2023年ラジオNIKKEI賞過去データと予想分析

第72回 ラジオNIKKEI賞（Ｇ３）

2023年7月2日（日）　福島競馬場　芝1800ｍ

ダービー後の重賞（芝）としては、初の３歳馬限定戦となるラジオNIKKEI賞。ダービーで涙をのんだ馬や、出走がかなわなかった馬などが、最後の１冠・菊花賞へ向けた足がかりを作る一戦だ。近年では2018年の本競走で２着だったフィエールマンが、秋に７番人気で菊花賞を制すると翌年から天皇賞（春）を連覇。また2020年２着のパンサラッサは、後にドバイターフを制するなど活躍中だ。以前はダービー出走馬の好走も多く見られたが、2006年にハンデ戦に変更された影響などもあり、その後はＧ１以外から参戦してきた馬の好走が目立つ。そんなラジオNIKKEI賞の、過去の傾向を見てみよう。

ラジオNIKKEI賞過去10年間配当金

ラジオNIKKEI賞過去10年間結果

ラジオNIKKEI賞過去10年間結果前走レース

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人気別過去データ

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前走レース名別過去データ

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前走コース別過去データ

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年齢別過去データ

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馬体重過去データ

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ハンデ別過去データ

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種牡馬別過去データ

中～下位人気勢を注意

過去10年、１、２番人気は計【4.2.1.13】複勝率35.0％といまひとつ。３～４番人気も【3.1.0.16】同20.0％止まりで、人気どころを買う妙味は薄い。５、８、９番人気が複勝率40.0％、７番人気が同30.0％を記録しており、５～９番人気の合計で【3.5.8.34】同32.0％になる。優勝馬こそ上位人気に多いものの、馬連や３連複ならこのあたりの人気を軸にしてもおもしろそうだ。

やや軽めのハンデを警戒

ハンデ別では、54キロが５勝で８連対、55キロが５連対。また53キロは勝ち切れないながらも９頭が好走し、そのすべてが６番人気以下の穴馬が占めている。逆に56キロ台は好走した３頭とも５番人気以内と妙味が薄い。本年は前年までに比べハンデが重くなる傾向にあるためこの数字を鵜呑みにはできないが、全体としてはトップハンデやそれに次ぐあたりではなく、もう少し軽めの馬を狙っていくのが良さそうだ。あまりハンデが軽すぎても好走確率は低くなる。

１、２枠が好成績

枠番別成績を見ると２枠が複勝率43.8％でトップに立ち、１枠も同37.5％と２枠に接近。この１～２枠の好成績が目立つ。またCheck１にあったように人気馬の信頼性はさほど高くないレースだが、この１～２枠の人気馬は非常に安定しており信頼できる。しかしすぐ外の３～４枠の５番人気以内馬は計【1.0.0.10】。４枠は人気を問わない全馬でも【0.0.0.18】と馬券に絡む馬が出ていない。

オープン特別組は前走４着以内、重賞組は大敗馬も

前走クラス別の成績をみると、条件戦組でもオープン・重賞組でも好走確率に極端な差はない。好走確率、好走馬数のバランスをみればオープン特別組【5.2.1.20】複勝率28.6％が無難だが、あまりこだわりすぎるのも良くないだろう。注意したいのは、オープン特別組と重賞組の好走馬で前走内容がまったく異なることだ。オープン特別組は好走した８頭中６頭が前走４着以内、対して重賞組は10頭全馬が前走６着以下からの巻き返しだった。

美浦南Ｗ追い切り馬が中心に

東西の所属別成績を見ると、関東馬が【5.7.5.73】複勝率18.9％、関西馬が【5.3.5.43】同23.2％。出走数に少し差があり関東馬の好走が多いが、好走確率は関西馬がやや優勢だ。過去10年の出走馬の追い切りを分析すると、関西馬は好走馬がほぼ半々にＣＷと坂路に分かれたが、関東馬は１頭を除き南Ｗばかり。南Ｗ組にかぎれば【5.6.5.45】で複勝率26.2％と関西馬を上回る成績を収めている。好走馬数が多く好走確率も高めとなれば、まずは美浦南Ｗ組中心という考え方でいいだろう。

その美浦南Ｗ組は４ハロンからの計時だった馬が【0.2.1.7】複勝率30.0％、５ハロン70秒７以上と遅かった馬が【3.1.1.0】同100％、そして５ハロン70秒６以下は【2.5.4.45】同19.6％。５ハロンの時計が遅い馬や、４ハロンからしか時計を出していない馬のほうが好走確率は高い。

【主な追い切りコース別成績（過去10年）】

追い切りコース 成績 勝率 連対率 複勝率
美浦 南Ｗ 5-6-5-45 8.2% 18.0% 26.2%
南坂 0-1-0-17 0.0% 5.6% 5.6%
栗東 ＣＷ 2-1-3-19 8.0% 12.0% 24.0%
坂路 3-2-2-21 10.7% 17.9% 25.0%

2023年ラジオＮＩＫＫＥＩ賞（Ｇ３）調教状態＆コメント

アイスグリーン　幸英明

調教状態

リズミカルなフットワークで、スイスイと駆け上がってきた。馬体の張りも良好。好気配をキープしている。

厩舎コメント

(イレ込み対策)池添学師――小倉で２勝。小回りのコース形態が合うと思ってここに使います。ただ、まだ精神面で幼さが残る現状。現にスプリングＳはイレ込みが影響しました。今回は対策として１日早く連れていきます。パドックで落ち着きを保てるかが鍵。

アグラシアド　津村明秀

調教状態

コース、坂路で２週続けて追走先着。軽快な走りが目についた。もともと攻め駆けする馬だが、気配は良好。

ウヴァロヴァイト　菅原明良

調教状態

１週前が圧巻の切れ味。今週はセーブされたが、これでちょうどいいかも。馬体も引き締まり、態勢は整った。

厩舎コメント

(牡馬相手で)萩原師――勝ったあとは距離を考慮し、放牧を挟んでここを目標に調整。先週、併せ馬で追い切り、輸送を控えた今週は単走で。順調に仕上がったし、戦績からハンデもこんなものだろう。ただ、今回は重賞で牡馬が相手になるし、馬場状態も分からないから、その点がどう出るか。

エマヌエーレ　石橋脩

調教状態

１週前の坂路で49秒９と非凡な脚力を見せつけた。今週は馬なりでサッと伸ばす感じだったが、それでもラストは11秒台。久々を感じさせない力強い走りで、好気配。

エルトンバローズ　西村淳也

調教状態

１週前のＣＷがラスト10秒９と凄い時計で先着。今週は坂路で上がり重点だったが、ゴール前はグーンと伸びる感じで時計が示す以上に迫力があった。絶好のデキ。

オメガリッチマン　横山典弘

調教状態

若干ズブい面を見せていたが、追われてからの渋太さも十分。最後は内から抜き去る形。元気一杯。

グラニット　嶋田純次

調教状態

我慢の利いた追い切りで、前脚を掻き込んで迫力も満点。馬体の張りも良く、状態面は言うことなし。

厩舎コメント

(自分の競馬で)大和田師――ここを目標に、いい仕上がりで挑めます。勝っている舞台で、開幕週もプラス。二の脚こそ速くありませんが、どんな形になっても、自分の競馬に徹するだけです。

コレペティトール　田辺裕信

調教状態

長距離輸送を控えながらもビシッと追ってきた。まだ少し口向きに若さは見られるものの、脚取りそのものは力強さ十分。馬体にも太め感はなく、力は出せそう。

シーウィザード　三浦皇成

調教状態

ちょっと前向き過ぎる印象はあるが、体を大きく使って力強さは満点。復調ムードはありそうだ。

シルトホルン　大野拓弥

調教状態

古馬３勝クラスを追いかけて、最後まで手綱は持ったまま。動く方ではあるが、抜群の推進力で文句なし。

厩舎コメント

(重賞でも期待)新開師――前走は力を抜いて走れていたし、成長を感じる、いい勝ち方ができた。中間は２週間ほど短期放牧に出したが、ここにきて攻め馬での動きなんかも大きくなってきたね。重賞でも期待しているよ。

スズカハービン　Ｍ．デムーロ

調教状態

先行はしていたが、古馬重賞Ｖの馬を手応えでアオッていた。落ち着きも出て、今回は２週続けてコースでしっかり追って攻め強化。目一杯仕上げてきた。

セオ　松若風馬

調教状態

レース間隔が詰まるし、長距離輸送も控えている分、今回は坂路での最終追い。キビキビとした動きでなかなかスピード感があった。好調キープと見ていいだろう。

ダイシンヤマト　吉田豊

調教状態

ずっと右手前ではあったが、体を大きく使って力強さは満点。馬体も引き締まって気配は良好。

バルサムノート　松岡正海

調教状態

体を大きく使う感じで走りがダイナミックだが、それでいながら切れもある。ますます快調と言える攻め気配。

厩舎コメント

(力発揮して)高野師――道中の折り合い、それに口向きの課題に関しては、調教で確認作業を続けてきました。体調は申し分ないですよ。小回り1800メートルに対応して、秘めた力を発揮できれば。

マイネルモーント　石川裕紀人

調教状態

故障馬がいてウッドコースに入れなかったのでＰで。回転が速くて推進力も十分。まさに充実一途か。

厩舎コメント

(イレ込み鍵)高木登師――普段は大丈夫なのに、競馬場の馬房に入るとうるさくなってしまう。今回は輸送して一泊。我慢できるようにいろいろと工夫してみるつもり。前走の時計は優秀だし、能力的には通用する。

レーベンスティール　戸崎圭太

調教状態

木曜日に内めを回って終い重点。あまり昂らないように調整されて、動きは際立っている。不安は一切ない。

厩舎コメント

(能力高く)山崎助手――左右のバランスが良くなっていますし、力を抜いて走れるところも出てきました。まだ腰回りなど肉体的に完成は先の印象ですが、高い能力を持っていることは確かです。競馬も上手になってきたので、福島のトリッキーな条件にも対応できると思います。

2023年ラジオＮＩＫＫＥＩ賞予想

過去10年で１番人気の連対は４頭。信頼できる１番人気と、１番人気に支持されて４着以下に敗れた６頭の分類を試みたが、なかなか一筋縄ではいかない。ひとつだけ言えることは、18年２着フィエールマン以外、過去５年の連対馬９頭は４角５番手以内だったということ。つまり、スピードと機動力が肝要で、差し・追い込み一手は苦しい。

管理人の予想印

◎ アグラシアド
○ グラニット
▲ レーベンスティール
◇ エルトンバローズ
△１ アイスグリーン
△２ マイネルモーント
△３ バルサムノート
△４ ウヴァロヴァイト

◎アグラシアド

３連対は差しになるが、ミモザ賞で見せた機動力が印象に深く残っている。前走でも脚を使ったが、一瞬の切れ味は直線の短い小回りコースでこそ生きる。牝馬苦戦のデータだが、牝馬54キロは牡馬56キロと同等の評価と考えればいい。

○グラニット

皐月賞は逃げ・先行馬が壊滅。着順は一切不問で、何がなんでもハナを主張したことに意義がある。今回はスプリングＳと同じ内枠なので、マイペースに持ち込める可能性が大。少々速いペースで逃げた方がいい。

▲レーベンスティール

デビューから４戦、いずれも上がり最速か最速タイ。この強みがここで生きる反面、嫌々正攻法になってしまう危険性もある。ポテンシャルでカバーできる範囲とみているが、ハンデ戦だけに予断は許さない。

◇エルトンバローズ

出走馬の中で、走破タイムに注目すれば、この馬の前々走。ここでも通用するレベル。好調教を連発して状態の良さは一目瞭然だし、ツーターンでパフォーマンスが下がるとも思えない。

買い目

単勝/複勝

11

馬連

軸11、2
相手２、６、９、10、11、13、14、16