2024年報知杯フィリーズレビュー過去データと予想分析

第58回 フィリーズレビュー（Ｇ２）

2024年3月10日（日）　阪神競馬場　芝1400ｍ

３着までに桜花賞の優先出走権が与えられるトライアル競走・フィリーズレビュー。過去には三冠牝馬・メジロラモーヌをはじめ、多くの桜花賞馬を出している。近年はチューリップ賞など1600ｍ以上のステップレースに押され気味だが、2017年にはレーヌミノル（本競走２着）が本番を制した。また、たとえ桜花賞には繋がらなくても、クイーンズリングやメイショウマンボなどといった後の活躍馬は多く、春後半以降も含め注目の欠かせない一戦であることに変わりはない。今年はどんな馬が勝利を手にするのか、過去の傾向を見てみよう。

報知杯フィリーズレビュー過去10年間配当金

報知杯フィリーズレビュー過去10年間結果

報知杯フィリーズレビュー過去10年間結果前走レース

馬ランドの過去データ表の見方

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下記のように●●●ステークス人気別過去データの欄があるとします。

●●●ステークス
人気別過去データ

人気	着別度数	勝率	連対率	複勝率
１番人気	0-1-0-2/3	0.0%	33.3%	33.3%
２番人気	0-0-2-1/3	0.0%	0.0%	66.7%

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人気別過去データ

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年齢別過去データ

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馬体重過去データ

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ハンデ別過去データ

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種牡馬別過去データ

１着は３番人気以内か８番人気以下

2019年が１着同着だったため、過去10年の優勝馬は11頭。このうち６頭は３番人気以内だが、残る５頭中４頭は８番人気以下と両極端だ。４～７番人気は【1.2.5.32】。好走馬自体は多いためまったく軽視はできないものの、「過去10年」の傾向としてはこのあたりに該当する馬は１着候補としては評価が下がる。なお、ここ10年では22年を除いて１～３着を５番人気以内の馬が独占した例はないため、３連複・３連単なら少なくとも１頭は穴っぽい馬を絡めたい。

プラス体重馬は勝ちきれない

馬体重の増減別成績を見ると、プラス４～９キロだった馬が【0.3.5.24】で、複勝率は25.0％と高いものの、勝ち馬はゼロ。プラス２キロの馬も2017年のカラクレナイ１勝のみと、プラス体重で出走してきた馬は勝ち切れない競馬が続いている。牝馬だけに桜花賞へ向けては多少余裕を残していたほうが良さそうにも思えるが、このレースを勝ち切るという意味では、増減なしかマイナス体重が理想だ。

【馬体重増減別成績（過去10年）】

馬体重増減 成績 勝率 連対率 複勝率
～-10キロ 1-0-0-9 10.0% 10.0% 10.0%
-9～-4キロ 8-2-4-50 12.5% 15.6% 21.9%
-3～+3キロ 2-3-1-57 3.2% 7.9% 9.5%
+4～+9キロ 0-3-5-24 0.0% 9.4% 25.0%
+10キロ～ 0-1-0-6 0.0% 14.3% 14.3%

前走Ｇ１組は着順不問

前走クラス別で好走確率が高いのは中央Ｇ１組で、【2.6.3.19】複勝率36.7％。該当30頭中29頭は阪神ＪＦ組だ。このＧ１組の好走馬11頭を見ると、前走のそのＧ１で３番人気以内だった馬は朝日杯ＦＳのベルカントだけで、阪神ＪＦ組はゼロ。そして３着以内だった馬は皆無だ。

また前走の阪神ＪＦも含めオープン・重賞で賞金を加算できていない馬は、そのままでは桜花賞出走が微妙になるが、16年のアットザシーサイドや17年のゴールドケープ、そして20年のヤマカツマーメイド、21年のシゲルピンクルビーなど、阪神ＪＦから間隔を開けて、ここで桜花賞出走権を獲得した馬も多い。その中にはニホンピロアンバーのような人気薄もおり、阪神ＪＦで大敗を喫していても軽視はできない。

【前走Ｇ１からの好走馬（過去10年）】

年 馬名 人気 着順 前走 前走人気 前走着順 主な実績
14 ベルカント 2 1 朝日杯ＦＳ 3 10 ファンタジーＳ１着
ニホンピロアンバー 13 2 阪神ＪＦ 14 17 秋明菊賞１着
15 ムーンエクスプレス 2 3 12 4 秋明菊賞１着
16 アットザシーサイド 1 2 4 5 秋明菊賞１着
キャンディバローズ 2 3 5 9 ファンタジーＳ１着
17 ゴールドケープ 6 3 14 6 白菊賞１着
20 ヤマカツマーメイド 2 2 7 5 りんどう賞１着
21 シゲルピンクルビー 8 1 11 17 新馬１着
ヨカヨカ 2 2 10 5 ファンタジーＳ５着
22 ナムラクレア 1 2 6 5 小倉２歳Ｓ１着
23 ムーンプローブ 7 2 14 17 白菊賞１着

前走Ｇ１以外なら１勝クラス中心

前走Ｇ１以外からの好走馬は過去５年で表の10頭。好走確率ではＧ１組に見劣るものの、2019年には１～３着を独占するなど、決して無視できない存在だ。この11頭のうち、前走でオープン・重賞に出走していたのは３頭だけ。一方で新馬・未勝利戦も２頭しかおらず、１勝クラス（旧500万条件）組が中心になる。また、前走を勝ってきた馬がやや多いものの、掲示板さえ確保していれば好走は可能だ。

【前走Ｇ１以外からの好走馬（過去５年）】

年 馬名 人気 着順 前走 前走人気 前走着順
19 ノーワン 12 1 未勝利戦 4 1
プールヴィル 3 2 紅梅Ｓ 1 2
ジュランビル 6 3 万両賞 2 1
20 エーポス 5 1 エルフィンＳ 8 4
ナイントゥファイブ 12 3 千両賞 5 4
21 ミニーアイル 11 3 あざみ賞 1 1
22 サブライムアンセム 2 1 未勝利戦 1 1
アネゴハダ 4 3 1勝クラス平場 1 1
23 シングザットソング 2 1 エルフィンＳ 5 3
ジューンオレンジ 11 3 かささぎ賞 2 5

栗東組は終いの時計に注目

過去10年の出走馬の追い切りを「競馬道調教マスター」で分析すると、栗東坂路組が【9.5.6.80】と好走馬20頭を出し、これが中心。全体では複勝率20.0％とまずまずといったところだが、ラスト１ハロンの時計をみると、12.0秒以下だった馬は【0.1.0.9】、12.9秒以上を要した馬も【0.0.1.16】と苦戦。12.1～12.8秒だった馬が【9.4.5.55】とこの組の好走馬の大半を占め、勝率12.3％・複勝率24.7％と優秀だ。また、栗東ＣＷ組はラスト12.0秒を超えると２着馬１頭しかいないため、12.0秒以下の馬を狙いたい。

【主な追い切りコース別成績（過去10年）】

コース ラスト１Ｆ 成績 勝率 連対率 複勝率
栗東坂路 全 9-5-6-80 9.0% 14.0% 20.0%
～12.0秒 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
12.1～12.8秒 9-4-5-55 12.3% 17.8% 24.7%
12.9秒～ 0-0-1-16 0.0% 0.0% 5.9%
栗東ＣＷ 全 2-3-2-30 5.4% 13.5% 18.9%
～12.0秒 2-2-2-9 13.3% 26.7% 40.0%
12.1秒～ 0-1-0-21 0.0% 4.5% 4.5%
美浦南坂路 全 0-0-1-11 0.0% 0.0% 8.3%
美浦南Ｗ 全 0-0-0-17 0.0% 0.0% 0.0%

2023年フィリーズレビュー（Ｇ２）調教状態＆コメント

エトヴプレ　藤岡佑介

調教状態

今週はがっちり抑えて終い重点。仕掛けられるとスッと加速して１ハロン11秒１。この馬らしいキビキビした動きで反応も良かった。馬体もいい感じに仕上がっている。

厩舎コメント

(阪神で見直しを)仲田助手――前走はコーナーで右に張ってスピードに乗り切れなかったですね。右回りに替わるのはプラス。操縦性がいいので、1400メートルはこなしてくれそうです。

オアシスドール　松若風馬

調教状態

本数はやや不足気味も適度に丸みがあって、気分良さそうに登坂。完歩が小さく、芝はどうかも調子は良。

オメガウインク　岩田望来

調教状態

アイシールドを着用して耳をピンと立てると、スナップの利いた弾むような推進力のある走りで鋭く伸びる。

厩舎コメント

(ここも楽しみ)大和田師――1400メートルに短縮して、いい勝ち方ができました。理想は広いコースですが、２走前の中山と比べれば、阪神内回りなら十分に対応できると思います。ここも楽しみ。

カルチャーデイ　酒井学

調教状態

今週も道中は前に馬を置いてしっかり我慢させる形。抑えたまま並びかけ、軽く仕掛けて先着。フォームも反応も良かった。馬体も無駄なく仕上がっている。

厩舎コメント

(成長が窺え)四位師――乗り込みは順調。小柄で気の勝った馬。以前はカリカリして歩けない部分があったが、随分と常歩が良くなってきた。ジョッキーもいい感触を持っているし、楽しみ。

キャンシーエンゼル　松山弘平

調教状態

久々をひと叩きされて、肌艶が良くなり、気配もアップしてきた。次走は更に良くなりそうだが、前進可能。

コラソンビート　横山武史

調教状態

早めに栗東に入厩。終いを伸ばす感じで軽快なフットワークで駆け上がってきた。見た目以上に速い時計が出たし、コンパクトな馬体ですっきりと好仕上がり。

厩舎コメント

(力出せる)山﨑助手――栗東入りして調整。当初は環境の変化でテンションの高いところもありましたが、すぐに慣れてここまで順調です。桜花賞を見据えての一戦で、ここは目一杯の仕上げではありませんが、力を出せる態勢にあります。いい結果を出して次の本番に向かいたいです。

シカゴスティング　鮫島克駿

調教状態

先週に続いて馬の後ろで我慢させ、追い抜く調整。折り合って仕掛けてからの反応、伸びも鋭かった。上々。

厩舎コメント

(息が入れば)庄野師――帰厩後は馬の後ろで我慢させる調教を重ねてきたし、特にハナにはこだわっていない。追い切りでもスピード感十分の走りで、追ってからの反応も良かったので、当日までテンションが上がらないように調整したいね。うまく息を入れて運べれば、チャンスはあると思う。

ジューンブレア　武豊

調教状態

気合乗りが良くて軽快な行きっぷり。動きはまったくブランクを感じさせない。馬体もほぼ仕上がっている。

セシリエプラージュ　Ｍ．デムーロ

調教状態

間隔が詰まる分、セーブ気味の併走仕上げ。脚捌き自体は力強かったし、集中力も十分。馬体減りもなし。

ドナベティ　坂井瑠星

調教状態

ここ２走ほどの鋭さは感じなかったが、追われてからの伸び脚はさすが重賞２着馬。馬体にも多少成長の跡。

厩舎コメント

(体が減らなければ)岡助手――ＧⅠでも大外枠から頑張ってくれたと思います。体は思ったほど増えてきませんが、放牧を挟んで順調にきましたし、先週にしっかりと追ったので木曜はサラッと。当日はイレ込みますが、今回は1400メートルですから、体を減らさず臨めれば。

バウンシーステップ　菱田裕二

調教状態

もともと攻め駆けするタイプだが、今週もシャープな動き。馬体もふっくらとしており、久々でもいい状態。

厩舎コメント

(条件いい)高橋亮師――前走はいい脚だったね。ジョッキーもうまく乗ってくれた。リフレッシュ明けになるけど、順調だし、馬体もいい感じだよ。阪神の1400メートルという条件は申し分ないし、良馬場で持ち味を生かせれば。

ポエットリー　永島まなみ

調教状態

もともと攻めは目立つタイプだが、低い姿勢で弾力性十分の動き。終い１ハロンは数字通りの切れ味で上昇顕著。

マーシーラン　和田竜二

調教状態

１週前にＣＷでハードに追い、当週は坂路で余力の併走仕上げ。まだ馬体は緩いが、柔軟性があって好気配。

レディマリオン　Ｂ．ムルザバエフ

調教状態

1200メートルでも走れそうなピッチ走法でキビキビした脚捌き。前走後も乗り込んで、自己ベストを更新。更に。

ロゼフレア　団野大成

調教状態

コロンと見せる馬体で本番よりこの距離がベスト。前肢のたぐりが力強く、なかなかの推進力。巻き返せる。

厩舎コメント

(展開ひとつ)中村師――前走はスローの上がり勝負に対応し切れませんでした。トライアルならペースが遅くなることはないと思いますし、展開的には今回の方が向きそうですね。