラス。スムーズなら。

ナムラクレア　横山武史

調教状態

先週に横山武騎手を背にびっしり。今週は持ったままでもグングン加速して気合乗り抜群。キビキビとした動きで、前走時よりスピード感も出てきた。気配上昇。

厩舎コメント

(この馬の競馬を)長谷川師――前走は最後は狭いところに入っていく形で接触もありましたし、厳しい競馬になりました。本番前に１度使ったことで、状態としてはいいところまできてくれたかなと思います。錚々たるメンバーですが、この馬の競馬ができれば。

ビクターザウィナー　Ｊ．モレイラ

調教状態

終い重点ではあったが、坂を上がってくる時の勢いが良く、バランスも非常に良かった。やはり右回りの方がよりスムーズな印象はある。

厩舎コメント

(いい状態)シャム師――高松宮記念後は成績が低迷しましたが、これはシーズンで蓄積した疲労と重い負担重量を背負ったことが要因だと思います。今回は休養を経てフレッシュな状態ですし、高松宮記念時より状態はいいです。1200ｍはこの馬の適性に合っていますし、コースや日本馬を熟知するモレイラ騎手が騎乗するので、いいレースをしてくれるでしょう。

ピューロマジック　横山典弘

調教状態

先行する馬の真後ろにつけて、抜き去る形。非常に回転力を感じたし、筋肉が浮いて好馬体。今回間隔が詰まってコースで併せ馬を消化し、攻め強化と言える。落ち着きが出てきて、体調は文句ない。あとは直線の坂。

マッドクール　坂井瑠星

調教状態

（ノーザンＦしがらきから８月29日に帰厩）全身を大きく使って、この距離にしてはゆったりした走り。それでもパワーがある分、推進力があって51秒台で走れる。ＣＷ併用で乗り込み、馬体も追う毎に引き締まってきた。

厩舎コメント

(時間かけて)池添学師――４月の香港が終わった時点でぶっつけで行こうと。牧場でも特に問題なく過ごせて、８月29日に帰厩。プールを併用しながら時間をかけて調整してきました。昨年は馬場の内側が荒れているなか我慢して２着。今年は馬場もメンバーも違いますが、何とかいい結果を。

ママコチャ　川田将雅

調教状態

前走同様に馬の後ろで我慢をさせてラスト１ハロンほどで加速して抜き去る。馬なりでためた分、前走より時計は地味だが、動きはしっかり。変わりなく好調を維持。

厩舎コメント

(上積み大きく)池江寿師――高松宮記念のあと爪を痛めてしばらく乗れない時期が。その分、前回は急仕上げだったけど、57キロを背負ってよく頑張ってくれたと思う。その後はコントロールがつきやすくなっているし、もともとが叩き良化型。上積みは大きいね。

ムゲン　Ｋ．ティータン

調教状態

１日前倒しで木曜日に追い切る。帯同馬を追いかけて楽に先着。時計は平凡だが、素軽さ十分。気配は良好。

モズメイメイ　国分恭介

調教状態

連戦の疲れはまったく見せず、軽快なフットワーク。前進気勢旺盛だが、ためが利いてラストはスーッと加速。もともと攻め駆けするとはいえ、調子の良さが窺える。

厩舎コメント

(差しが板につき)田中助手――随分と差す競馬が板についてきました。１、２着馬は綺麗なところを通っていましたし、前走は枠の差もあったと思います。それでも、最後狭いところを割って伸びてきてくれました。悲観するような内容ではなかったです。近走のような競馬ができるのであれば、ＧⅠでも大崩れなく走れると思います。

ルガル　西村淳也

調教状態

（チャンピオンヒルズから８月28日に帰厩）１週前に速い時計を出して今週は馬なり。回転の速い脚捌きでグングンと加速してきた。骨折明けの影響は感じられず、久々でも動きは軽快。力を出せる仕上がりにある。

ヴェントヴォーチェ　Ｃ．ルメール

調教状態

（キャニオンＦ土山から８月16日に帰厩）昨年３月以来の休み明け。馬なり主体とはいえ、しっかりと乗り込んだ。先週、今週とピッチを上げてシャープ。態勢整う。

2024年スプリンターズＳ予想

昨年のスプリンターズＳと今年の高松宮記念１～３着馬のママコチャ、マッドクール、ナムラクレア、ビクターザウィナーの４頭が出走。これにサトノレーヴとトウシンマカオを加えた６頭を上位候補とすれば、実力接近と見ていい。枠順、馬場、展開が明暗を分ける可能性が大きく、先週までの超高速馬場を加味すれば、雨の影響を受けても、良ならレコードで水準レベルだ。内枠＆先行馬に有利とはいえ、脚質と枠順がマッチしているかどうかは、かなり重要なポイントになる。

管理人の予想印

◎ サトノレーヴ
○ ママコチャ
▲ ビクターザウィナー
◇ ナムラクレア
△１ マッドクール
△２ トウシンマカオ
△３ ウインマーベル
△４ モズメイメイ
△５ オオバンブルマイ

◎サトノレーヴ

鞍上に連続騎乗でＤ.レーンを配してきたが、３連勝の余勢を駆るわけではなく、ＧⅠを目標に仕上げてきたわけでもない。ＧⅠへ出走するための土台作り（賞金加算）のなかで、馬の状態とレースをすり合わせながら、ここへの出走が整ったと見るべきだろう。その過程で優等生のスプリンターとして完成。状態面の上積みはないが、こういう叩き上げのスプリンターは強い。12番枠なら、十八番の好位差しで頂点に立てる。

○ママコチャ

昨年の覇者。その昨年は、ややゴチャついた序盤の攻防で、ナムラクレアを内に押し込む形になって、自ら動ける位置を確保できたことが大きい。前走は57キロを背負って、力んで２着。語弊はあるが、本番へ向けていい負け方に映った。リズム良く走れれば。

▲ビクターザウィナー

控える策を表明しているピューロマジックとモズメイメイが土壇場で逃げなければ、逃げ候補のこの馬が一角崩しになる。高松宮記念の34秒９－34秒５のラップ構成は優秀で、一介の逃げ馬ではない。モレイラ・マジックがある。

◇ナムラクレア

昨年は３着。流れに乗れなかったことが最大の敗因で、結果的には、脚を余す形になった。負けてなお強し。高松宮記念２着の伸びから、活力はまだまだ落ちていない。マッドクールともども、五分のスタートを切って好位のイン差しの形を作れれば、勝ちパターンに持ち込める。